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毎日王冠は夏に使われていた馬の扱いがポイント

  • 2015年10月09日(金) 18時00分


◆エイシンヒカリはちょっと妙味がない?

 毎日王冠は春GIを使ったあと休養していた馬が強いレースで、夏に使われていた馬を買うなら札幌記念組くらいが例年は思案の対象というところだが、今年はGIII組で上位人気になる馬もいる。その扱いが馬券のポイントとなるだろう。

 エイシンヒカリは人気のある馬なので、特に単勝が売れそう。脚質的にもピンかパーかがはっきりしたタイプになっていきそうなので、買うならアタマ付け、評価を下げるなら無印という扱いでよさそう。エプソムCをどう評価するかが分かれ道だが、サトノアラジンやディサイファと僅差なのに今回は人気ダントツというようなことになると、ちょっと妙味がない。

 アンビシャスはダービーを回避してまでルメールにこだわったが、今回は乗り替わり。それでも相手がデムーロなら問題はないだろう。ラジオNIKKEI賞の斤量・着差を考えるとかなり強い内容。東京実績があるのも心強い。毎日王冠はあっさり3歳馬が通用することも多いレースなので、個人的には期待している。

 スピルバーグは上がりの速さだけで勝負するタイプなので、その武器が生きる展開になるかどうかが問題。いったん馬群が凝縮する形になったほうが良いと思うが、そうなるとエイシンヒカリとは組み合わさりにくくなる。馬券上は、そういった組み合わせの問題も意識していきたい。

 イスラボニータは中山記念以来。間隔が開いたことはもちろんプラスではないが、悪い流れを引きずったまま競馬を続けるより、いったんリセットしたことには良い面もあると思う。ただ今回は試運転の側面もあり、ここよりは天皇賞秋で強く買いたい。

 ヴァンセンヌは距離が問題だが、もともと1800mで下ろしたような馬なので陣営は距離ももつと考えているのだろう。今年は宝塚記念好走馬がこちらにはいない状況なので、安田記念好走馬は格上タイプとして期待したくなる存在。今回は乗り替わりとなるが、この馬がどうこういう以前に毎日王冠での乗り替わりは成功例が多い。

 ディサイファは前走、先行タイプで1頭だけ踏みとどまる強い内容。もともと東京コースは得意だし、どことなくトライアルホースの雰囲気がある馬。本番よりもこのレースの時点で買っておきたい。

 穴で挙げておきたいのはリアルインパクト。安田記念は豪州帰りで調整も難しかった面があったと思う。毎日王冠は好走歴もあるし、春に海外GIで好走した馬を軽視してはいけないと思う。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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