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実を取るならこの2頭からの勝負が正解!/中山記念

  • 2016年02月24日(水) 18時00分

■中山記念(G2・中山芝1800m)フルゲート16頭/登録14頭


【コース総論】中山芝1800m Aコース使用

・コースの要所!

★頭で穴を狙うのは難しいコース。
★人気に織り込み済みだが外枠はやはり不利。とくに勝率の低さが目立つ。
★差せるが追い込めないコース。後方に置かれた時点で、かなり期待薄だ。






 16頭立てにおける平均配当は、単勝852円、馬連4592円、3連複1万7149円と低めの水準。それもそのはずで、1着馬のじつに73.5%が3番人気以内と、人気馬の勝率が非常に高いのである。また、2〜3着も人気サイドが順当に強く、順当決着傾向はかなりの強さ。中山芝というと紛れがありそうだが、芝1800mに関しては話が別のようである。

 枠番についても、内枠が圧倒的に有利だと思い込んでいたのだが、馬番1〜4番の連対率は12.5%、複勝率15.4%とイマイチ振るわず、実際はセンター枠番のほうが好成績。ただし、外枠はハッキリと不利であり、こちらは相応の割引が必要である。とくに目立っているのが勝率と連対率の低さ。狙うなら、3着のヒモとしてがオススメだ。

 そして脚質だが、イメージ以上に「追い込めない」コースで、基本的には前有利。中団からの差しはけっこう決まるのだが、4コーナー11番手以下から追い込んだ馬はほとんどおらず、この条件下では全滅に近い。後方に置かれた時点で赤信号であり、馬券の中心に据える馬は、やはり先行勢から選びたいところである。

【レース総論】中山記念(G2) 過去10年

・レースの要所!


★1番人気の信頼度はイマイチも、2〜4番人気が猛烈に強い。人気薄は不振。
★開催時期の影響が大きく、かなり内枠有利。馬番1〜4番はとくに期待大。
★前走G1組、58キロ以上馬など実績馬が圧倒的に強い、「格重視」の一戦。









 2010年には13番人気トーセンクラウンと12番人気テイエムアンコールで決まるなど、思いっきり荒れるケースもある中山記念。とはいえ、平均配当はこれを含めても単勝999円、馬連4033円、3連複1万1326円と低めの水準であり、順当決着となるケースのほうが格段に多い。1番人気はそうアテにできないが、そのかわり2〜4番人気が非常に強いレースであるのを、しっかり意識しておきたい。

 コースデータとはガラッと変わって、枠番は明らかに内枠有利。馬番1〜4番はトータル[6-3-2-29]で勝率15.0%、連対率22.5%と、抜群の成績を残している。対照的にやはり不振なのが外枠で、これは開幕週であるのが大きく影響しているはず。堅く決まる傾向が強いレースだが、「内枠の人気薄」には警戒を怠れない。

 また、脚質についても開幕週の影響が大で、逃げた馬が[2-3-1-4]と大活躍。コースデータと比較すると、こちらのほうが明らかに前残り傾向が強い。中団や後方からでも好走は可能だが、1着候補は逃げ〜先行勢に決め打ったほうがベター。内から先行できるような馬であれば、かなりの高確率で馬券絡みが期待できることだろう。

 そして、かなり重視したいのが斤量である。別定戦であり、しかも今年は57キロ以下馬しか登録していないのだが、それでも「背負っている組」のほうが強いのは間違いなし。イスラボニータ、ドゥラメンテ、ロゴタイプという、3頭のG1ウイナーを重視すべきであるのは明白だ。また、「前走G1組」の強さが目立っているように、ここは「勢い」よりも「格」が問われるレース。そういう理由もあり、連闘〜中2週で出走してくるような馬も、成績はイマイチだ。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 開幕週のAコース。やはり内&前有利という前提で予想したほうがいいか。

・天候予測
 冷えるが降雨は気にする必要なし。良馬場でのスピード勝負となりそう。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、キングカメハメハ産駒○、フジキセキ産駒▲、ローエングリン産駒△

