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世界のイン付き名人VSニッポンのイン付き名人。そこに革命の余地はあるか?

  • 2015年11月12日(木) 12時00分


エリザベス女王杯を当てるコツは簡単だ。

エリザベス女王杯はカンタンだ!と思えれば当たる!10年で9回当たる!19年で18回当たる!

1、2人気から7人気まで馬連を買えばいい。それだけだ。
エリ女が距離2200になって19年(今年で20年目)、1、2人気が同時に連を外したことは1度しかない。7人気より下の人気薄の馬が連がらみしたことも1度しかない。

だからそそられちゃダメ。急浮上!とかに踊らされちゃダメ。
革命のエチュードとか奏でちゃダメ。
情報という誘惑に負けそうな人は情報をシャットアウトし、馬券購入前、できれば締め切り5分くらい前にオッズ情報だけを見て、チャチャチャと買う。それだけで当たる。

1、2人気から7人気まで馬連で11点。11倍以上つけばとりあえず儲かる。この10年で9回的中して、11倍以上ついたのは5回。27倍、40倍の年があったから、総合収支でもプラスだ。当てるだけならそれだけでいい。もっと効果的に儲けたいなら、1、2人気の選択を間違えなければいい。単オッズが接戦だったならば、だいたい2人気が先着する。それだけだ。

てなことをここ数年ずっと書いている。
自分に言い聞かせるように書いている。
なぜ自分に言い聞かせる必要があるのか?

理由はこれまた実にカンタンだ。
6年前の1人気ブエナビスタが3着に敗れ、2人気ブロードストリートが6着に負けた、あのレースのことがいまだに刷り込まれているからだ。
20年に一度起こるか起こらないかの革命がまた起こるんじゃないか?そのエチュードが頭から離れないからだ。

あのとき、自分は11人気で1着したクィーンスプマンテに注目し、そこから馬券を買った。レースは12人気のテイエムプリキュアとの2頭逃げがハマって、ブエナビスタが3着に敗れて大波乱になった(2頭逃げとは、2頭いっしょに逃げて後続を引き離すこと。逃げた馬が衝撃的結末、革命を起こすときは2頭逃げのことが多々ある。2頭で大逃げすると、競い合っているかのように映るのか、後続は油断しがちになるのかもしれない。有馬のメジロパーマー、天皇賞春のビートブラックも単騎逃げじゃなくて2頭逃げだった)。

クィーンスプマンテは勝った。しかし自分はテイエムプリキュアとの馬券を持っていなかった。12人気のテイエムプリキュアまで買えなかったのと、ブエナビスタが連を外すとも思っていなかったのだ。ドドドドドド………!!レース後、どんよりのド、曇天のド、ドブのド、ドアホウのド、どですかでんのド、ドブのド、ドブのド……ド的なものが塊で襲ってきて、しばらく放心していたのを覚えている。

穴から入って、穴が抜ける。
あれから6年も経つのにいまだこれを書くのは重たいし、ハヂカシイ。
でも先週のみやこSでまた同じようなことをしてしまい、エリザベスでのド的な出来事を思い出してしまった。

自分はオッズバズーカのチャンスポイント(オバケポイント)にいたカゼノコから馬券を買った。1着のロワジャルダンも買っていた。けれど馬券を外した。3連複の2列目に1、2人気馬だけを塗っていたからだ。ドドドドド……!ド的なエリザベスと同じような結末だ。成長が、ない!!

ところでカゼノコはただ1頭のバズーカホースだった。この夏の自由研究として、ここで何度も取り上げたオッズ視点の馬券作戦は自分で書くのもなんだけど、高い命中率だ。しかし、相変わらず自分はそれを有効活用できてない!ドドドド……。

(オッズ視点による馬券術・オッズバズーカはセンスのある人が使えばもっと有効活用できるはず。エリ女から有馬までのオッズポイントは昨日発売の競馬大的中vol.2に掲載したので興味のある方はぜひ。ちなみにこの本の巻頭には馬券特効薬が話題の亀谷クンの「お手軽ビーム・師走競馬の攻略川柳」が掲載されている。亀谷クン史上、最高にカンタンで、最高にリズミカルで、グルーヴ感いっぱいに仕上がっている。これを読んで12月の競馬が待ち遠しくなった!)

