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秋華賞・2人気・1人気の置かれたちゃぶ台をひっくり返せるか?

  • 2015年10月15日(木) 12時00分


サウジアラビアRCは横山の典さんで上手くいったので、つづく毎日王冠も典さんの横山でもらっちゃおうと思ったら上手くいかなかった。覚悟はしてたので、馬券は2枚看板で臨み、もう1頭の柱イスラボニータに期待したけれど最後の最後に小島の太さんとこのディサイファに差されて3着(2連系馬券だった)。そして、いつものようにうつ伏せでバタンキューしたのでした。しかし捨てる神あれば拾う神あり。そんな自分を拾ってくれたのが月曜日の太さんでした。

月曜日の太さんとは、小島の太さんではなく小牧の太さんです。
小牧騎手は、去年くらいから勝率10%前後、回収率110%前後にいて、自分の中では数少ない単勝で儲かる(はずの)騎手という認識でした。
勝率の高い騎手はもっといっぱいいる。ルメールもデムーロも福永も戸崎もみんなもっと高い。でも同時に人気もある。だから回収率で100%を超えることもない。騎乗数もいっぱいだ。だから単勝を仕留めて、なおかつ達成感を味わうのは自分の財力と能力ではなかなかできない。

その点、小牧騎手は10回に1回は勝って、回収率も100%を楽に超えている。それはつまり、1人気以外で勝つことも多いがゆえの成績のはずだから、馬券的高揚感もきっとある! 庶民的アプローチをするのにちょーどいいと思うわけです。だから小牧騎手の馬を買う場合は極力単勝も買っていたのですが、目黒記念のヒットザターゲット以外ではなかなかカタルシスを味わえていませんでした(自分が下手くそなだけですけど。たは)。

で、考えたわけです。10回に1回、勝つのだから10連敗したら、そこから単勝を買えばいいと。でも確率とはブレるものだ。パチンコの甘デジだって、約100分の1の大当たり確率でも、その3倍の300回くらいはふつうにハマる。
よし!10連敗じゃなくて、30連敗したら買いに入ろう! そう思い立ったら20連敗の小牧騎手に遭遇しました。本当は30連敗したら買うつもりでしたが、自分におまけして買いに入りました。しかし自分の思惑とは違って、小牧騎手は1人気の馬で1着してしまいました。違う。1人気は違うんであります。

なかなか上手く行かないものだと自分の考えの甘さをろくに反省もせずに、棚に上げて、ほったらかしていたら、小牧騎手がしばらく勝ってないことに気づきました。先週の日曜日の夜でした。で、月曜日の騎乗馬を見ました。

4頭に騎乗で、すべて4〜6人気(になりそう)で、単勝もすべて10倍以上つきそうでした。
なんか月曜日はアツいような気がする。なぜかわかりませんが騎乗馬を見ていたら、根拠の薄い自信が沸いてきました。小牧騎手の単勝を、当たるまで重ねて買い続けるタイミングがついに来たか!? 略して、小牧重ねチャンス到来!?

というわけで、月曜日は小牧騎手騎乗馬を1着するまで、買い続けることにしました。
単勝勝負で、押さえに馬連も数頭へ流しました。

このサイトの読者は、みんな小牧の太さんが大好きだろうから、月曜日の小牧騎手の成績はわかっていることでしょう。でも一応、ここは知らない人もいるという体で進めさせていただきます。

2R クリノラホール 8人気 単26.3倍 2着 クビ差

いきなりの2着。しかも惜しい2着。
1着に11人気の馬が来て、馬連23680円という大穴。もちろん流せてない。
逃した魚はデカイ!デカすぎる!?
実はここがクライマックスだった!? よくある光景です。しかし、なぜかその日は違いました。ふつうに前に進めました。

5R アイファープリティ 4人気 単16.5倍 2着 1馬身4分の3

またしても2着。しかし1着が2人気の馬だったので、馬連2250円が拾えて、助かったりしました。
とはいえ、2戦連続で2着はさらに不安にさせます。ここが、この2戦が、本日のクライマックスだったのではないか!? と今回はちょっとだけよぎりました。しかしながら、月曜の自分は、それでもそのまま進めました。で、そのときが来ました。

6R テーオーイージス 5人気 単1400円 1着 

やったー! 小牧重ね成功だ!
単14倍は美味しい!

