波乱の多い週だろう
年が変わったばかりの年齢だから、印象だけの気もするが、牝馬同士の重賞にしては、もうベテラン牝馬の仲間入りした「6-7歳の牝馬」が過半数の10頭もいる。
中山メインの芝1200mのスピードレースが、16頭中11頭までをベテラン「7-8歳馬」が占めることになったほどは怪しくないが、牝馬同士のフルゲート18頭立てのうち、乗り替わる馬が11頭(うち8頭がテン乗り)となった。
ケガで休養中、および騎乗停止の騎手が合計「9人」もいるところへ、今週から3場開催となった。愛知杯は牝馬だけのハンデ戦なので、乗るジョッキーにとっては軽量になる53キロ以下のハンデ馬が13頭もいる。「その負坦重量ではちょっと…」。ベテランのトップ騎手を中心に、53キロでは乗れないケースも珍しくない。
さすがに重賞の愛知杯は手配が早いからそのケースは少なかったが、他のレースでは週中まで騎乗してくれるジョッキーを探せない陣営がいた。パッと見渡したところ、3場ともにどのレースも「乗り替わり」のオンパレードである。中には本意(真意)ではない乗り替わりがあるかもしれない。波乱の多い週だろう。
左回りになるプラスが大きい5歳
シュンドルボン(父ハーツクライ)から入る。
前回のG1エリザベス女王杯でも0秒2差(7着)に食い込んだから、別に右回りが不得手ではないが、昨年夏からの3連勝は直線も長い「新潟→東京」の左回り。シュンドルボンは、シャープに切れる瞬発力というより、長い直線向きの簡単には鈍らない末脚が身上。苦しくなってからもう一回伸びるところがある。差して(抜け出して)の3連勝は、上がり「33秒3、33秒1、33秒5」だが、3回ともにメンバー中最速の上がり3ハロンではないのが、それを物語る。
中京の芝コースの直線は、坂を含めて約410mもある。初コースだが、新潟や東京と同様に、シュンドルボン向きのコースだろう。このあたりは、父方、母方ともにその牝系ファミリーにヨーロッパ血脈が濃い強みである。3代母ウォータールーの父ボールドラッド(その父ボールドルーラー)は、ボールドアンドエイブルなどの父のボールドラッドではなく、アイルランド生まれのボールドラッドである。3代母ウォータールーは、ディープインパクトの3代母ハイクレアより2年前、1972年の英1000ギニーの勝ち馬。
人気の1頭だが、順当な決着とは思えないので、
マキシマムドパリ(依頼されたフランスのF.ヴェロン騎手は気合が入るだろう)、
オツウを本線に手広くいきたい。