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外枠の若い牝馬を1着固定で狙うべし/アイビスSD

  • 2016年07月27日(水) 18時00分

■アイビスサマーダッシュ(G3・新潟芝1000m直)フルゲート18頭/登録18頭


【コース総論】新潟芝1000m直 Aコース使用

・コースの要所!

★上位人気の信頼度は「標準」で、7〜9番人気など中穴の好走が目立つ。
★やはり外枠有利。平均人気もダントツで高いが結果がともなっている。
★基本的には前有利も最速上がり馬が連対率60.0%。末脚も重視すべき。






 新潟の「名物コース」である、芝1000mの直線コース。けっこう波乱傾向が強いというイメージで、実際に18頭立てにおける平均配当も、単勝1089円、馬連9135円、3連複2万7885円とやや高めである。人気サイドの信頼度は「それなり」であり、4〜6番人気や7〜9番人気の中穴を狙ったほうが、好結果を呼び込めそう。極端な人気薄でないかぎり、どこからでも入れるコースである。

 競馬ファンなら誰でも知っているレベルで「外枠有利」なコース。知れ渡ったことで配当的な妙味はかなり落ちたが、それでも信頼度の高さは相変わらずで、しっかり人気に応えているのは好印象である。ただし、今週に関しては開幕週であるため、外枠の利はやや落ちると考えるべき。過度に外枠を意識して自縄自縛となる可能性もあり、他の買い材料を持つ馬であれば、内〜中に入った馬でも押さえるのがベターだ。

 脚質については、基本的には先行優勢。そもそも距離が1000mしかないわけで、先行策からの押し切りがもっとも信頼度が高くなって当然である。ただし、通常のスプリント戦と大きく異なるのが、「最速上がり馬が非常に強い」という点。勝率38.5%、連対率60.0%という数値を見てもわかるように、瞬発力の要求度も高いコースなのだ。さすがに後方からでは届かないが、中団から速い上がりを使えそうな馬は、要チェックである。

【レース総論】アイビスサマーダッシュ(G3) 過去10年

・レースの要所!

★コースデータよりは順当決着傾向で、ふたケタ人気馬は総じて低調。
★牝馬が[7-3-5-50]と猛烈な強さ。若い牝馬がもっとも信頼度が高い。
★開幕週の影響でラチまでが遠い「中枠」が大不振。人気馬でも割引。
★休養明けは大幅なマイナス材料。中3〜8週で出走の馬がプラス評価。









 ここ5年のうち4年で1番人気が勝利と、コースデータよりも順当に決着する傾向が強い、アイビスSD。2007年には芝替わりのサンアディユが13番人気で1着に激走しているが、これはかなりのレアケースで、ふたケタ人気馬はトータル[1-1-2-71]とかなり苦戦している。人気薄ならば7〜9番人気あたりを狙ったほうが効率はいいはずで、ホームランを狙ってブンブン振り回すのには向かないレースである。

 何よりも目立っているのが、トータル[7-3-5-50]という牝馬の好成績だ。牝馬が1頭も馬券に絡まなかったケースは過去10年で一度もなく、勝率の高さは牡馬の3倍以上。牡馬がダメというわけではないが、牝馬を重視したほうがいいのは間違いない。5歳以下の牝馬であれば、連対率21.4%、複勝率33.3%と信頼度はさらにアップ。「夏は牝馬を買え」という格言を象徴するレースといっても過言ではない。

 枠番はやはり外枠有利。とくに差が大きいのが回収率と枠番値で、平均人気8.3に対して平均着順6.8という、素晴らしい結果を残している。対照的に不振なのが、中枠である馬番7〜12番で、これはおそらく「内と外のラチまでが遠い」のが要因。馬場コンディションに差がない開幕週だと、コレが余計に大きく響いてくるのだろう。脚質が先行有利であるのは、コースデータと同じである。