逃げる1人気のルメールを番手でマークして、直線でルメールを競り負かしての1着。
自信がないとできない騎乗ぶりでした。

この日の小牧騎手の成績は1-2-0-1。
(8Rは6人気8着。勝つまでルールだから、もちろん買ってない)
騎乗数は少なかったけれど、騎乗ぶりは中身の濃い冴えた一日だったように思えます。

実は、日曜日までで48連敗していたことがあとでわかりました(あとでじゃ本来はダメ!)。勝率10%なら、確率の約5倍のハマリだったわけです。しかし、同時に安定して勝率約10%をつづけている騎手に永遠のハマリもない。問題は1人気で勝たれてしまうことでしたが、その日はいい感じの人気の馬ばかり。チャンスホースとの巡りあわせもよかったのかもしれませんが、ルメールやデムーロや岩田といった人気騎手がいたことも、美味しい単勝をこしらえる役に立っていたかもしれません。

その日はメインの京都大賞典でもズッコケたので、本当に太の小牧さんに助けられたのでした。こういう日はめったにあるもんじゃないし、50連敗はめったにあっちゃ困るだろうけど、ハマる巡り合わせは誰にでもときどき訪れるもの。またいつか、小牧重ねにトライしてみようかと思っています。

と言いつつ、こうも思うわけです。確率が収束するのなら、今週も小牧騎手を狙えるのではないか!? まだ1勝しかしてないんだし、チャンスホースとの巡り合わせもまだ残っているはず!
そういえば今週は秋華賞だ。秋華賞といえば、3年前のチェリーメドゥーサの小牧騎手だ! 15人気のメドゥーサで、向う正面から仕掛けて、ゴール前15Mで力尽きて5着に負けたけど、場内を大いに沸かせていたっけ。自分もメドゥーサの馬券を買っていたから、よ〜〜〜く覚えている。自分もゴール前15M、3着まで10Mでメドゥーサとともにバタンキューしたからね。

よし、今年の秋華賞も小牧騎手に期待だ!あのときのようにアツくバタンキューさせて、いや大穴を取らせていただこうって、いないよ! 残念にもほどかある! 今年こそちゃぶ台をひっくり返せると思っていたのに。

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今年は、今年こそは2人気1人気の乗ったちゃぶ台をひっくり返せるか?
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秋華賞は2番人気VS1番人気。どっちが強いか見極めるレースである。
面倒ならば2番人気から買えば、2連系なら10年で7回、3連系なら10年で8回も当たる。
実は極めて短考ですむレースでもある。
だが、しかし。しかし、だが。だがしかし………
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ここのところ秋華賞はずっとこの出だしだ。
っていうか、秋華賞は1・2人気の吟味レースだから、替える必要もない。
そういいながら自分は、10年に1度来るはずの1・2人気が同時に沈むときも待っている。だからいつだって、ちゃぶ台に手をかけて、それをひっくり返す準備をしている。
1・2人気同時ちゃぶ台返し……。あ〜寺内貫太郎ばりに豪快にひっくり返してみたい……。
だがしかし。

競馬大的中に記したオッズバズーカの秋華賞の項を読むと、秋華賞でバズーカをブッ放すことが難しそうなことがよくわかる。
なんせ、バズーカじゃなくて、水鉄砲を打つつもりで、とか書いてるくらいだ。なんだよ水鉄砲って! 自分で書いておきながら、悪態をつく始末だ。

でもそれも当然だ。
この10年で、
2人気 5-2-1-2
1人気 2-2-3-3
1、2人気が同時に吹っ飛んだことは1回しかない。
同時に馬券圏内に来たことは6回もある。

