今年出走する外国馬は、
イトウ
イラプト
トリップトゥパリス
ナイトフラワー
ゴールドシップ
の5頭。
なんだか例年以上にひと癖あるように思えてならない。
ゴールドシップを外国馬枠に混ぜてみた。外国馬だと思えばなにもかも許せるからだ。
それはさておき、
この10年で外国馬が馬券になったのは2頭しかいない。
10年前のアルカセット1着と9年前のウィジャボード3着。
今年も外国馬が馬券にならなかったら、来年の「この10年」では1着馬はいなくなってしまう。
馬券になった馬はどちらもデットーリが騎乗していた。
デットーリのジャパンカップでの成績は3-0-3-2。
すごい成績だ。でも逆の見方をすれば、勝負にならない馬では日本にやって来ないとも言える。
アルカセットで1着したときは、デットーリが日本の馬場に合うと進言したとも言われていた。
アルカセットの時計は2:22:1。今でも東京2400のコースレコードだ。欧州にそのような時計の出る馬場はない。馬場が合うにもほどがあった!つまり名手ともなれば、騎乗していてその馬がどういう馬場に合うかがわかるってことだ。
ウィジャボードで3着して以後、デットーリはジャパンカップで騎乗していない。その間、デットーリにも諸般の事情があったのは承知しているけれど、日本で勝ち負けできそうな馬に出会っていなかったとも言える。
ジャパンカップだったか、ドバイのG1だったか忘れたけど、ムーアはジェンティルドンナで1着したときにイギリスの競馬場では勝ち負けできないとはっきり口にしていた。おそらく遠征したとしてもムーアはイギリスでは別の馬に騎乗していたのではないか?
ムーアといえば今や世界を代表する騎手だ。そのムーアが今年も日本の馬ラストインパクトに騎乗する。だからラストインパクトがいいと言いたいわけではない。でもむやみに外国馬に騎乗するくらいなら、日本の馬に騎乗した方がマシと考えていても不思議ではない。
とにかく外国馬は切る。少なくともデットーリが騎乗しないのならば切っていい(今ならムーアもその域になっているか?)。なが〜〜い目で見ても短い目で見ても、それが一番お金を無駄にしない戦術だろう。
ただし、この10年でもうちょっと上手に騎乗していたら、馬券になったのではないか?
と思える馬も何頭かはいた。
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岩田ならどう乗ったか?
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ニッポンのジャパンC男・岩田が騎乗していたらどうであったろう。そう思える馬はいた。
上がり視点で見るとちょっとだけ空想を膨らませられる。
この10年で、ジャパンカップを上がり3位以内で走れた外国馬は6頭いる(1頭の例外含む)。
13年 ドゥーナデン 騎手スペンサー 上がり3位33.6 13人気5着 14-11-10-10
1着 ジェンティルドンナ ムーア 3-3-3-4 上がり6位33.9
2着 デニムアンドルビー 浜中 12-14-13-13 上がり1位 33.2
3着 トーセンジョーダン ビュイック 2-2-2-2 上がり12位 34.1
勝ったジェンティルドンナは先行して、上がり6位で1着した。トーセンジョーダンも先行して、上がり12位で3着だ。日本の競馬を短期免許等で掴んでいるムーアやビュイックが、上手く騎乗したとは言えまいか。
今一番、ジャパンカップで勝つためのノウハウを持っているのは、この10年で3勝している岩田ではないか(この10年で3-1-1-3)。もしドゥーナデンに岩田が騎乗していたら、どう操っただろうか?もうちょっと先行させたのではないか?
