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神戸新聞杯の土俵入りと金星。オールカマーのMデムーロとヌーヴォレコルト

  • 2015年09月24日(木) 12時00分


セントライトを勝ったキタサンブラックの囲み取材で、北島のサブちゃんが次(菊花賞)勝ったら歌うと改めて宣言したと日刊スポーツにあった。

「みんな応援してくれたけど、今日は歌えないよ。イチ(G1)ならいいけどニ(G2)だからね。次こそ勝ったら歌うよ」

前々からG1を勝ったら歌うとコメントしていたけれど、自分は菊花賞もいいけれど、有馬記念こそ最高の舞台ではないかと思っている。やっぱりサブちゃんといえば、暮の締めくくり、紅白の大トリのイメージが大きいからだ。その紅白を引退した今、唄うなら競馬の締めくくり有馬記念こそ最適で話題いっぱいじゃないか!? なんて思うんであります。

っていうか、中山競馬場・イベント造園課(そんな課があるか知らないけれど)はただちにステージを発注すべきだ。京都競馬場のイベント造園課が黙っちゃいないと思うけれど、「まつり」が似合うのは(まつりを唄うかは知りませんが)有馬記念だと思う。うん、そう思う。

と、YOUTUBEで「まつり」を聴きながら改めて思った。
紅白では最後に「これが日本の祭りだよ」を「これが紅白祭りだよ」と唄っていた。
ならば「これが有馬の祭りだよ」だろう。うん、なかなかだ。

ちょっとデキすぎた話だけど、デキすぎ感をも吹っ飛ばして唄いきれるのがサブちゃんだろう。
ああ今から有馬が楽しみだ。

楽しみといえば、今週の神戸新聞杯にダービー最先着で、100%1人気のリアルスティールが出走する。

以下は、神戸新聞杯の1人気馬、もしくはダービー最先着馬の成績。

【ダービー最先着馬が1番人気に支持されたら、2連レベルで絶大】
【ダービー最先着馬(目安5着以内)が1番人気以外だったら、3連レベルで信頼大】

一昨年はエピファネイアが1人気で1着した。
ダービー2着(最先着馬)の1人気で、それだけで信頼できたけれど、ダービー2着だけでなく皐月賞も2着しており、フロック的好走の要素も低かったから、絶大な信頼もできた。
横綱相撲よりもっと格式のある土俵入りレースと見立ててみたけど、実際、よいしょ!ってな具合に危なげなく勝った。鞍上はリアルスティールと同じ福永騎手だった。

去年はダービー1着のワンアンドオンリーが出走して、単160円の期待に応えて1着した。
土俵入りレースだったかといえば、ちょっと違ったかもしれないけれど、アタマ差勝ちでも横綱相撲ではあったと思っている。

ちなみに過去13年で(13年に大きな意味はない。3年前から書いているので、そこに書き足してみた)、

神戸新聞杯1人気は8-3-0-2
ダービー最先着馬の神戸新聞杯成績は8-4-1-0
ダービー最先着で、神戸新聞杯1人気は8-2-0-0

と、ダービー最先着馬の安定した強さがわかる。

つまり、リアルスティールは出走する時点で馬券圏内は絶大で、1人気ならば2連レベルで絶大と言えるわけだ。
では、どこまで絶大の信頼を寄せていいのだろう?

信頼度MAX 土俵入り・直線で「よいしょ〜!」と合いの手を入れたくなるほどの楽勝
信頼度絶大 横綱相撲・貫禄の1着
信頼度大  連対・2着に負けるにしてもタイム差なしの接戦

1人気1着した該当馬8頭
14年 ワンアンドオンリー ダービー3人気1着 皐月賞4人気4着
13年 エピファネイア   ダービー3人気2着 皐月賞2人気2着
12年 ゴールドシップ   ダービー2人気5着 皐月賞4人気1着
11年 オルフェーヴル   ダービー1人気1着 皐月賞4人気1着
08年 ディープスカイ   ダービー1人気1着 NHKマイル1人気1着
05年 ディープインパクト ダービー1人気1着 皐月賞1人気1着
04年 キングカメハメハ  ダービー1人気1着 NHKマイル1人気1着
02年 シンボリクリスエス ダービー3人気2着 青葉賞1人気1着