3連複をフォーメーションで、
1列目 1・2・3人気
2列目 1・2・3人気
3列目 1〜7人気
の13点を購入すると、7割の的中で、回収率も117%だそうだ。

1・2・3人気の組み合わせを買わないと、的中率は6割に下がるけど、回収率は122%に上がるそうだ。
うむ、こりゃ水鉄砲だ。

ちなみに予想では
1人気 ミッキークイーン
2人気 3人気 レッツゴードンキ・タッチングスピーチ
のようだ。

差す、もしくは追い込みのミッキー&タッチング、
逃げ、もしくは先行のレッツゴー

差し&差し
差し&先行
組み合わせとしてもバランスが取れている。
あとは4人気〜7人気までの馬が割って入ってくることを願う。

詰みだ。もはや詰んでる気もする。

だが、しかし。
しかし、だが。

負けないと思われた桜花賞のルージュバックも負けた。
かつてないスローが原因と言われているし、実際そのとおりだろう。
要は、ペースでレースが乱れたわけだ。
それが今回は起こらないとは言い切れない。
レッツゴードンキがローズSで、またまた逃げたからだ。しかも先行馬がのきなみ崩れるようなペースで逃げた。各紙に「チューリップ賞同様のガス抜きができた」というコメントが踊っている。
これを見た他陣営はどう思うだろう?

今度は早め早めに捕まえに行き、ペースが乱れるかもしれない。誰かが捕まえてくれるとたかを括り、再びペースがスローになるかもしれない。ちょっとしたスロー、ちょっとしたハイペースならば、人気馬が揃って負けることはないだろうけれど、極端に振れれば何が起こるかわからない。

気になるのはローズSを1着、2着したタッチングスピーチとミッキークイーンの位置取りだ。
これはローズSのときによく書くけれど、秋華賞を狙う人気馬は、京都の内回りを見越して、ローズSでは先行競馬を試すことが多い。

ヌーヴォレコルトも、ジェンティルドンナも、ホエールキャプチャも、アパパネも、ダイワスカーレットもローズSでは先行した。それで秋華賞を全馬勝ったわけではないいが(3-1-1-0)、馬券圏内には走れた。
逆にローズSで差し追い込みだったトールポピーやデニムアンドルビーは秋華賞で1人気に押されたけれど、馬券圏外に敗れた。札幌記念に出走し、ローズSに出走しなかったブエナビスタも札幌記念で先行できなかったからか、秋華賞では苦しい闘いを強いられ、3着(2着から降着)してしまった。

ローズSでは、ミッキークイーンは出負けして、後方からの競馬を余儀なくされた。
タッチングスピーチは権利取りを賭けた闘いだからか、後方からの差し(いつもの競馬)を余儀なくされた(と思いたい)。
2頭ともに事情があったにせよ、前哨戦で試せなかったのは間違いない。ここで脚質転換をしてしまい、その後のエリザベスや場合によってはジャパンカップの弊害になることを恐れたかもしれない。だとするとそれはそれで都合がいい。遮二無二秋華賞を狙ってるわけでもないからだ。

事実デニムアンドルビーは自分の競馬を守って、秋華賞4着、エリザベス5着しつつ、ジャパンカップでは2着に好走した。
ミッキークイーンは池江厩舎で、タッチングスピーチはジェンティルドンナの石坂厩舎だ。どちらもジャパンカップに燃える厩舎のはずで、秋華賞で無理な脚質転換をしない可能性もある。

ということを踏まえて、過去の秋華賞で、4角12番手以後で馬券になった馬を見てみる。
18頭立てと想定して、先行・中団・後方と3分割すると、後方とは12番手以後になるからだ。

13年
スマートレイアー2人気 17-17-16-14 2着

10年
アニメイトバイオ6人気 10-12-12-12 2着

09年
ブロードストリート3人気 13-13-13-14 2着(3着からの繰り上がり)

07年
ウオッカ1人気 15-14-12-12 3着

06年
ニシノナースコール5人気 17-14-14-14 3着

これだけだ。勝った馬はいないし、後方組が2頭馬券になったこともない。

ミッキークイーンがオークスのような普通のスタートをし、10番手前後を回る競馬をしたら、太刀打ちできないし、タッチングスピーチのルメールが京都内回り2000を想定して、いつもより前で競馬をし、ソツなく操ったら、これまた太刀打ちできそうにない。

ただミッキーには出遅れ癖があり、タッチングは後方競馬で切れ味を披露している。どちらも後方になる余地は残している。ならばまだわからない。

レッツゴードンキも前述したとおりだ。今回は「ガス抜き」が喧伝されすぎている。他馬の仕掛けが早くなって飲み込まれる可能性もあれば、ガス抜きと思われているけれど、馬が逃げを覚えて、今回も暴走気味に行ってしまう可能性だってある。逃げた馬で馬券になったのは16人気で3着したプロヴィナージュだけだ。

だからこうなる。
レッツゴーが勝てるようなレースなら、ミッキーとタッチングが馬券圏外になる可能性あり。
ミッキーかタッチングが勝てるようなレースなら、レッツゴーが馬券圏外になる可能性あり。
ミッキーとタッチングが2頭ともに後方競馬なら、どっちかは馬券圏外になる可能性あり。
つまり、1頭だけ馬券園内という事態は想定できなくもないってわけだ。

ちゃぶ台を豪快にひっくり返せるかと言われれば、その自信はないけれど、
1〜3人気のうち2頭が馬券圏外くらいの返しは期待してもいいんじゃないか?
ちゃぶ台返しならぬ、ちゃぶ台半返しだ。うむ、例年よりは無鉄砲感はない。やっぱり水鉄砲だな。

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秋華賞注目馬
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トーセンビクトリー
夏連勝して、ローズSで権利を取る。上がり馬の王道だ。
そういう馬が予想4人気。
武豊鞍上で、角居厩舎の馬なら悪くない人気だ。走りに自在性がありそうで、緩急入り乱れた展開になっても、鞍上が上手に調整しそう。で、2着か3着! いかにも水鉄砲!

クイーンズリング
ローズSで先行させていた。しかも16番から先行し、内に入れていた。先行させすぎたのか、直線での切れ味は出なかったけれど、無理矢理でも内に入れた経験が内枠に入ったときに生きるかもしれない。
アンドリエッテ
それはアンドリエッテにも言える。何回走っても、ミッキークイーンに先着できない(4戦全敗)以上、あとはコース取りで工夫するしかない。前走、横山の典さんが内から差してきた経験が生きるかもしれない。

ヒモ・逃げそうな馬
レッツゴードンキのガス抜きが本当に上手くいって、折り合って、番手を進んだら、レッツゴーがいい壁になるかもしれない。
その前で気分良く走った馬が残っちゃった。
ってことはないか?

だから本当は逃げそうな馬を狙いたいんだけど、今年は逃げそうな馬に気っ風のいい逃げを打ちそうな騎手が乗ってない。どちらかというと、後続を離さず逃げるのが得意そうな騎手ばかりだ。それが悪いわけじゃないけれど、そうなるとたとえ上手に逃げられたとしても、京都2000では3角〜4角で飲み込まれてしまうかもしれない。

いや一人だけいた。自在に脚質を操る横山の典さんだ。ただココロノアイは出遅れ系の馬で、暴走モードを搭載していて、それを抑える競馬をずっとしてきた。ここで逃がす競馬をするのだろうか? 1人気の浜中騎手に「典さんなら逃げると思ってました」って、再び言って欲しいから、横山の典さんの逃げと書きたいけれど、逃げはないとみた。

今回だけ特別に攻撃的な逃げを打つ騎手がいるかもしれないけれど、それは今はわからない。だから保留にしておく(直前でわかるもんでもありませんが、枠を見たらイメージが広がるかもしれない)。
先行で面白そうなのは丸田騎手のホワイトエレガンスだ。丸田騎手はこの馬に騎乗するときは常に強気だ。仕掛けが早い。4角先頭くらいの気持ちで騎乗するかもしれない。それがこの相手に通用するかわからないけれど、レッツゴードンキにとってはやっかいな存在になるかもしれない。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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