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NHKマイルCの注目馬とケンタッキーダービー

  • 2016年05月07日(土) 12時00分


減りっぱなしの馬体重が戻れば…

 あちゃーっ、やっちゃいましたね。先週の天皇賞、「こんなタイプは来ない」と言って消した2頭(8歳馬と前走の負担重量が55kgだった馬)が2、3着に来ちゃったのです。まぁ、そんなこともありますよね?(そんなことばっかりだったりして…)。

 さて、今週はNHKマイルC。過去10年で10番人気以下の馬が9頭も3着以内に来ていて、いっぺんに2頭来たことが3回もある“荒れそうなレース”です。

 その9頭のうち6頭が前走7着以下。あとは、橘S1着馬が2頭と、ニュージーランドT3着馬が1頭でした。で、今回は橘S1着馬が不在。つまり、大穴候補は前走7着以下だったシュウジ、ロードクエスト、ペルソナリテ、カネノイロ、ブランボヌールと、ニュージーランドT3着のエクラミレネールの中にいるはずです。

 でも、ロードクエストはソコソコ人気になると思われます。なのでこれを除外すると、残るは5頭だけ。だったら、このところ減りっぱなしの馬体重が戻れば、の条件付きで、ブランボヌールを買ってみるというのはいかがでしょう?重賞勝ちの経験はあるし、阪神JFの3着なら悪くないし、ディープインパクト産駒ってところも魅力的なんですけど…。

 8日の注目レースはこれだけではありません。朝7時34分には第142回ケンタッキーダービーが発走時刻を迎えます。ラニ&武豊騎手はどんな結果を残してくれるでしょうか?

 日本調教馬の挑戦は1995年のスキーキャプテン(14着)以来21年ぶり。出るだけでも素晴らしいことですが、ラニは日本馬初のUAEダービー制覇というビッグタイトルをひっさげて参戦します。

 とはいうものの、同レース(2000年創設)の勝ち馬がケンタッキーダービーに出走した例は過去に7回ありましたが、初代優勝馬チャイナヴィジットの6着が最高着順で、苦戦を続けています。ラニが突き破らなければならない壁はかなり厚いようです。

 一方、ここ10年の優勝馬を見ると、前走がフロリダダービーだった馬が3頭、アーカンソーダービーとサンタアニタダービーだったのが2頭ずつで、この3レースが“王道”と言ってよさそうです。ただし、2年続けて同じ前走からダービー馬が出たという例は、ここ10年では見当たりません(去年のアメリカンファラオはアーカンソーダービー1着)。また、ウッドメモリアルSから優勝したのは00年のフサイチペガサスが最後。ルイジアナダービーを制した馬の優勝は96年のグラインドストーン以来途絶えています。

 これらを考え合わせると、フロリダダービーを勝って7戦全勝のナイキストが1番人気で、サンタアニタダービー優勝馬のイグザジェレイターが2番人気というのは、至って妥当なオッズでしょうね。そんなまともな予想を覆して、武豊騎手がわずか8日間で天皇賞・春+かしわ記念+ケンタッキーダービーを制したら、前代未聞、空前絶後(?)の快挙、ですよ!

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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