ドゥーナデンが先行して同じような脚を繰り出せるとは言い切れないが、33.6という脚が使えたのは事実で、騎手が日本の馬や日本の競馬をもうちょっと把握していたら着順は上がったのではないか?そんな想像はできる。
12年 レッドカドー モッセ 上がり6位33.4 13人気8着 11-11-10-12
1着 ジェンティルドンナ 岩田 2-2-3-6 上がり2位32.8
2着 オルフェーヴル 池添 12-13-10-3 上がり3位32.9
3着 ルーラーシップ ウィリアムズ 13-11-13-15 上がり1位32.7
レッドカドーは上がり6位だったけれど、このとき不利があったと猛抗議していた。不利がなくてもあの位置ではおそらく馬券にはならなかったと思うけど、もうちょっと速い上がりが使え、着順も上がったかもしれない。
その翌春に天皇賞春に出走したのも、そして3着できたのも日本の馬場との相性をモッセが掴んだからではないか?
天皇賞春 11-11-10-4 3着 上がり3位36.5 モッセ
4角で4番手まで上がり、3着した。ジャパンカップより積極的競馬だった。
それはそれとして、岩田が騎乗していたらどうであったろう?もう少し前で競馬をさせたのではないか?
2011年 デインドリーム シュタルケ 13-11-12-13 1人気6着 上がり2位34.0
1着 ブエナビスタ 岩田 6-6-9-6 上がり1位33.9
2着 トーセンジョーダン ウィリアムズ 2-2-2-3 上がり5位34.3
3着 ジャガーメイル 四位 9-8-12-9 上がり2位34.0
岩田が乗っていたらどうであったろうと一番思わせるのがデインドリームだ。3着したジャガーメイルと同じ上がりで6着。当時のシュタルケは日本での騎乗はジャパンカップやWSJSでの数回のみで、もうちょっと日本の競馬(馬を含めて)をわかっていたら、別の騎乗をしていたのではないか?っていうか今のシュタルケなら別の競馬をしてるように思えてならない。
2007年 ペイパルブル ムーア 16-16-13-11 9人気7着 上がり3位34.3
1着 アドマイヤムーン 岩田 5-5-6-4 上がり2位33.9
2着 ポップロック ペリエ 3-3-4-4 上がり2位33.9
3着 メイショウサムソン 武豊 9-9-9-4 上がり2位33.9
ペイパルブルは、翌年もジャパンカップにムーアで出走して14着だった。だからこれが精一杯だったかもしれない。
2006年 ウィジャボード デットーリ 10-10-9-7 上がり2位33.9 3人気3着
1着 ディープインパクト 武豊 11-11-11-7 上がり1位33.5
2着 ドリームパスポート 岩田 5-4-5-4 上がり3位 34.1
2005年 アルカセット デットーリ 13-12-9-9 上がり3位34.8 3人気1着
2着 ハーツクライ ルメール 16-16-15-13 上がり1位34.4
3着 ゼンノロブロイ デザーモ 12-13-13-13 上がり2位34.7
デットーリも上がり1位で走らせたわけではない。この10年を見ても上がり1位を出すことがジャパンカップで勝つ絶対条件ではないことがわかる。
だからといって上がりを否定するわけではない。それなりの上がりは必要だ。ただ位置取りが重要なこともわかる。道中5,6番手にいないと今は勝てない。
適度な上がりと適度な位置取り。それがジャパンカップで勝つために必要な条件に思える。位置取りが大事ということは、ジョッキーも大事ということだ。それゆえに外国の関係者も岩田に騎乗依頼すればいいのにと、ついつい思ってしまうわけだ。岩田がカンタンに引き受けるとも思わないけれど…。
と同時にこうも思う。
日本の競馬を騎手がもっと把握していたらどうであったろう。
そう考えると、今年の外国馬は一癖あるように思えてくる。
シュタルケとTベリーが短期免許で「今」の日本の競馬を経験しているからだ。
シュタルケは関西中心だけれど、東京でもレースを経験しているし、そもそも日本の馬の特徴をだいぶ掴んでいるはずだ。デインドリームで負けてから短期免許で日本に毎年のように来るようになっているのは大きいか。東京では足りないと思っていたラブリーデイをメトロポリタンSで完勝させたのがシュタルケだった。