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世界のイン付き名人VSニッポンのイン付き名人
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今年も人気馬には名手系が騎乗している。
彼らでも間違えることはあるだろうけど、全員で間違えることはめったにない。
だから、革命だなんて物騒なことは考えずに素直に1、2人気を大事にし、馬券を買えば、儲かるかはともかく、的中にはありつける。そういうことだろう。

予想1人気 ヌーヴォレコルト 岩田
予想2人気 ラキシス     ムーア
予想3人気 ルージュバック  戸崎
予想4人気 タッチングスピーチ ルメール

ヌーヴォレコルトは去年の2着馬。
3歳で馬券になってる馬は4歳での好走率がまあまあ高い。

フサイチパンドラ 3歳1着(繰り上げ1着)→4歳2着
スノーフェアリー 3歳1着→4歳1着
アパパネ     3歳3着→4歳3着
ラキシス     3歳2着→4歳1着

ヴィルシーナ   3歳2着→4歳10着
メイショウマンボ 3歳1着→4歳12着
リトルアマポーラ 3歳1着→4歳7着

ヴィルシーナとメイショウマンボの例があるから、「まあまあ」としか書けないけれど、ヌーヴォレコルトは、臨戦が去年1着したラキシスと似たところがあり、ヴィルシーナやメイショウマンボ、リトルアマポーラとは違うはず。

ただし枠は心配だ。ヌーヴォレコルトは外枠からの好走がデビュー数戦目まで(チューリップ賞まで)しかない。ヴィクトリアマイルも宝塚記念も外枠だったから6着、5着だったと自分は思っている。岩田騎手はいつの間にか内を取るのが上手だけど、今週末は雨の予報もあって、単純に内を取ることが正解ともかぎらない。

それにしても、それにしても、岩田騎手はムーアを意識したコメントをしてるなぁ(netkeiba.comの岩田騎手の共同記者会見参照)。

「あとはライアン(ムーア騎手)に負けないように騎乗したいと思います」
「ライアンたちが最高のパフォーマンスを見せると思いますので、それ以上のレースをして1着でゴールできるように頑張って彼女とレースをしたいと思います」

そういえばムーアもイン付き名人と言われている。

つまり、予想オッズのままならば、今年の1人気馬と2人気馬にはイン付き名人が騎乗するということだ。

世界のイン付き名人VSニッポンのイン付き名人
ラキシスVSヌーヴォレコルト

ここはちょっと楽しみだ。
ラキシスとヌーヴォレコルト、インを支配するのはどっちだ!?

ここを面白がるには、枠と天気も重要だ。
どうせなら2頭ともに内に入って欲しい。
天気もノン・レインでお願いしたい。

逆に言えば、2頭ともに内にこだわって、土曜日から雨が降って、内が死ぬようだと、2頭もろとも吹っ飛ぶなんてことも………おっと!

ラキシスは重馬場が上手いし、ヌーヴォ陣営も少し時計が掛かった方がいいとコメントしている。とはいえ、内が伸びない馬場と重馬場が上手いことの意味は違う。
イン付き対決がまっとうに施行されるのには、枠と天気が大事ってことだ。

角居厩舎は、てっきりラキシスでジャパンカップを狙うのかと思っていた。エリザベスには去年勝っているからだ。
しかし、今年もエリザベスに出走してきた。それも角居厩舎の勝負手とも言える「非情のスイッチ(武豊→ムーア)」で。

ふつうに考えたら、ここは勝負だろう。ムーアに頼むのにデキ今ひとつってことはなかろう。でも去年のジャパンカップはそれで目が曇った。ジェンティルドンナにムーアが騎乗して、1人気で4着に敗れた。ジェンティルドンナは5歳だった。ラキシスも5歳。角居厩舎でムーアだから大丈夫と決めつけていいのだろうか?ムーアでダメならみんな納得だろうし。

予想3人気のルージュバックは本当にここが勝負なんだろうか?
春のレースを見ていたら、やっぱ東京でっしゃろ!と関係者は思ったような気がするからだ。
ここを使って、本番はジャパンカップでミッキークイーンと再戦という青写真はないのだろうか?

