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ホッコータルマエ、連覇は!? 最終追い切りでチェック!

  • 2015年12月02日(水) 18時00分


リッキーはフェブラリーSの最終追い切りに酷似

 今朝2日の栗東は1℃。もう手袋なしでは自転車をこぐことができません。むちゃくちゃ寒いのは調教開始前ですが、陽が昇り始めると、今度は逆に暑くなってしまって。いわゆる寒暖の差が激しかった午前中。こんな状況で調教をしなければならない関係者の皆様、本当にご苦労様です。

 そんな関係者の苦労が報われるのが、レースで結果が出た時。チャンピオンズCに出走予定の栗東所属馬は、みな普段から好意にしていただいている関係者の皆さんばかり。中央のダートG1はここと来年のフェブラリーSしかないので、みんなを応援したくなってしまいますが、最終的にはどの馬に◎を打つか決めなくてはいけません。いや〜、難しいですね。

【チャンピオンズC/ホッコータルマエ】

 前走後、この中間は追い切りではなく、普段の坂路馬場でのキャンターを見ていても、前走時とは違うことが明らかな素軽い動きを見せていました。もともと追い切りでめちゃめちゃ動くタイプではなく、調子が上がってくれば動けるようになるタイプ。そういった意味で先週の坂路4F51.6秒は状態が良いからこその時計です。

 そして最終追い切り。坂路馬場へ向かっていく時に幸英明騎手が跨り、併せ馬のパートナーにブルドッグボスという状況に驚き。これって、先週と同じ状況ですが、G1で攻める調教は分かりますが、また速い時計が出過ぎないかと心配しました。ところが、ブルドッグボスの絶妙なペースで時計は予定通り。今週はゆっくり追走したこともあって、見栄えが悪くなるようなことはありませんでした。ラスト1Fが最速ラップを踏めていますし、これは昨年と同じ。連覇に向けて、調教内容からは気になるところはありません。

ホッコータルマエ(12月1日撮影)

連覇に向けて、調教内容からは気になるところはないホッコータルマエ(12月1日撮影)



【チャンピオンズC/コパノリッキー】

 負けるべくして負けた日本テレビ盃、勝つべくして勝ったJBCクラシックというのが、ここ2戦の追い切り内容からの結果。思えば、昨年のチャンピオンズCも最終追い切りの内容が今ひとつで評価を下げていました。それだけに今回も追い切りの内容が鍵、とりあえず先週までの時点では、前走から好調をキープという感じでした。

 ところが、武豊騎手が跨った最終追い切り、CWでの単走。非常にゆったりした走りで、時計は6F85秒くらいだろうと思っていたら、6F82.5秒も出ているんですよね。しかも終いは自らぐいぐいと伸びていく走り。これって、今年のフェブラリーSの最終追い切りに非常に似ています。ってことは、勝つのはこの馬? って思うくらい、今のところは悩まされています。

コパノリッキー(12月2日撮影)

フェブラリーSの最終追い切りに非常に似ているコパノリッキー(12月2日撮影)



【チャンピオンズC/ローマンレジェンド】

 前走は追い切り本数が標準、時計を出し始めるのも標準と、この馬にしては追い切りが全体的にコンパクトでした。それだけに、次走に向けての叩き台の印象が強かったのですが、それでもレースではらしさが出た勝ち負けの内容。あらためて休み明けは調教量に関係なく走るんだというところを見せました。

 1週前追い切りはCWで岩田康誠騎手が跨っての併せ馬でしたが、最終追い切りは坂路で単走。坂路で最終追い切りを行うのは前走と一緒。このあたりはトラック馬場の長い距離を走らせるよりも坂路の4Fで集中した追い切りにしたかったというところでしょうか。ラスト2Fが12.3秒、12.0秒ときっちり加速できたあたり、思い通りの追い切りだったと思います。あとは昨年のローテーションと今年のローテーション。どちらがこの馬の能力を発揮するのに適しているか。そこに尽きます。

ローマンレジェンド(12月1日撮影)

ラスト2Fきっちり加速できたあたり、思い通りの追い切りだったローマンレジェンド(12月1日撮影)



【チャンピンズC/ナムラビクター】

 追い切りの動きだけではどうにも判断できないのが、この馬。なにせ昨年2着時の最終追い切りは坂路4F59.8秒。これを評価しろという方が難しいくらい。この追い切りだったので、レース前日に終いを伸ばす追い切りを敢行して結果を出しています。同じ方法で惨敗したのが、今年の東海S。気難しい馬だけに、同じ方法で必ず結果が出るとは限らないのでしょう。

 今年の追い切りも正直、どの程度評価してよいのかわかりません。ただ、本数自体は昨年同様に多くて、全体的な追い切り内容に変化はありません。東海Sの惨敗で今年はパフォーマンスを下げるという評価は早計なはずで、守りの予想をするなら、普通に抑えの印を打っておくというのが無難でしょうね。

ナムラビクター(12月1日撮影)

全体的な追い切り内容に変化はないナムラビクター(12月1日撮影)



【チャンピンズC/クリノスターオー】

 1週前追い切りが久しぶりに坂路で速い4F時計、51.2秒をマークしており、これがよい刺激になるのではないかと思っていました。その後はCWでの4F追い切りを行っており、29日は左回りだったので、これをトラックで練習したというのは中京競馬場で行われることを考えるとプラスでしょう。

 そして最終追い切りもCW。これは最近では珍しいものの、条件クラスを走っていた頃は普通でした。今回は4F追い切りなので、当時とパターンが違います。併せ馬でパートナーのシグナルプロシードに完全に見劣る動きでしたが、ゴールを過ぎたところでは前に出ており、瞬発的なスピードで負けているだけ。初コンビとなるジョッキーとの相性も悪くないと思いますし、前走着順や昨年の結果だけで見限るのは早計でしょう。

クリノスターオー(12月2日撮影)

前走着順や昨年の結果だけで見限るのは早計なクリノスターオー(12月2日撮影)



◆次走要注意

・11/28 京都 京都2歳S【ジョルジュサンク】(7人/4着)

 逃げる想定がまさかの差し。しかもアドマイヤエイカンをマークする形でしたから、ペースさえ流れていれば、上位争いできていたでしょう。このレース内容なら、決して逃げにこだわる必要はなさそう。
 500万下でも取りこぼすことがありそうなタイプですが、来年のクラシックトライアルあたりでは確実に上位争いしそうなタイプ。馬券的には追いかけ続けて損はないはず。

[メモ登録用コメント] [芝]最終追い切りが坂路でラスト1F最速ラップなら勝ち負け

・11/29 東京 ジャパンC【サウンズオブアース】(5人/5着)

 最終追い切りが少しちぐはずになったとはいえ、それまでの追い切り過程は完璧。それでもこの結果は、輸送競馬に弱いところがあるからでしょう。
 個人的には蛯名正義騎手が手の合うジョッキーだと思いますし、もし騎乗機会があって、京都競馬場でのレースなら、勝ち星を重ねることができるはず。

[メモ登録用コメント] [関西圏]最終追い切りがラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・ステイヤーズS【スズカデヴィアス】
 前走は長期休み明けだけに、メイショウカドマツにマークされる流れはきつかったと思います。しかし今回は中3週。昨年と違って、逃げにこだわるレースができれば、今年は勝ち負けできる状態にあるでしょう。
スズカデヴィアス(12月1日撮影)

逃げにこだわるレースができれば、勝ち負けできる状態にあるスズカデヴィアス(12月1日撮影)

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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