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シルクロードSは、今年もド人気薄の激走を期待していいか?

  • 2016年01月28日(木) 12時00分


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シルクロードSの境界線
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ここ5年二桁人気の馬がずっと絡んでいる。

11年 2着アーバニティ   14人気 単58.0
12年 3着ケンブリッジエル 16人気 単263.1
13年 3着メイショウデイム 11人気 単22.5
14年 3着リトルゲルダ   13人気 単143.2
15年 3着セイコーライコウ 12人気 単36.7 

単オッズを見ると、どんなに人気のない馬にもチャンスが潜んでいるような気になる。
単100倍以上の馬もいれば、人気薄の牝馬もいれば、人気薄の高齢馬(8歳)もいる。
っていうか、な〜〜んも考えずに11人気以下の馬をぜんぶ買っておけば間違いない、少なくともこの5年は間違いなかったと思える。

では今年はどうか?
今年もな〜〜〜〜〜〜〜んも考えずに買っていいのか?

な〜〜〜〜んも考えずに買えば当たっていたのなら、な〜〜〜〜〜んも考えずに買えばいい。それだけだ。
な〜〜〜〜んか考えてもロクなことはない。考えた途端にハズれるに決まっている。でもここで触れてしまった以上はもはや「な〜〜んも」考えない状況下にはいられない。

ただ今年はちょっとは考えないといけない気もしている。理由は例年以上に上位人気グループの最終ラインが高い位置にあるように思えるからだ。
それは予想オッズを見てもわかる。

上位人気陣
ビッグアーサー
サトノルパン
ネロ
ダンスディレクター
アースソニック
ローレルベローチェ
アクティブミノル
------------------人気グループの最終ライン
下位人気陣
リトルゲルダ
ワキノブレイブ
ヒルノデイバロー
ニンジャ
セイコーライコウ
セカンドテーブル
ヤマニンプチガトー
シゲルカガ
ヤサカオディール
メイショウツガル

予想7人気のアクティブミノルと予想8人気のリトルゲルダの間に大きな隔たり(自分は境界と呼んでいる)がある。この隙間は実オッズでも生まれそうに思える。

予想ではリトルゲルダは8人気で単勝59倍くらいとなっている。単勝59倍は今後大きく変動しそうだけど、リトルゲルダが上位人気陣に仲間入りするようには思えない。つまり、今年は8人気から単勝が30倍以上つきそうな気配なのだ。

例年だと11人気から買えばよかった人気薄だけど今年は8人気から買う必要もあるわけだ。この差は大きい。11人気から買うのと8人気から買うのとでは大違いだ。

5年前16頭立て (11人気からだと)6頭購入
4年前16頭立て 6頭購入
3年前16頭立て 6頭購入
2年前16頭立て 6頭購入
去年 17頭立て 7頭購入

今年 最大で17頭立て 8人気からだと10頭購入

複勝で見比べると一目瞭然だ。6頭、もしくは7頭購入だと5年で4回プラスになった。ところが10頭購入だと5年で2回しかプラスにならない(5年全体収支で見ればプラスにはなるけど、そういうことでもない)。

5年前 複勝960円
4年前 複勝2110円
3年前 複勝500円
2年前 複勝1240円
去年  複勝780円

つまり今年は、少しは「な〜〜〜んか」考えた方がいいのだ。
な〜〜んかと言っても自分にやれることは絞ることくらいだ。
だから下位人気10頭を半分の5頭に絞ってみる。

穴を開けている馬は前走より重量が軽かった(5頭中4頭が重量減。1頭は据え置きだった)。
穴を開けている馬は前走好走してるか、前走人気があった。
この2つの条件とフィーリングで絞って残った馬は以下の3頭。

セイコーライコウ
ヤマニンプチガトー
ヒルノデイバロー

5頭のつもりが3頭になってしまった。っていうか自分で選んでおきながらなんだけどあまり自信はない。正直、どの馬も足りないような気がしている。

セイコーライコウ 去年の3着馬。前走より1キロ減。
ヤマニンプチガトー この瞬間の勢い。
ヒルノデイバロー もしや!?

