スマートフォン版へ

サトノクラウンの半妹シャレードスマイル

  • 2016年01月27日(水) 12時00分
シャレードスマイル(牝 栗東・須貝尚介 父ステイゴールド、母ジョコンダII)
 弥生賞(GII)と東京スポーツ杯2歳S(GIII)を勝ったサトノクラウン、チェヴァリーパークS(英G1・芝6f)とラウンドタワーS(愛G3・芝6f)を勝ったLightening Pearlの半妹。この2頭の父はMarjuで、本馬の父はステイゴールド。母が輸入されたあと、日本の種牡馬に種付けされて初めて誕生した子だ。母ジョコンダIIはMr.Prospector 3×4、Sir Ivor≒Halo 4×5・4で、もっといえばRossini≒Vettori 1×2。こうした特殊な凝縮が繁殖牝馬として成功した原因で、Sadler's Wellsもデインヒルも含まない軽さも良かったのだと思われる。ステイゴールドとMr.Prospectorの組み合わせは良好とはいえないが、牝馬の場合は懸念するほど悪いわけではない。芝向きのマイラーだろう。

トウショウビクター(牡 栗東・今野貞一 父ステイゴールド、母スイープトウショウ)
 昨年10月末をもって解散したトウショウ牧場の生産馬。母スイープトウショウは宝塚記念、エリザベス女王杯、秋華賞など6つの重賞を制した女傑で、牧場解散に伴いノーザンファームに売却された。これまで3頭の産駒がデビューを果たし、レガッタ(父ディープインパクト)が3戦1勝の成績を挙げた。「ステイゴールド×エンドスウィープ」の組み合わせは、これまでにコルコバードという馬がデビューしており、未勝利戦を勝ったあと菜の花賞(3歳500万下・芝1600m)で3着と健闘している。この先に期待の持てる素質馬だ。母方にMr.Prospectorを抱えたステイゴールドの牡馬はイマイチの成績ながら、ダンシングブレーヴやテスコボーイとは相性がいいので、全体的にはまずまずの構成。父母の個性がうまく噛み合って気性の難しさを出さなければ芝中距離で大仕事を期待できそうだ。

ハーランズワンダー(牝 栗東・昆貢 父Awesome Again、母ハーランズルビー)
 父Awesome AgainはブリーダーズCクラシック(米G1・ダ10f)の勝ち馬で、Macho Uno(00年ブリーダーズCジュヴェナイル-米G1)の半兄にあたる良血。強力なダート適性を伝えているDeputy Minister系に属している。種牡馬としてはGhostzapper(米年度代表馬)、ジンジャーパンチ(米古牝馬チャンピオン/ルージュバックの母)、Game on Dude(米G1を8勝)など多くの名馬を送り出している。母ハーランズルビーは2歳時にアルシバイアディスS(米G1・ダ8.5f)で2着となった。母の父Harlan's Holidayは日本でアルビアーノ(15年スワンS-GII、15年フラワーC-GIII)、エスメラルディーナ(14年関東オークス-JpnII)などを出しており、ダートだけでなく芝にも適性を示している。本馬は父がAwesome Againなのでダート向きのマイラー〜中距離タイプに出る可能性が高い。

ミスドバウィ(牝 美浦・斎藤誠 父Dubawi、母Coyote)
 父Dubawiは、わずか1世代を残して急逝したDubai Millenniumの代表産駒で、現役時代に愛2000ギニー(愛G1)、ジャックルマロワ賞(仏G1)、ナショナルS(愛G1)を勝った。半姉にはパークエクスプレスS(愛G3)を勝ったOh Goodness Me(父Galileo)がいる。15年は世界各地で産駒が大活躍し、Postponed(キングジョージ6世&クイーンエリザベスS-英G1)、Prince Bishop(ドバイワールドC-首G1)、New Bay(仏ダービー-G1)、Arabian Queen(英インターナショナルS-G1)などヨーロッパとドバイで8つのG1を制し、フランスでリーディングサイアーに輝いた。芝・ダート兼用の中距離タイプだろう。

ムーンクエイク(牡 美浦・藤沢和雄 父アドマイヤムーン、母リッチダンサー)
 中山牝馬S(GIII)、愛知杯(GIII)、フラワーC(GIII)と3つの重賞を制しているバウンスシャッセの半弟。ほかにフロアクラフト(13年オークス-GI・5着)、ホーカーテンペスト(12年ニュージーランドT-GII・6着)などがきょうだいにいる。母の父Hallingは10ハロン路線で名を挙げた名中距離馬で、英インターナショナルS、エクリプスSなど英仏で5つのG1を制した。父アドマイヤムーンはSadler's Wellsやその全弟Fairy Kingと相性がよく、このパターンからレオアクティブ、セイクレットレーヴ、ジョヴァンニ、ムーンクレスト、ドーヴァー、レオナルドなどが出ている。芝向きの中距離タイプだろう。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング