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七夕賞はタナベタかベタベタか。

  • 2016年07月07日(木) 12時00分


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いかにもなベタベタで、イカベタ
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「いかにも東大生」のことをイカトウと呼ぶとカズレーザーのお悩み相談室で現役美人東大生が語っていた。

イカトウ。メガネにチェックのシャツを着込んだ東大生のことで、ぜんぜんいい意味で使われてないそうだ。どちらかといえばディス系の表現で、そのせいで大好きなチェックのシャツが着れなくて困っているそうだ。

「いいじゃないか、気にしなくて」と東大から遠く離れたところで、志もないままに遊びほうけていた、いかにもどうしようもない、そして本当にどうしようもない、イカドウの自分は思ったけれど、そういう問題ではないようだった。

ポイントは他校生からそう呼ばれるのではなく、同じ東大生に呼ばれるところか。
きっと東大の中にもオシャレヒエラルキーみたいなのがあって、イカトウは歓迎されない立ち位置を意味しているのだろう。ただのビジュアル表現じゃないかと思ってるようじゃ、敏感な女子大生のこころを掴むことはできないってことだろう。っていうか、東大生はいかにもって言われるのが嫌なのね。東大生に見えない東大生になりたいのね。

それを端で聞いていた美人京大生がいかにも京大生のことをイカキョウと呼ぶと返していた。
イカトウにイカキョウ。
現役東大生、現役京大生が同士諸君から言われたくないことばだそうだ。

思えば、自分も「いかにもギャンブルとか好きそうですね」、「いかにもぜんぜん当たってなさそうですね」、「いかにも部屋が汚そうですね」とずっと言われてきた気がする。いかにもとは直接呼ばれてなくても、いかにもなニュアンスで世間様から言われつづけてきた気がする。大学4年間どころじゃない!もはや人生がいかにもだ。

おっとなんだか急に美人東大生の気持ちがわかってきたぞ。いかにもはんたーい!

そういえば、今週の七夕賞にも、いかにも七夕賞な馬が出走する。

ヤマニンボワラクテ。ボワラクテとはフランス語で天の川のことだそうだ。う〜む…いかにもだ。その日は天の川賞もあるから、注目度はよりスパークしそうだ。

実際、予想オッズでもアルバートドックと並んで1人気だ!(水曜昼ごろ)

福島成績2-1-1-0
ハンデ55

1人気は「天の川」だけが理由ではなく、福島実績や近走の競走実績も加味されてのものだろう。
もし、お星様に人気を引き上げる力があるのならば、オリオンの入ってるオリオンザジャパンももっと人気になっておかしくない。

ヤマニンボワラクテ 予想1人気
オリオンザジャパン 予想15人気

オリオンザジャパンはダート5-6-2-11、芝0-0-0-1。

ダート馬ということで、人気はナイガシロにされているのだろう。つまりヤマニンボワラクテの人気は天の川だけが理由ではないってことだ。とはいえ、「いかにも」が人気を押し上げてもいるはず。

実績+いかにも増し。
これから週末になるにつれて、もっと盛り上がりそうだ。こうなると少々心配だ。ヤマニンボワラクテが心配というより、いかにもで、かつ人気になる馬を自分が買えるかが心配だ。

七夕賞と星と言えば、6年前に出走した、夏の大三角形の1角をなすベガを馬名に持ったサンライズベガを思い出す。そのときは3着だった。1人気だったことを思えば、3着は合格点ではないだろう。むしろ「いかにも」な馬名がいらん人気を呼んでしまったともいえる。

しかしサンライズベガはその後も2回七夕賞に出走し、9人気15着、16人気16着と散々だった。あとから思えば1人気でよくぞ3着に踏ん張ったともいえる。つまり1人気が3着に踏みとどまらせたとも言えるわけだ。みんなの願いがギリギリ通じたとも言えなくもない。

だとすると、いかにもなボワラクテはむしろ人気になった方がいいとも言える。七夕賞は1,2人気のどちらかが馬券圏内に来やすいレースだ。人気を背負うことが必ずしも悪いわけではない。

さて、どうしよう。いかにもでベタベタ、イカベタの馬を自分は中心に据えられるか。
こういうときは話をそらすにかぎる。

ナイガシロにされかけているオリオンザジャパンへ逃げ込もう。

オリオンザジャパンは2走前のメイSが初芝で、後方を追走し、最後の直線を上がり1位で伸びて、8着した。
1着のロジチャリスとは0.5差だった。

このレースは先行した馬達で決まったレースで、後方にいた馬はのきなみ速い上がりを使っていたけれど、それでも上がり2位に0.2差つけての上がり1位は立派だ。

ああ〜なんか思い出してきたぞ。
初芝での走りを見て、馬に走る気満載とみて、次走(前走)のアハルテケSでオリオンザジャパンの複勝を狙ったのだった。けど残念ながら、4着に惜敗してしまったのだった。8人気で4着なら合格点かもしれないけれど、あそこまで走ったのなら3着して欲しいとのたうち回ったのを今思い出した。

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芝2回目のここで、前走の借りを返してとオリオン座に願うのはありか?
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ところで七夕賞の逆メインはこの10年、ずっとプロキオンSだったりする。プロキオンといえば、冬の大三角形の1角の星だ。夏の七夕の逆メインに冬の星がある。JRAがどこまで狙って、こういう番組にしてるかは不明だけれど、夏の逆は冬だし、七夕の反対を冬と想定するのはありだ。自分は嫌いではない。

ちなみに冬の大三角形は、シリウス、プロキオン、ベテルギウスで、ベテルギウスはオリオン座の星だったりする。

で、思うわけだ。
七夕賞なのに冬の星座のオリオン座に激走をお願いしてもいいのだろうか?

いい。いいに決まってる。本当はプロキオンSに出ることがオリオンザジャパンの「いかにも」だったはずなのに、距離1400を嫌ってか、そちらには出走しない。アハルテケSで2着、3着した馬が登録しているのにもかかわらずにだ。ならば函館のダート1700のマリーンSに出走すればいいのにそちらにも出走しない。アハルテケSで2着、7着した馬が登録しているのにもかかわらずにだ。

オリオンザジャパンには七夕賞に出たい理由があるのだ。きっとそうだ。

去勢後の5戦を見ていると、ずっと馬に走る気があるように思える。ずっと状態がいいように思える。だから芝2回目でもっとやれるのでは?という選択肢が生まれたのではないか。きっとそうだ。そうに違いない。

オリオンザジャパンはスタートが下手だから、どうしても後方競馬になりがちだ。でもまともにスタートしたときは中団競馬もできている。今回も出遅れ、出負けは心配だけれど、15人気ならば、そのリスクと引き換えられる。

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七夕賞・注目馬
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オリオンザジャパン 内田博
バーディーイーグル 吉田豊
(クリールカイザー  タナベ)

オリオンザジャパンもバーディーイーグルも長らくダート戦線を歩んできた6歳馬。
バーディーイーグルは3走前に初芝体験し4着だった。そこから芝を走って、3着、1着。2戦目で3着したときの1着馬は、メイSでは4着だったレアリスタだった。戦ったときの重量その他を加味すると、バーディーイーグルとオリオンザジャパンは、ほぼ互角ととれなくもない。

ならば、より人気のないオリオンザジャパンに期待したくなるけど、予想8人気ならば、バーディーイーグルだって悪くない。

ならばどっちにも期待してしまえ。
というわけで、今年の七夕賞は、6歳になって初芝デビューをはたした2頭の馬に期待してみることにした。

七夕賞は「タナベタ賞かよ!」と言いたいがためにタナベに注目している。
3年前に14人気のタガノエルシコを3着に持ってきて、2年前に5人気のメイショウナルトで逃げ切ったのがタナベだった。タナベは得意な重賞でリピートする傾向が強い騎手でもあるから、しばらく注目しつづけようと思ったのだった。

去年は11着に負けてしまったけれど、タナベは勝つ時は鮮やかだけど、負けるときも鮮やかだから気にする必要はない。クリールカイザーの人気は予想13人気。おいしそうな人気だ。
だからタナベは別会計で注目しておく。

七夕賞はタナベタか、いかにもでベタベタのイカベタかで迷うかと思ったけれど、結局、裏ベタの冬ベタで落ち着いた感じだ(もはやベタベタしすぎて自分でも何がほんまもんのベタかわからなくった!)。

毎年、都合よく星に願っているけれど、今年はオリオンザジャパンが出遅れないことを願ってみる。

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プロキオンS・注目馬
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ダノングッド

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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