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ZOKKON 命(ラブ)で見極める阪神JF。最上級の惚れ方をしていい馬はいるかな?

  • 2015年12月10日(木) 12時00分


「しわす競馬でしあわす(幸)になる。とりゃ!」

本年最後のマイ強化テーマだ。

ロワジャルダン、サウンドトゥルーに注目していたチャンピオンズCだけど、この2頭が8枠、1枠に入ったのを見て、少し考えを変更し、いいとこ〜〜に入った(と思った)角居厩舎のサンビスタをおそるおそる、でも最後にとりゃ!と狙って、幸先のいい師走スタートがきれた。

(サンビスタを拾えたキモは、もちろんオッズ視点による馬券作戦・オッズバズーカだ。これに枠視点による馬券作戦「うん、その馬その枠でやや光ってるよね」や、角居厩舎視点による馬券作戦「非情のライセンス」などをまぶし、最後にとりゃ!っと飛んでみたら、上手く着地できてしまった。自分ではしてやったりだけど、人はそれをまぐれと呼ぶ。うは!)

師走に入って、いきなり幸せモードに入れたけれど、大団円を迎えられるかは、もちろん有馬記念で大的中できるかにかかっている。だから有馬へ全力投球したいところだけど、その後のオーラス競馬、中山のハッピーエンドC、阪神のファイナルSも自分のような者には実は大事なレースだったりもする。当てたいレースを外したときに、その後どう自分に始末をつけるかも大切だと思うからだ。

たいていは慌てて購入して、買い終わった馬券を見て、ハッとする。
誰だ!こんな馬券を買ったのは!?
自分で買った馬券なのに、他人の馬券、拾った馬券のような感覚に襲われる。競馬だからそれが功を奏すこともあるけれど、たいていは負ける。負けても納得できればいいけれど、意気消沈の中で慌てふためいて買った馬券だから悪い意味で謎に満ち溢れてしまい、始末が悪い。ゾゾゾ。

それこれも準備不足が原因だ(と思うにいたった)。きっとそうだ!とりゃ!っと飛ぶにも助走や踏切板がないと上手に飛べない。だから有馬記念や亀ちゃんの馬券特効薬や井内さんのダブル最速馬や馬券裁判男の指数公開などで大盛り上がりの競馬王の貴重なページをいただいて、ハッピーエンドCとファイナルSの分析を敢行してみた。もちろん除夜のバズーカは見つかった。バゴーンと鐘を鳴らしてみたい方は一読を。

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阪神JFのゾッコン・ラブ
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ムーア、Mデムーロ、武豊、戸崎、蛯名、浜中らが香港国際競走に騎乗しにいき、岩田とルメールは日本にいる。
これだけで、岩田とルメールを買えばいいんじゃないか?と思う。思ってしまう。

ルメール メジャーエンブレム 予想1人気 デビュー以来ずっとルメール。
岩田 ブランボヌール 予想3人気 デビュー以来ずっと岩田。

阪神JFはデビューから数戦の経験しかない2歳牝馬のためのレースだ。だから、同じ騎手が騎乗しつづけることは珍しいことではない。
でも今年の登録メンバーで、2戦以上のキャリアのある馬で、今回も含めてずっと同じ騎手が騎乗する馬は、メジャーエンブレム、ブランボヌール、クロコスミア、ウインファビラスの4頭しかいない。

ルメールと岩田は香港遠征を断って、この馬への騎乗を決めたのか?
メジャーエンブレムに、ブランボヌールにそれぞれゾッコンなのか!?最上級の惚れ方をしているのか?

ルメールがゾッコンと思われたサトノアラジンは香港ではオーストラリアのマクドナルドが騎乗するようだ。
岩田がゾッコンと思われたヌーヴォレコルトは香港ではムーアが騎乗するようだ。

いきさつはよくわからないし、別に真実などわからなくていい。どうせ自分のような者に伝わってくる情報など真実のかけらもないようなものばかりだからだ。
要は、阪神JFで人気を集めそうなメジャーエンブレムとブランボヌールは、積極的に買っていい馬なのか、ナイガシロにしていい馬なのか、そこがわかればいい。たとえゾッコンでなくても馬券になるなら買いたいし、たとえゾッコンでも危ないならば買いたくない。

人気があるということは、それすなわち実績があるということだ。2歳戦の場合は実績がなくても血統のインパクトで人気になる場合もあるけれど、メジャーエンブレムとブランボヌールに関しては、血統背景もいいかもしれないけれど、実績もあるから人気になっているはず。

そのような馬にルメールと岩田が今回も乗る。突き詰めれば、それでおしまいだ。二人はゾッコン!それで一件落着だ。
とはいえ、両馬ともに人気がある。仮に信用するにしても、馬券的にはどちらかを信用して、どちらかをナイガシロ、もしくはサゲたいところだ。