ジャパンカップの出走メンバーを見て、どういうレースになるか高いレベルでシミュレーションできるようになっているかもしれない。
Tベリーは、ついこの間からの日本参戦だけど、ずっと東京で乗っている。自分には東京にこだわっているようにも見える。エリザベス、マイルチャンピオンに声が掛からなかっただけだとしても、その分東京で乗ることで、日本の競馬と東京の芝をどんどん掴んで来ているように思える。
来日早々に「ジャパンカップに騎乗したいから自分が騎乗できる馬が招待されて欲しい」と発言していた。日本の一流馬の走りをどこまで把握できているかわからないけれど、東京の芝や仕掛けどころを掴みつつあるのは大きいのではないか。実際、仕掛けどころがわかってきているように見える。
シュタルケの騎乗するナイトフラワー、Tベリーの騎乗するトリップトゥパリスが東京の芝でポテンシャルを発揮する馬かはわからないけど、騎手が日本の競馬と馬場を把握しつつあるのは頼もしい。
で、改めて、今回出走する外国馬を見てみる。
イトウ 逃げ
イラプト 先行
トリップトゥパリス 基本中団
ナイトフラワー 基本中団
ゴールドシップ 自由
なんだか久しぶりに外国馬に先行系が揃ったように思える。
日本の芝で逃げられのか?先行できるのか?その問題はあるけれど、今回出走するメンバーで絶対に逃げたい日本馬はいない。スーパームーンやショウナンバッハがペースメーカーを買って出る可能性を否定しないけれど、脚質どおりならば逃げたい馬はいない。
2年前に同じように逃げる馬がいなくて、逃げざるをえなくなって沈んだエイシンフラッシュの例もある。日本勢は先行はしたいけれど、逃げたくはない馬ばかりだろう。馬場も例年より力のいる馬場になる可能性もある。一生懸命しごけばイトウでも逃げられるのではないか。
イトウが先手を奪えるということは、他の外国馬でも先行させようと思えば先行できるということだ。
1人気になるはずのラブリーデイは先行するはずだから、そうなるとイラプトもトリップトゥパリスもナイトフラワーも先行してくるだろう。本国でどういうスタイルで騎乗しているのかはわからないけれど、日本では先行競馬が多いTベリーやシュタルケが騎乗するのだから尚更だ。もしかしたら、久しぶりに外国馬が前を支配する競馬が見られるかもしれない。
おっと、忘れていた。もう1頭外国馬枠のゴールドシップがいた。
イトウが先手を奪えるということは、こんどこそゴールドシップが先手を奪えるということでもある。ゴールドシップにはスタート問題があるけれど、ちゃんとスタートさえすれば1角までに2、3番手につけて、2角を回ったあたりで先頭を奪っているかもしれない。イトウの逃げっぷりがよければ、番手につけるかもしれない。ダービーのワンアンドオンリーみたいに内ピッタリで先行するかもしれない。いずれにせよ今回もゴールドシップからは目が離せない。
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ジャパンカップの池江厩舎
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ジャパンカップに圧倒的に強い厩舎がある。それをジャパンカップ御三家厩舎と括って活用している。ジャパンカップ御三家とは「角居・池江・松田博」厩舎のことだ(今年で最後だけど)。
この御三家の馬が4人気以内にいたら、ほぼ連対するし、複数頭いたら、みんなそれなりに好走する。東京2400で強そうな馬を集め、東京2400で勝つための調教をしていると勝手に決めつけているけど、それほど的外れとも思わない。日本一の賞金レースなんだから、そこを目指すのは当たり前だからだ。
去年は4人気以内に2頭の御三家馬がいて、1着4人気エピファネイア(角居)、5着2人気ハープスター(松田博)だった。
今年は池江厩舎から2頭、松田博厩舎から1頭出走する。
自分が改めて書くまでもなく、今年はどう見ても池江厩舎の年だろう。
予想1人気 ラブリーデイ 先行
予想2人気 ミッキークイーン 差し
先行と差し。
布陣として盤石に思える。
ラブリーデイは宝塚記念を1着して、京都大賞典を1着して、天皇賞秋を1着した。宝塚・京都大賞典・天皇賞秋をぶっこ抜くなんて、テイエムオペラオーみたいじゃないか!!