うむ、我ながら薄い。薄口だ。でも、足りないような気がするから人気薄なわけで、その足りないような馬から毎年激走馬が出ているのだから、足りないように思うのは正常なはず。と、自分に言い聞かせつつ、この3頭に注目してみる。

そもそも今年も人気薄が絡むのかって話だけど、上位人気馬にも心配ごとはある。
サトノルパンとダンスディレクターは出遅れ、出負け癖がある。
ローレルベローチェとアクティブミノルは逃げたい2頭で、逃げられなかった方は惨敗する可能性もある。場合によっては共倒れだってありえる。
アースソニックは成績は安定しているけれど、勝ちきれてもいない。ここに出走している馬たちに3連敗中だし、前走騎乗したMデムーロが騎乗しないのも気になる。
ネロは重賞が3歳春のファルコンS(8着)以来なのに直近の重賞常連のビッグアーサー、ダンスディレクター、アースソニックらと同じ57キロが気になる。
うむ、今年もスキはありそうだ。

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シルクロードS注目馬
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単30倍以上ついたら買いたい馬
セイコーライコウ
ヤマニンプチガトー
ヒルノデイバロー

&ビッグアーサー

この13年の1人気の成績
4-1-2-6

これを4歳と5歳以上とに分けると、たいそうスッキリする。

4歳1人気
1-1-2-6

5歳以上1人気
3-0-0-0

4歳の1人気は期待を裏切ることが多くて、5歳以上の1人気は期待を裏切らない傾向あり。
つまり5歳馬が1人気だと答えはカンタンで、4歳馬が1人気になるとやっかいというわけだ。

前走オープンを勝って、勢いで1人気になる4歳馬が多い。
高松宮を本気で狙う5歳以上の実績馬がハンデ戦のこのレースから始動することはほぼないから、よりいっそう4歳馬が輝いて見えてしまうのではないか。ロードカナロアのようにほんまもんなら、ここもなんなく勝つのだろうけれど(ロードカナロアは前走重賞1着だった)、思った以上に弾き返されてる4歳馬が多い。4歳で1人気を背負って、重賞を突破するのは思いのほか難しいということだろう。

今年の1人気は5歳のビッグアーサーで間違いないはず。だから楽チンだ。

ビッグアーサー 牡5 Mデムーロ 57キロ
全成績   6-2-1-0
芝1200 6-2-0-0
京都芝1200 1-1-0-0
1200重賞(G3) 0-2-0-0
1400重賞(G2) 0-0-1-0

鞍上Mデムーロでなくても、ふつうに1人気になって、ふつうに勝ち負けできそうな実績だけど、Mデムーロになることで、1人気はより確定的になった。
先週のAJCCは1人気じゃない方のディサイファが勝った。1人気のサトノラーゼンは着外に負けた。今週は1人気じゃない方がむしろ心配だ。

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根岸S注目馬
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アキトクレッセント(出走できると想定して)
アンズチャン

アキトクレッセントはどうしちゃったのだろう?
完全に気持ちがスパークして、走る気をなくしてしまったのだろうか?

ここで1人気になりそうなモーニンは武蔵野S3着馬だ。1着ノンコノユメとは0.3差だった。ノンコノユメはチャンピオンズCでも2着した馬だから、モーニンの価値もそれなりに見出せる。4歳が頼りない根岸Sとはいえ、1人気も納得だ。

アキトクレッセントは3歳春、青龍S(東京ダ16)でノンコノユメの3着した。タイム差は0.3差だった。武蔵野Sと同じ東京ダート1600。ノンコノユメを基準にすれば、モーニンもアキトクレッセントも同じような力と解釈できなくもない。

しかしアキトクレッセントは青龍S以後は3戦惨敗中。
4人気12着
2人気8着
7人気14着

(根岸Sに出走できたとしたら)10人気以下は確実だろう。
となると、もう1回狙いたくなる。そもそも気性の悪い馬で、終わったのではなく、気が向かなかっただけの可能性もある。同じウォーエンブレム産駒のローブティサージュも阪神JFを1着したあと、しばらく走らなくなった。ウォーエンブレム産駒で秋華賞を11人気で勝ったブラックエンブレムも気まぐれな馬だった(だから11人気だったとも言える)。

東京ダ1400はベストの可能性もある。人気が底ならちょっと買ってみたくなる。シゲルカガが出走しないのならば、そしてちゃんとスタートできるのならば、マイペースで逃げられるかもしれない。東京ダ1400は逃げるのが至難かもしれないけれど、常識外の気まぐれ馬ならば、走ってしまう可能性に賭けるのもありだ。

アンズチャンは、ハマるかハマらないか。それだけ。横山の典さんが2年前に騎乗して、3着したシルクフォーチュンみたいに乗るのはほぼ間違いない。いや、典さんだけは決めつけられないけれど、さすがにここは決めつけていいのではないか。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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