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丸々1か月間勝ち星に見放され… 太の心中はいかに

  • 2015年10月20日(火) 18時00分
小牧太

今回は、久々の勝利についての回顧と、この1か月間の心の変遷に迫ります!


丸1か月、勝ち星から遠ざかっていた小牧騎手ですが、10月12日の京都6R(テーオーイージス)で待ちに待った勝利を決めました! 今回は、久々の勝利についての回顧と、この1か月間の心の変遷に迫ります!
(取材・文/不破由妃子)


騎乗停止になりかけて…焦ったらアカンと

──10月12日の京都6R(テーオーイージス)は、丸1か月ぶりの勝利。本当におめでとうございます! なんだかホッとしました…。

小牧 僕も(笑)。もうすぐ太論の取材やなぁと思ってたから、その前にひとつでも勝っとかなと思っててん。絶対にその話題になると思ったし、「勝ってないですねぇ」って言われるのが嫌やったから。だから意地で勝ったわ。本当に良かった。

──しかも、ルメールと叩き合いの末の勝利。見応えがありました。

小牧 うん。面白かったね。でも、その日の朝、「今日はこの馬(テーオーイージス)で勝てるかもしれん」て、娘に言うててん。なんとなくそう思って。直感的なものやね。

──これまでは中団から好位での競馬が多かった馬ですが、今回は思い切った積極策に出ましたね。

小牧 行く馬がいなかったし、外枠やったしね。何より、返し馬に乗ったときに、「うわぁ、この馬はマイペースやなぁ」と思ったから、ゲートを出たら、叩いてでも行こうと決めた。思った通りに乗れたレースやったね。

──ちなみに、返し馬でマイペースだなぁと思ったのは、どういったところから?

小牧 止めにかかっても口が固いし、行かしてもそれ以上は行かない。あくまでも自分のペースで走る感じの馬やなと。砂を被るのを嫌うって聞いてたんで、今回でいえば行ったのが良かったんやね。ひとつ勝ったことやし、これでまた1か月、勝たんでいいでしょ(笑)。

──何をおっしゃいますか。ダメですよ、そんな気持ちでは!

小牧 冗談、冗談(笑)。でも、ひとつ勝って、本当に気持ちが楽になったわ。

──こんなに勝利の期間が空いたのは久しぶりですよね。

小牧 そうやねぇ。9月13日のレッドオーラム以来やもんなぁ。ダートでの勝利となると…。

──6月28日のカペナ以来、3か月半ぶりです。

小牧 そういえば今日、安田厩舎のスタッフに「やっとダートで勝ちましたね」って言われたわ。太論を読んでるのかもしれん(笑)。どのレースか詳しくは聞いてないけど、依頼してくれたみたいやわ(10月17日・京都6R・タイユール1着!)。

──10月12日は、2着(2R・8番人気クリノラホール)→2着(5R・4番人気アイファープリティ)ときての1着でしたね。

小牧 そうそう。クリノラホールは走る馬なんやけど、なぜか新馬のときから人気せん馬でね。この前も人気はなかったけど、いい勝負になるやろなぁと思ってた。アイファーに関しても、メンバーの揃った新馬戦やったけど、厩舎の人から走るよって聞いてたんでね。あんまりにも前がジーッとしていたから、一発狙って行ったれ! と思って行ったんやけど、まぁ負けてしまいましたわ。2着、2着と続いたときは、神様が意地悪してるんかなぁ…なんて思いながら。

──この1か月、やはり焦りはありましたか?

小牧 いや、変なレースをしているつもりはなかったから、あんまり気にしてはいなかったんやけど、3日間開催の初日に1番人気のスワーヴカイザーで負けたでしょう(京都9R・愛宕特別5着)。絶対に勝てると思ってたから、あのときはさすがに「これはホンマに勝てんなぁ」と思った。その直後のレースでは、騎乗停止になりかけて…。

──久多特別のタガノリバレンスですね。

小牧 そうそう。手応えが良すぎて、ちょっと横に出してしまった。てっきり騎乗停止やと思って、実家の宮崎に帰る段取りを始めてしまった(苦笑)。

──小牧さん、気が早い(苦笑)。ご自分でも焦りが原因だと思いましたか?

小牧 うん。いつもなら待てる一完歩が待てんかったからね。最終レースのあとに紙が届いて、バレットの娘と「騎乗停止やなぁ」って話しながらソローッと紙を開けたら、過怠金5万円やった。やってしまった自覚がある以上、心から良かったとは言えんけど、焦ったらアカンと改めて思ったわ。この過怠金は、自分への戒めやったのかもしれんね。
小牧太

焦ったらアカンと改めて思ったわ。この過怠金は、自分への戒めやったのかもしれんね

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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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