こうなると意外にやっかいだ。
メジャーエンブレムはこのレースに強いノーザンF生産のサンデーRの馬だ。
ブランボヌールは、これまたこのレースに強い父ディープインパクトだ。

こういう場合、自分はコメント・イマジネーションに頼りがちだ。
こういう場合じゃなくても阪神JFではコメント・イマジネーションがけっこう役立つ。
ここのコラムでは3年前の1着馬ローブティサージュ、去年の1着馬ショウナンアデラで駆使して、上手くいった(コメント・イマジネーションとは「レース週の関係者のコメントはまったくもって参考にならないけれど、レース直後のコメントはたいそう役立つ」をモットーに、レース後コメントからイマジネーションを膨らませるアプローチで、2歳G1でけっこう使える)。

騎手によって、表現はさまざまで、弾けた見解を披露してくれる騎手、あえて厳しい見解を述べる騎手、寡黙な騎手、控えめな騎手、いろいろだけど、それでも、手応えのつぼみみたいなものは伝わってくる。そこを拠り所に今回も探ってみる(コメントはラジオNIKKEIの競馬実況webより)。

■メジャーエンブレム

新馬戦 東京芝1800 1人気 3-2-2-2 1着
ルメール
「好スタートからいい位置につけて、リラックスして走っていました。直線で外から来た馬にびっくりしていましたが、それでも走ってくれました。距離も問題ありません」

2戦目 中山芝1600 アスター賞 1人気 6-5-2-2 1着
ルメール
「瞬発力がすごいです。スタートしてからもとてもリラックスしていました。しかし、ペースが遅かったので、大外を回っていきました。4コーナーを回ってからすごい脚で、反応がとてもよかったです。今後、重賞を勝てる馬だと思いますし、長い距離でも大丈夫でしょう」

3戦目 東京芝1600 アルテミスS 1人気 4-1-1 2着
ルメール
「大外枠で行きたがっていましたが、先頭に立つとリラックスして走っていました。直線で1頭になってしまったのが堪えました。併せていれば違ったと思います」

ルメールはあまりオーバーに表現しない。リアファルに初めて乗って、勝ったときもオーバーな表現はなかった。それでも騎乗しつづけて、神戸新聞杯1着、菊花賞3着した。それを踏まえると、悪くないニュアンスだ。「重賞を勝てる馬」というコメントも出た。

父ダイワメジャーだからか、気性が前向きだからか、距離を気にしているのが面白い。ルメールのコメントからは気性的問題を抱えているようにはあまり思えないけれど、それはルメールが上手に乗っているから見えないだけかもしれない。「リラックス」の多用が気性的問題を本当は抱えているようにも思える。だとすると、この馬はルメールが騎乗しなくなったときが危ないときかもしれない。

前走はルメールにとっても悔いの残る騎乗だったのではないか?ルメールのゾッコン度はわからないけれど、ルメールの汚名返上度は高いはず。
となると、メジャーエンブレムは1人気でもしょうがない。ナイガシロにできないとなる。

ちなみにルメールが騎乗していたキャンディバローズではこんなコメントを残していた。
2戦目 札幌芝1500 1着
「使える脚が短いので、小回りの札幌は合っています。前走が惜しかっただけに今日は勝ててよかったです」
3戦目 京都芝1400 ファンタジーS 1着
「外枠だったので難しいと思っていましたが、いいスタートを切ってくれました。その後は3番手につけて、いいポジションで進められました。ラスト200mはいい瞬発力でした。ここでひとつ重賞を勝てて嬉しいです」

「使える脚が短い」
「ラスト200Mはいい瞬発力」

阪神芝外回りの1600だと脚の使いどころが難しいのかもしれない。ルメールが騎乗しないことと、それでも人気を集めそうなこと(予想2人気)を考慮すると、たとえディープインパクト産駒でも下げたくなる。

この馬ならば、福永騎手が騎乗して新馬を勝ち、負傷でルメールが乗って1着した2戦2勝のアットザシーサイドの方を買いたくなる。

■ブランボヌール

新馬戦 函館芝1200 2人気 4-4-3 1着
岩田騎手
「最初はモタモタしていましたが、3コーナーからは自分で行く素振りを見せました。抜け出してからフワッとするところもありました」

2戦目 函館芝1200 函館2歳S 1人気 10-9-5 1着
岩田騎手
「2走目でどんなレースをするかと思っていましたが、落ち着いてレースができました。内を走ってもゴチャつくと思い、外を回ってきましたが、いい末脚だったと思います。普段からピリピリする馬ですが、このレースへ向けてスタッフがよく仕上げてくれました」

