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名伯楽らしい渾身の仕上げに期待/京都記念

  • 2016年02月10日(水) 18時00分

■京都記念(G2・京都芝2200m外)フルゲート18頭/登録15頭


【コース総論】京都芝2200m外 Bコース使用

・コースの要所!

★人気薄の「3着率」が非常に高いコース。3連複や3連単はヒモ荒れ狙い。
★内枠有利の傾向。とくに馬番1〜4番は好成績で、勝率差はかなり大きい。
★中団や後方からも差せるが、信頼度が高いのは好位勢。先行勢を重視で。






 14頭〜16頭立てにおける平均配当は、単勝1361円、馬連6611円、3連複2万3387円と、平均値よりもやや高め。人気別成績を見てもわかるように、基本的には人気サイドが強いコースなのだが、ヒモ荒れでの決着が驚くほど多い。素直に人気馬から入って、相手は面白そうな穴馬重視で選ぶ、というのが、もっとも効率が良さそうだ。

 枠番別成績では、内枠の好成績が目立っている。コーナーを4回まわるコース形態でもあり、内外での距離差はかなり大きくなる。それが顕著に出ているのが勝率の差で、馬番1〜8番が8.5%であるのに対して、9〜16番では4.3%と、約半分にまで低下。よって、軸馬もヒモも、内枠重視のスタンスで選択するのが好ましい。

 直線の長い外回りコースなので、差しや追い込みも相応に決まるのだが、もっとも信頼できるのは好位勢。複勝率や複勝回収率で比較しても、ここがいちばん狙いやすい。4コーナー11番手以下から差し切った馬もいるが、勝率や単勝回収率はかなり低め。中団より前の位置が取れるかどうかを、かなり重視すべきである。

【レース総論】京都記念(G2) 過去10年

・レースの要所!

★前走の「格」がレース結果に直結。前走G1組を素直に高く評価すべき。
★6番人気以内[10-10-7-33]と人気馬が強いレース。無理な穴狙いは禁物。
★6歳以下の先行勢が大活躍。後方からの直線一気では、まず届かない。









 単勝884円、馬連1642円、3連複5017円という平均配当からもわかるように、京都記念は順当決着傾向が非常に強いレース。過去10年、7番人気以下で馬券絡みを果たしたのは3頭だけで、2010年以降は全滅である。無理な穴狙いは禁物で、人気馬の組み合わせを「いかに買うか」を考えるべきレースとだといえる。

 次に枠番について。少頭数での開催も混じっているので一概にいえない部分はあるのだが、単純な内外の比較では外のほうが好成績だ。回収率ベースでの比較でも「外>内」で、コースデータとは正反対の結果となってしまった。開催時期による馬場の影響もありそうだが、なかなか判断が難しい。一応は「センターやや外」である、馬番9〜12番あたりをプラス評価の対象としたい。

 脚質は、コースデータよりもさらに前が優勢。4コーナーを先頭で回った馬の半数が馬券絡みを果たし、好位追走組も[6-5-4-39]と好成績を残している。対照的にまったくダメなのが、4コーナーを11番手以下で回った後方待機組。さらに、最速上がり馬の期待値も低めとなると、前重視の姿勢がベターであるのは明らかだ。

 年齢別では、6歳以下馬と7歳以上馬で明暗クッキリ。回収率から考えるに、とくに期待できそうなのが「人気の4歳馬」と「中穴人気の5〜6歳馬」である。また、勝ち馬10頭のうち9頭までが5歳以下馬であったのも、意識しておきたいポイント。連闘〜中3週で出走する馬が不振であるのも、絶対に押さえておくべきである。

 そして最後に、前走クラス別成績。前走で出走していたレースの「格」が、結果に直結しているのがよくわかるデータだ。有馬記念や香港国際競走からのローテがもっとも好成績で、中山金杯組や日経新春杯組など、詰まったローテで出走する馬はおしなべて不振。馬券の中心には、ここが年内初戦である馬を据えたい。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 Bコース継続。能力やペース次第ではかなり差せる馬場コンディション。

・天候予測
 土日ともに雨予報が出ており、馬場の悪化は避けられない情勢。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、ハーツクライ産駒○

 先行勢もそれなりに残っているが、追い込み馬の直線一気も決まるというのが、現在の京都芝コース。基本的には「フラット〜やや差し優勢」の馬場コンディションである。ただし、今週末は土日ともに降雨予報が出ており、これによって一気に「差せない馬場」へとシフトする可能性もアリ。いずれにせよ、土曜日の馬場チェックが欠かせない。

 血統面は、ディープインパクト産駒の「一強」といっても過言ではない。2位以下にトリプルスコアをつける18勝をあげ、勝率や連対率の高さもバツグン。さらに回収率の高さもかなりのものと、内容もじつに優秀だ。それに多少なりとも張り合っているのがハーツクライ産駒で、取りこぼしは多いが、適性の高さは間違いなし。こちらも、積極的に買う価値アリの血統である。

★出走登録馬・総論×各論

 というわけで、基本的にはきわめて堅い重賞である、京都記念。ただし、1番人気が圧倒的に強いのではなく、上位人気がトータルで強いという点に特色がある。昨年も一昨年もさらにその前年も、「1番人気が飛ぶも、残りの上位人気でキッチリ」という決着パターン。三度あることは四度あると考えたい。

 そういった点も加味して考えた結果、トップ評価としたのがワンアンドオンリーだ。ダービー制覇以降のレース結果でかなり評価を落としているが、2走前のジャパンカップが0秒3差で、前走の有馬記念も0秒5差。着順ほどには負けておらず、復調の兆しが感じられる内容である。プロフィルもプラス評価となる項目ばかりで、ここは久々の好走も十分に可能。名伯楽・橋口師による渾身の仕上げを、ここは期待したい。

 二番手にサトノクラウン。久々だった天皇賞(秋)は不甲斐ない結果に終わったが、状態面に不安が残る仕上がりだったのも事実だ。ここは相手関係もかなり楽になり、本来の力が出せておかしくないはず。中団より前の位置から積極的な競馬を仕掛ければ、こちらも久々の勝利をモノにできる可能性アリだ。

 三番手には、トーセンレーヴを推したい。ようやく血統の良さが出てきたのか、ボウマン騎手とよほど手が合ったのか、ギリギリで滑り込んだ有馬記念でも最速上がりで6着に好走。8歳という年齢が大幅割引の対象だが、それでもやれておかしくない気配を感じる。5〜6番人気にでもなってくれれば、なおさら期待度アップだ。

 そして、四番手にタッチングスピーチ。1番人気に推されるであろうレーヴミストラルは、ローテ面での大きな割引材料により、ここは五番手となった。以下は、アドマイヤデウス、ヤマカツエースという評価の序列。評価が伸び悩んだヒストリカルは、「消し」で勝負といきたい。


■総論×各論・先週の馬券回顧




東京11レース 東京新聞杯(G3)
1着 06スマートレイアー
2着 03エキストラエンド
3着 10マイネルアウラート

ハナを切るスマートレイアーに( ゜д゜)ポカーン
で、道中のラップを確認した時点で「あ、これ逃げ切る」と確信しておりました(呆然)。というわけで、不甲斐ない結果に終わってしまったことをお詫びいたします……。浜中ジョッキーの骨折は残念だけど、命に別状がなかったのだけは、本当に良かった。

※コース&血統データは2010年以降、レースデータは2006年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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