1人気2着の該当馬3頭
10年 エイシンフラッシュ ダービー7人気1着 皐月賞11人気3着
06年 メイショウサムソン ダービー1人気1着 皐月賞6人気1着
03年 サクラプレジデント ダービー2人気7着 皐月賞2人気2着

リアルスティールはダービー2人気4着、皐月賞2人気2着
ダービーも皐月賞も勝ってないけれど、エピファネイアもそれで勝った。単勝は140円と圧倒的だった。

1人気1着した馬の単勝

14年 ワンアンドオンリー 単160円
13年 エピファネイア   単140円
12年 ゴールドシップ   単230円
11年 オルフェーヴル   単170円
08年 ディープスカイ   単200円
05年 ディープインパクト 単110円
04年 キングカメハメハ  単150円
02年 シンボリクリスエス 単210円

1人気2着の馬の単勝
10年 エイシンフラッシュ 単190円
06年 メイショウサムソン 単160円
03年 サクラプレジデント 単240円

2着に負けた3頭のうちエイシンフラッシュとメイショウサムソンは、皐月賞、ダービーのどちらかで穴っぽい好走をしていた。1着馬たちが1人気で1着していたり、人気を背負って、好走していたのとは少し違う。
しかも負けた相手は、ダービー2着のローズキングダム、ダービー3着のドリームパスポートで、いわばダービーで凌ぎを削った馬に負けたわけだ。ちなみにどちらもクビ差2着だった。

過去に照らすと、リアルスティールが取りこぼすとしたら、単勝で240円以上ついてしまったときか、ダービーで凌ぎを削った馬が出るときくらいしか考えられない。
だとしたら今回は信頼度MAXかもしれない。

ダービーで凌ぎを削った馬が1頭も出ず、それどころかダービー出走馬が他には13着のタガノエスプレッソしかいない。
このメンバーでダービー最先着の4着馬が圧倒的1人気にならない構図はちょっと想像できない。

つまり縦(ダービー出走馬)の比較でも、横(出走メンバーの実績)の比較でもリアルスティールは抜けていて、信頼度MAXにならざるをえないと思うわけだ。

信頼度MAXとは横綱相撲を超えた、横綱の土俵入り。
みんなが相撲を取り合っている最中、自分は土俵入りをタニマチやお客様に悠々と披露するし、直線では「よいしょ!」の掛け声とともに楽々と抜けだしてくる。そんな競馬。

福永騎手は、土俵入りを2年前のエピファネイアで披露しているから、もはやお手のものだろう。
しかもこのときはダービー出走馬が他に4頭いた。ダービー10着以内馬も2頭いた。結果的にその4頭は馬券にならなかったけれど、レース前の印象は今年よりもはるかに上だった。そこで土俵入りを披露したのだから、今年はもっと楽にレースに臨めるだろう。

問題は骨折明けというところだ。もし言われるようにダービー・レース中に骨折し、本来の走りが出来なくて4着に敗れたというなら、たとえ稽古で万全だとしても、レースを一度見ないと心配だ。無意識の加減がないとは限らないからだ。
とはいえ、加減して走ったとしてもダービーでは4着した。それに矢作厩舎が使ってくるのだから、そこは心配より信用すべきところか。

よし! 信用だ。矢作厩舎を信用するぞ! 圧倒的1人気の馬に対して「信用」だなんて失礼かもしれないけれど、骨折は骨折だ。たとえ骨折史上もっとも軽い骨折だったとしても心配は必要だ。何かを拠り所にする必要はある。自分は矢作師を拠り所にすることに決めた。

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神戸新聞杯注目馬
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土俵入り リアルスティール

露払い&太刀持ち
アルバートドック

アルバートドックは予想2人気のようだから露払いも太刀持ちも両方やってもらわないと困る。
自分はこの馬に春、すごく期待していて、東京2400でどんな走りをするのか楽しみにしていた。残念ながら権利は取れず、そのうっぷんを晴らすかのように白百合Sで1着した。かつて春に権利が取れなくて、白百合Sでうっぷんを晴らしたイコピコは、神戸新聞杯で1着した。アルバートドックにもあの感じで走っていただきたいところだ。