 開幕週のAコースであり、今週末は降雨を気にする必要はなさそうな気配。エアレーションの影響を考慮に入れる必要はあるが、やはりある程度は「前有利」の馬場からスタートすると思われる。しかも、気温が低いので路面は堅め。好タイムが続出するスピード馬場となっても、別に不思議ではない。

 血統面では、ディープインパクト産駒をトップ評価。このデータではキングカメハメハ産駒と互角といった内容だが、馬場改修以降は成績が大幅に良化しており、今年1月の開催でも勝ちまくっていた。あとは、フジキセキ産駒が意外なほど強いのも、このコースの特徴。この4回の馬券絡みは、イスラボニータ以外の「別々の4頭」によるものであり、母数の少ないデータながら信頼度は高めなのだ。

★出走登録馬・総論×各論

 昨年の牡馬二冠馬であるドゥラメンテに、クラシック戦線で常にトップクラスのパフォーマンスを発揮してきたリアルスティール。さらに遅れてきた大物アンビシャスと、イキのいい4歳馬が多数エントリー。それを迎え撃つのが、イスラボニータ、フルーキー、ラストインパクト、ロゴタイプなど。少頭数になったとしても馬券的に面白い、かなりハイレベルな出走メンバーである。

 トップ評価はイスラボニータ。上位人気は間違いないがおそらく1番人気ではなく(netkeiba.comでの予想オッズは3.7倍で3番人気)、「前走マイルG1出走の斤量57キロ馬」であり、さらに先行脚質、フジキセキ産駒と、プラス材料が目白押し。前走のマイルCSにしても、豪快に出遅れてから追い込んでの3着と、負けて強しの内容だった。これで内枠でも引き当ててくれれば、ここは不動の本命。写真で見るかぎり、仕上がりもいいはずである。

 二番手にロゴタイプ。最後に勝ったのが皐月賞と3年近くも勝利から遠ざかっているが、その力に衰えがないのは、近走内容からも明らかだ。昨年もヌーヴォレコルトのクビ差2着に好走しているように、コース適性の高さも光っている。臨戦過程はイスラボニータとまったく同じで、極端な太めでも残らないかぎり、ここも好走可能。データやプロフィル的には、イスラボニータとこの馬の「二強」である。

 少し離れた三番手にドゥラメンテ。能力の高さについては今さら説明するまでもなく、あとは展開次第&デキ次第。大楽勝してもおかしくない器だが、ダービー以来の長期休養明けであり、さすがに万全とはいかないはずだ。人気を考えると今回に関しては「リスク>リターン」だが、それでも評価はこれ以下に落とせない。パドックや返し馬で仕上がりを確認してから、最終ジャッジを下したい。

 そして、四番手にリアルスティール。昨年は無冠に終わったが、こちらも能力がトップクラスであるのは疑う余地なしだ。ドゥラメンテと違って、いたって順調にきているのも強調材料だろう。ただし、騎乗予定の福永ジョッキーが復帰後、いささか精彩を欠いているのは気がかり。また、2〜3着では非常に買いやすいが1着では買いづらいという、詰めの甘いタイプでもある。

 以下は、ラストインパクト、アンビシャス、フルーキー、マイネルラクリマといった評価の序列。あとは枠番とオッズ次第ではあるが、イスラボニータとロゴタイプを1着に固定した馬券で勝負する──というのが、現時点での青写真だ。とくに、この2頭が馬番1〜4番に入った場合には、ドカンと大勝負するのも面白そう。いずれにせよ、今年の主役級による注目の一戦であるのは、間違いない。


■総論×各論・先週の馬券回顧




東京11レース フェブラリーS(G1)
1着 14モーニン
2着 07ノンコノユメ
3着 04アスカノロマン

いやもうマジでアカン(悲嘆)。
荒れそうだと思って手広く買ってみれば、けっこう順当決着でしかもハズレ。じつは、最終的な予想では◎モーニンだったりするのだが、当欄の馬券はあえて、事前評価に忠実な買い目としてみた。アスカノロマンがせめて中枠に入っていればなあ……ぐやじい。

※コース&血統データは2013年以降、レースデータは2006年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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