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既成勢力vs新興勢力

  • 2015年12月01日(火) 12時00分


6歳以上ともなると年齢面から力が落ちているのではという心配も…

 今週のチャンピオンズカップは、既成勢力の代表ホッコータルマエに、新興勢力の代表ノンコノユメが挑むという構図になる。

 実績的に買いやすいのは他の馬も含めて既成勢力だが、6歳以上ともなると年齢面から力が落ちているのではという心配も出てくる。

 それをどのようにして計ればよいのかが難しいのだが、例えばJRAのレースに限定して、次のような調査をするとどうなるか。

・JRAのダートGIを勝った馬のみが対象
・その馬たちの全戦歴(ダートGIを勝つより前も含む)を取る(芝も含む)
・その年齢別成績を見る

年齢 着度数 勝率 複勝率 単回収率 複回収率
2歳
21-11- 4-13/49 42.9% 73.5% 135 105

3歳
64-18-22-64/168 38.1% 61.9% 296 145

4歳
29-17-11-42/99 29.3% 57.6% 407 139

5歳
32-11- 6-34/83 38.6% 59.0% 313 140

6歳
11- 8-10-34/63 17.5% 46.0% 140 120

7歳
1- 3- 3-30/37 2.7% 18.9% 4 28

8歳
0- 1- 1- 9/11 0.0% 18.2% 0 78

 若いほど下級条件で走っている比率が高いので、オープン特別・重賞に限定するとどうなるか。

年齢 着度数 勝率 複勝率 単回収率 複回収率
2歳
7- 3- 2- 2/14 50.0% 85.7% 154 108

3歳
26- 8-15-39/ 88 29.5% 55.7% 228 134

4歳
20- 8- 8-30/66 30.3% 54.5% 564 158

5歳
28-11- 5-32/76 36.8% 57.9% 305 132

6歳
11- 8-10-34/63 17.5% 46.0% 140 120

7歳
1- 3- 3-30/37 2.7% 18.9% 4 28

8歳
0- 1- 1- 9/11 0.0% 18.2% 0 78

 傾向としてはほぼ変わりない。7歳以上馬は既にGIを勝っている馬であっても、中央側で行われるGIだとかなり苦しい。また、6歳馬は複勝率は維持しているものの勝率が落ちている。単回収率もテスタマッタなどが跳ね上げた面があり、人気サイドの馬が高頻度で勝って維持しているわけではない。

 これを見ると、ホッコータルマエについては「買うが、アタマ付けにはこだわらない」というのが正しいのかもしれない。レースを見た印象としては、前回はあくまで休み明けゆえの敗戦で、今回は上積みがあると思えるのだが……。

 普通の人気馬なら、「データでこういう傾向が出ているので、敢えて2、3着付けで」と主張するのだが、ホッコータルマエの場合、超のつく一流馬なのでそこまでは割り切れず、扱いが難しい。「超」一流馬の場合、8歳時にJBCスプリントを勝ったエスポワールシチーや、大きな故障を乗り越えて7歳時に川崎記念を勝ったカネヒキリのように、年齢の壁を越えてくるケースもある。ホッコータルマエ級で6歳秋ならば、勝てないと断定まではできない。無難に3連複に逃げて、ヒモに人気薄を入れていくしかないか……というのが、これを書いている時点での個人的心境である。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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