もちろん調教師の会見は読んだけれど、レース前のコメントの半分はレースを盛り上げるためのもの、もう半分は馬主様へのものだから鵜呑みにはできない。岩田騎手のコメントはあくまでも例外だ。

きさらぎ賞のレースを見ていたら、京都もいけるのかもしれないれど、いくら外厩大好きの放牧系の馬とはいえ、半年ぶりのG1だ。そんなに甘くはないだろうし、そんなことは百も承知だろう。
だから余計に思う。ジャパンカップ勝負ではないのかと。

おっととっと、1、2人気だけじゃなくって、3人気まで心配してしまった。これがいけないんだ。
心配なんかする必要ない。今までもなんらかの心配事はあったはずだ。それでも1、2人気のどちらかはきっちり走ってきた。エリザベスで1、2人気になるとはきっとそういうことだ。

天気を願い、内が死なない馬場を祈り、ムーアと岩田のイン付き対決を見物する。それが今年のエリザベスの正しい見方だ。きっとそうだ。

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エリザベス女王杯・注目馬
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フーラブライド 予想8人気

8人気は掟(ここではかつて校則と表現したっけ)破りではある。
でもここ3年革命は起きてないけれど、もうちょっとで革命、いやもうちょっとで校則破りは起きそうだった。

12年 マイネオーチャード 15人気4着
13年 トーセンアルニカ  13人気4着
14年 フーラブライド   10人気4着

ほんの少し何かが狂えば、もしくは噛み合えば、3着していた(3着だから革命じゃなくて校則破り)。

だから、ラキシスを信じることにした。
ラキシスを信じられれば、フーラブライドが買える。
京都大賞典ではラキシスとはタイム差なしだ。フーラブライドだって順調だ。

今年はヌーヴォとラキシスがいて、さらにイキのいい3歳馬がいるから目立たないけれど、フーラブライドも去年4着したときと同じような臨戦で、同じように仕上がりつつあるように感じられる。

イマジネーションを膨らませる参考文献は今年の日経新春杯だ。
距離2400で、いまどきの言い方では2200とは別物のレースだと言われそうだけど、同じ外回りだし、そこは無視して、2着したフーラブライドを観察した。

レースはスロー。だけど逃げた馬は最下位、2番手の馬も12着に負けるようなレースだった。
フーラブライドは馬群の中、5、6番手を追走し、直線で外に出して、上がり5位で2着した。道中6番手以内にいた馬では最速の上がりだった。
ハンデ戦だけどフーラブライドは55キロを背負っていた。牡馬換算で57キロ。58キロのサトノノブレス(11着)に次ぐ重量だった。つまりハンデ差を利用しての2着ではない。

勝ったのは最内からスルスルと伸びたアドマイヤデウス。鞍上はニッポンのイン付き名人・岩田騎手だ!

うん、これだ!こんなレースになればいい!フーラブライドは日経新春杯と同じように5、6番手につけて、上がり5位くらいでまとめられればなんとかなる!
直線で外に持ち出して、あわや1着的な2着!
で、勝つのは最内を制した岩田かムーア!
うむ、リアリティーありだ!

ちなみに去年は1着したラキシスと同じ上がりだった。ラキシスは7番手にいて上がり5位で1着した。フーラブライドは10番手にいて4着だった。

岩田騎手のムーア発言は、他の騎手たちに効くような気がする。ルメールや戸崎や蛯名やシュタルケらの人気馬はみな差し系の馬だ。みんながみんなムーアを意識してる間隙をついて、岩田が早めにぶっ放す。岩田騎手が狙って発言しているとは思わないけれど、結果的に各騎手に響いていたら面白い。

今年は石坂厩舎のリラヴァティがいる。タッチングスピーチの石坂厩舎だ。リラヴァティがどの馬にも楽逃げさせない展開に持ち込むんじゃないか?
そういうのも込みで5、6番手を追走できそうなフーラブライドに注目してみた。

2着とか3着じゃ革命とは言えない。
だから今年も校則破り程度で期待しておこう。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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