金星、もしくは3着穴候補
タガノエスプレッソ 3着混戦で顔を出して〜。
バイガエシ     3着混戦で顔を出して〜。
リアファル   金星候補
レッドソロモン 金星候補

3着候補はいっぱいだ。
タガノエスプレッソは2頭しかいないダービー出走馬の1頭。13着とはいえ、ダービーでは謎の先行策を取り、自分の競馬をしていなかった。この馬は一線級との闘いでは、差した方がいいのではないか。朝日杯6着、弥生賞3着は差しだった。
賞金2200万なら菊花賞出走は大丈夫だろう。900万組が凌ぎ合う中で、自分の競馬に徹して3着…。予想9人気はいいとこじゃないか。

リアルスティールは土俵入りだから、こぼすことそのものが考えられないんだけど、それを想定できちゃうのが不思議なところ。
たとえば、菊花賞を狙うために(菊花賞へ行くという前提)教え込むことがあったとしたら、どうだろう。
将来を見据えた競馬は福永騎手の得意とするところで、何かを試すかもしれない。試した上で、それでも楽勝するのが土俵入りだろうけど、リアルスティールはスプリングSでキタサンブラックを捕まえきれずに2着に負けたことがある。

再びこぼしがあるとしたら、逃げ、もしくは番手で抜け出した馬が頑張ったときだろう。
リアファルとレッドソロモンは先行して頑張る馬。重馬場での勝利もあり、週末の雨模様もおあつらえ向きだろう。

2頭ともに前走の逃げを調教師はよしとしてなく、番手を望んでいるようだけど、枠や馬場によっては逃げもあるのではないか。特にレッドソロモンは川須騎手に戻した。川須騎手はこの馬では逃げたことはないけれど、重賞6勝中半分の3勝を逃げて勝利してる騎手だ。逃げない保証はどこにもない。っていうか、逃げなら外国人騎手より日本人騎手の方がいいことも多い。

リアファルはルメールの判断で前走逃げたようだけど、直線で飲み込まれそうになって、そこからもう一度弾けた競馬はなかなかのもんだった。あの競馬を見ると、今回は番手に控えるように思える。

というわけで、
逃げ・レッドソロモン
番手・リアファル
の残り目にも期待。

リアファルは予想5人気。おいしいのは金星(単勝)しかないかな。

なんだか前頭の馬たちにばっかり期待してるような気がするけれど、見どころはあくまでも、リアルスティールの土俵入りとアルバートドックの露払い&太刀持ちだ。でも横綱が強ければ強いほど、座布団片手に観戦したくもなる。こればっかりは、やめられない、止まらない、どうしようもない。

十中八九、よいしょ!と叫ぶつもりでいつつ、座布団が舞うことになっても慌てず騒がず馬券をそっと撫でられる。そんな態勢で観戦したいものだ(どんな馬券だよ!)。

先週記したキロハナについて。
フルゲート18頭に登録16頭。うち900万が8頭。キロハナは無事に無抽選で出走できる。

予想は3人気。4人気くらいがちょーどいいと思うけど、3人気なら拾うべきか。ただ、自分は予想2人気のアルバートドックに期待しているので、ちょっと買いにくい。どんだけの逸材か観戦しようと思う。

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オールカマー注目馬
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予想1人気・ヌーヴォレコルトは内枠なら大切に、外枠ならナイガシロにしたい。

予想2人気・ロゴタイプはMデムーロが騎乗するなら大切にしたい。

Mデムーロがついにロゴタイプに騎乗する。
皐月賞1着以来だ。デムーロの呪いはデムーロでしか解除できないと以前書いた。そう記した以上は
期待するしかない。

という前提で、
タマモベストプレイ
に注目している。

タマモベストプレイは3歳の有馬記念5着を見て、中山に来たら、狙おうと思っていた馬。不振続きだったけれど、ここ2走は復調を思わせる内容で、人気もないなら飛びつきたくなる。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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