3戦目 京都芝1400 ファンタジーS 1人気 3-3-3 3着
岩田騎手
「休み明けで馬は落ち着いていました。勝ちたかったのですが......。馬体がパワーアップして、力みもそれほどありませんでした。1600mはもつと思います」

岩田騎手は自由系だからコメントはあまり参考にできない。けれど「1600はもつと思います」は少々気になる。

1200デビューの馬が阪神JFで通用しないとは思わない。ただ1400や1600や1800デビューの馬の方が勝ち負けしているのは事実だし、直近で1200デビューで阪神JFを2着したアイムユアーズもクロフネサプライズも、1400を勝って出走していた。そこが少々気になる。岩田騎手だから感性で持ってくるかもしれないけれど、人気を考えると感性に頼るのは少々リスキーに思える。

自分の腕でなんとかしてやりたい度は感じるけれど、ゾッコン度は特に感じられない。予想3人気も微妙だ。4、5人気まで下がれば買ってみたい馬だ。

強い馬に乗り馴れている名手系の二人だからしょうがないけど、メジャーエンブレムとブランボヌール、ともにゾッコン度は感じられなかった。
ただコメント的にはルメールのメジャーエンブレムの方が馬券圏内では信頼できるように思えた。予想1人気を素直に評価すればいいということかもしれない。

ただ前向きすぎる馬は阪神JFでは苦戦傾向にある。阪神が改修された06年以後の9年間で4角5番手以内で1着した馬はいないし、2着か3着した馬は4頭しかいない。ルメールが逃げないにしても先行させるとしたら、何かに脚元をすくわれるかもしれない。

というわけで、デビュー以来ずっと同じ騎手が騎乗しつづけている、ゾッコン度が高いかもしれない松岡のウインファビラスと勝浦のクロコスミアも覗いてみる。

ウインファビラス
3戦目 新潟芝1600 新潟2歳S 2着
松岡騎手
「まだ馬を作っている途中です。切れ味とスピードを兼ね備えているのですが、逆に敏感なところがあります。返し馬ではやる気になってしまい、気性的に成長してくれればいいですね。牝馬の中では上位だと思います」
4戦目 東京芝1600 アルテミスS 5着
松岡騎手
「スタートのタイミングが合わず、位置取りが思っていたより後ろになってしまいました。折り合いはつきましたが、休み明けの分、伸び切れませんでした」

新潟2歳Sで2着して、牝馬の中では上位と表現したけれど、前走は牝馬の中で5着だった。出遅れたための5着ならば、まだわからない。5着も上位という解釈ならこんなもんかもしれない。
ただ予想11人気。この人気ならば、走る可能性を取ってみたくなる。

ゾッコン度では断然勝浦騎手のクロコスミアか。
コメント的にも徐々に盛り上がってきてるのがわかる。

3戦目 函館芝1800 未勝利 1着
勝浦騎手
「距離が延びてこの馬の良さが出ました。今までは短い距離のレースで忙しかったと思います」

4戦目 札幌芝1800 コスモス賞 4着
勝浦騎手
「4コーナーでうまく捌くことが出来ませんでした。申し訳なかったです」

5戦目 札幌芝1800 札幌2歳S 3着
勝浦騎手
「この馬も最後に伸びていますが、上位2頭も伸びていますからね。4コーナーで少し置かれるところがありましたが、フラフラするところがなくなり、折り合いもつきますし、終いに伸びてくれます」

6戦目 東京芝1600 アルテミスS 3着
3着 クロコスミア(勝浦騎手)
「脚は使っているし、力は示せました。順調に力をつけています。根性もあります」

7戦目 東京芝1600 赤松賞 1着
勝浦騎手
「目指しているものがありますし、今日は負けられない一戦でした。体は400キロでも根性のすごい馬で、乗っていて心強いです。本当に楽しみです」

ここ2戦、根性を褒め称えている。
今回のコメントでは文句なく最上級の惚れ方さ!ZOKKON!

とはいえ、ウインファビラス、クロコスミアともに1着するイメージが沸かない。2着か3着っぽい。だから最上級の馬券の惚れ方はしにくいけれど、人気もそれほどなさそうだし、それなりの惚れ方はできる。 

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阪神JF注目馬
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ゾッコン系注目馬
ウインファビラス
クロコスミア 

抽選系注目馬
ペプチドサプル 前走のアルテミスは直線を最内で入って、そこから外へ、外へ、外へ持ち出してからの追い込みだった。外からスムーズに追い込んで勝ったデンコウアンジュとそれほど差は感じられなかった。ならば人気もぜんぜんないだろうし、ヒモで狙ってみたくなる。抽選突破しないかな?突破したら飛んじゃうな?とりゃ!

大敬意・メジャーエンブレム

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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