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いざ秋初戦、オークス馬&桜花賞馬の追い切りを詳細レポート!

  • 2015年09月16日(水) 18時00分


ダービー2着馬は最後まで余裕の脚色



 16日のトレセンニュースでも、スプリンターズSの2週前追い切りをたくさんお伝えしましたが、秋競馬がスタートして、今や、どの馬場、どの時間帯にもこれから先の重賞戦線に出走してくる馬たちが溢れています。これは非常にうれしく、ありがたいことなのですが、どの馬に主眼を置いて追い切りを見るべきか、迷ってしまうという悩みもあります。

 今朝16日も馬場開門と同時に、坂路馬場ではローズSの出走予定馬がわんさと追い切りましたが、トラック馬場ではサトノラーゼンを筆頭に、重賞出走予定馬が立て続けに追い切ったので、目を離せません。調教開始時刻が6時になって、視界良好でもこの状態ですから、雨予報の17日は追い切り確認が結構大変になるかも知れません。

【セントライト記念/サトノラーゼン】

 1週前追い切りがキロハナに見劣る動き。追い切り本数自体はきっちりと消化しているので、キロハナの動きが良かったと判断しましたが、16日の追い切りはオーシャンブルーを追走する内容。ここはきっと先着する動きを見せるだろうと想定していました。

 加えて、陣営がコメントしているように、道中の折り合いにも注意。こちらから見ているかぎりは騎乗の岩田康誠騎手が苦労しているようなシーンもなかったように思いますし、しっかり走れていたからこそ、最後まで余裕の脚色だったように思います。全体時計は6F89.0〜5F71.3〜4F55.4〜3F40.7〜1F12.6秒と遅めですが、もともと4Fポッキリの追い切りで結果を出している馬。時計よりも、長めから乗って折り合っているという点を評価したいと思います。

サトノラーゼン(9月16日撮影)

サトノラーゼン(9月16日撮影)



【セントライト記念/グリュイエール】

 ラジオNIKKEI賞9着から2ヶ月ぶりのレースですが、この中間の追い切り本数は最終追い切りを除くと4本しかなく、3歳牡馬としてはやや少なめ。1週前追い切りが追走したとはいえ、3歳未出走に遅れており、いかにも休み明けの仕上げなのかなと思っていました。

 そんな先入観もあって、16日の追い切りはあまり期待せずに見ていましたが、ダノンアンビシャスを追走した動きはかなり素軽くて驚きました。戸崎圭太騎手が騎乗していたこともあってか、とにかく直線での手応えは抜群。これだけ動けるのなら、追い切り本数が少なくても、と思ったくらい。中山競馬場の経験がない点は、マイナス材料だと思いますが、どんなレースを見せてくれるか楽しみです。

【ローズS/ミッキークイーン】

 休み明けの今回はCWでの追い切りが中心、坂路での追い切りは9月13日の4F60.3秒のみ。レース前日に時計を出してくる可能性もありますが、全体的に見れば、やっぱり追い切り本数が少ない今回。このあたりは今回が本番でないこと、もともと増えにくい馬体重を考慮してのことでしょう。

 それでも追い切りの動きはしっかりしています。最終追い切りはCWで4Fポッキリの内容でしたが、時計を要する馬場でラスト1F12.3秒。決して悪い動きではなかったと思いますし、仕上がっていないということはないでしょう。

ミッキークイーン(9月15日撮影)

ミッキークイーン(9月15日撮影)



【ローズS/レッツゴードンキ】

 1週前追い切りはCWで岩田康誠騎手が跨って、さすがの時計。ただ、前半は行きたがる馬を鞍上が懸命になだめる様子があり、いわゆる「らしさ」は変わらないという感じでした。正直、1400mでもいいんじゃないかというくらいの行きっぷりだけに、問題はスローになりそうな1800mという距離でしょう。

 桜花賞の最終追い切りは坂路でラスト1Fが最速になるラップでしたが、今回は2F目から一気に加速。その分、最後の1Fは減速してしまいましたが、それでも1F12.2秒とまとめているところはさすが。4F時計は自己ベストを更新する51.0秒ですし、ペースを気にせず、距離を気にせず、自分の競馬に徹してくれば、逆に後続を封じ込めてしまうような気もします。

レッツゴードンキ(9月15日撮影)

レッツゴードンキ(9月15日撮影)



【ローズS/アンドリエッテ】

 阪神競馬場は過去4戦して、馬券圏外になったのは桜花賞のみ。末脚勝負の馬だけに、直線が長く、急坂のあるコースは最適ということでしょう。今回はノーザンFしがらきから8月20日に帰厩。早目に追い切りを開始した分、きっちりと本数も乗れています。

 最終追い切りは2F目から3F目で一気に加速するラップ。その分、0.1秒だけラスト1Fで減速してしまいましたが、2F24.3秒でまとめています。これだけ速い数字が出たのは今回が初めてですし、4F52.7秒も自己ベスト。ひと夏越しての成長が数字に表れたと思ってよいでしょう。

アンドリエッテ(9月15日撮影)

アンドリエッテ(9月15日撮影)



◆次走要注意

・9/12 阪神 2歳新馬【ノガロ】(3人/4着)

 好発を切ったにも関わらず、レースの流れに乗らず、直線は伸びて4着。ちぐはぐな競馬はいかにも次走狙ってくださいと言わんばかりの内容でした。
 次走は鞍上を替えて、4週目の未勝利戦に出走予定。1度レースを使われたことで、坂路でのラップの踏み方も良くなってくるでしょうから、そうなれば単勝で狙えるはず。

[メモ登録用コメント] [阪神芝]最終追い切りが坂路でラスト1F最速ラップなら勝ち負け

・9/13 阪神 2歳新馬【ラニ】(2人/4着)

 デビュー前の追い切り時点から、自分からスピードに乗る前向きさに欠けていて、追い切り時計も地味でした。それを思えば、この4着もそれなりに健闘したかと。
 16日にはCコースに馬場入りして、普通キャンターを2周。全く疲れもないようなので、ダートに転戦する次走はまず大丈夫でしょう。

[メモ登録用コメント] [ダート]最終追い切りでラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・オークランドRCT【アウォーディー】
 Cコースは時計を要する馬場状態でしたが、そんな中でもテンから14秒台のラップで飛ばして、減速することなく、ラスト1F12.6秒でまとめてきました。休み明けでも全く心配することはないと思いますし、この走り方を見るかぎり、初めてのダートがプラスに作用することは間違いありません。

【次回公開日変更のお知らせ】
 次回の「調教Gメン研究所」更新は前週が3日間開催のため9月24日18時の公開となります。予めご了承くださいますようよろしくお願い申し上げます

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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