っていうか、過去20年を見ても、その3レースを3連勝した馬はオペラオーしかいない。もしやラブリーデイはオペラオーに肩を並べたのか?ちょっと違う気がするけど、ラブリーデイが今年かつてのオペラオーのように勝ちまくっているのは事実で、強さがほんまもんであることはわかる。
ミッキークイーンは流行の3歳牝馬による出走。3歳牝馬がここに出走して、しかも人気になる。これだけでただならぬ実績であることがわかる。
距離1600以下では心配指数の上がる池江厩舎だけど、実際先週も心配事は当たってしまったけれど(サトノアラジン4着、トーセンスターダム7着)、距離2400なら話は別だ。前か後ろか、先行か差しか、どんな展開になっても、2頭のどちらかが勝ち負けに加わりそうだ。
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ジャパンカップ注目馬
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ラブリーデイ&ミッキークイーンに最大の敬意を払いつつ、
外国勢にも今年は期待しつつ、
岩田の馬に注目したい。
そりゃそうだろう。
ずっと岩田だったらどうであったかと書いておきながら、岩田の乗る馬に注目しないなんて、自分で書いておきながら、あんまりだと思う。
アドマイヤデウスをニッポンのジャパンカップ男の岩田だったらどう乗るのか!?
4歳になって日経新春杯1着、日経賞1着と2連勝したものの、天皇賞春15着、天皇賞秋11着と大きく負けたアドマイヤデウス。G1では壁があるような気もしないではない
しかし、前走の天皇賞秋には見どころもあった。
上がり1位で追い上げた。一番後ろにいたのだから上がりが一番速いのは当たり前かもしれないけれど、最後方にいたら常に上がり1位を記録できるというものではない。それなりの力があって、馬に走る気もあるから上がりが使えたとも言える。
2年前のトーセンジョーダンは天皇賞秋11着(2.3差)から巻き返して3着した。同じ11着でもアドマイヤデウスは0.8差だ。
岩田騎乗で言えば、8年前に勝ったアドマイヤムーンは天皇賞秋を0.7差で6着に負けた。0.8差は巻き返しできる許容範囲ではないか。
ならば問いかけるまで。
岩田ならどう乗る?
アドマイヤデウスはひと叩きされて、順調に良化してると決めつけて、ニッポンのジャパンカップ男岩田に注目してみたい。
池江軍団2頭VS岩田中心。
そこにゴールドシップ含む外国勢が絡めるか?
そんな見立て。そんな希望。
ナイトフラワー 一番期待している。この馬がミッキークイーンといっしょに来たら、3歳牝馬のワンツーになる。世界中の2歳牝馬の逸材をお持ちのホースマンにアピールできるかもしれない。ジャパンカップは世界中の3歳牝馬のもの。そういう売り出し方もあるはずだ。
陣営はもう少し馬場が軟らかい方がいいとコメントしているけれど、シュタルケが主戦の馬なのだから、日本の馬場でも走れる手応えあっての出走と思いたい。
トリップトゥパリス ベストは4000Mらしい。でもオーストラリアの芝2400のコーフィールドCを2着した。ここでそこそこいい競馬ができたら、香港挟んで天皇賞春。レッドカドーの厩舎だし、十分考えられる。本番は春かもしれない。
イラプト ミスプロ好きとしては、実は内心期待している。
イトウ 逃げられるかな?逃げられるといいな。
ゴールドシップ 自由