 注目したいのが年齢別成績で、4歳馬が[4-2-1-10]で連対率35.3%、複勝率41.2%と絶好調。総じて5歳以下の「若い馬」のほうが好成績であり、6歳以上馬との比較では明暗クッキリだ。あとは、好走した牡馬のほとんどが斤量56キロであるのも、一応は押さえておきたいデータ。ちなみに、斤量データからもっとも高く評価できるのは、55キロを背負う牝馬であるベルカントだ。

 そして最後に、ローテについて。結論からいえば、中8週までの間隔で出走する馬を重視すべきで、それ以上に長い間隔で出走する馬は、総じて低調な成績に終わっている。プリンセスムーン、ネロ、ローズミラクルなど韋駄天Sから中9週で出走する馬が人気を集めそうだが、データ的には「消し」のパターンなのである。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 開幕週のAコースだが、それでも外枠有利なのがこのコース。

・天候予測
 週末まで好天が続く見通しで、パンパンの良馬場となる可能性が大。

・注目血統
 ヨハネスブルグ産駒◎、アドマイヤムーン産駒○、クロフネ産駒▲、キングヘイロー産駒△

 今週の新潟は週末まで好天が続く見込みで、降雨があったとしてもごく少量。ビッシリと芝が生えそろった絶好のコンディションで、究極レベルのスピード勝負となりそうだ。それでも外が強いのがこのコースだが、土曜日のレース結果次第では、内枠の馬が狙い目になってくるかも。いずれにせよ、土曜日の閃光特別は要チェックだ。

 血統面では、ヨハネスブルグ産駒が絶好調。勝ち気な気性がよほどコースにマッチするのか、連対率44.0%という強烈な成績を残している。回収率も単複ともに100%オーバーと、その適性の高さを疑う余地なし。逆に不振なのがダイワメジャー産駒やメイショウボーラー産駒で、いかにも向きそうなイメージだけに、取り扱いには注意が必要だ。

★出走登録馬・総論×各論

 特殊なコース形態であるため、いわゆる「コース巧者」が活躍するケースが多い、新潟の芝1000m直。それもあってか、5月の韋駄天Sで好走しているプリンセスムーン、ネロ、ローズミラクルの3頭は、上位人気に推されそうだ。それ以外では、昨年の覇者であるベルカントや、昨年の3着馬アースソニック、新潟初参戦も能力的に侮れないアットウィルなど、今年もなかなか面白いメンバーが揃った。

 しかし、中8週よりも長い間隔で出走する馬が大幅マイナスであるのは、すでに解説した通り。コース適性の高さや実績を重視するならネロとプリンセスムーンは外せないが、枠番によってはケンカを売ってみるのも面白いのではないか──というのが、現時点での見立てである。

 というわけで、トップ評価はCBC賞からのローテで出走するベルカント。昨年の勝ち馬であり、一線級を相手に戦ってきた実績などの面からも、ここは好勝負になるはずだ。斤量55キロを背負う5歳牝馬が中3週での出走と、このレースの好走条件は見事にクリア。海外遠征帰りだった前走を叩かれて、デキもグンと上向いてくるはずだ。

 二番手評価にハッシュ。準オープンの身で果敢に格上挑戦してくるのも、陣営に勝算があってのことだ。2走前に1000万下の邁進特別を制しているように、こちらもコース適性は何の不安もナシ。好走条件もベルカントと同様にオールクリアであり、外枠でも引いてくれるとさらに面白い。人気薄で狙いたいのは、断然この馬だ。

 三番手評価にアットウィルで、四番手評価にアースソニック。年齢というファクターで少し割り引く部分があるが、その分は血統面でのプラス材料でカバー。ここで通用するだけのスピードを有しているのも、過去のレース実績から明らかである。適度に人気がないのもプラス材料で、あとは枠番次第で十分に上位を争えるはずである。

 ここまでの4頭が上位評価組で、以下は割愛。というのも、枠番による影響がハンパではないレースであるため、現段階での評価にあまり意味がないと思われるからだ。あえて挙げるなら、プリンセスムーン、ネロ、マイネルエテルネル、ローズミラクルの4頭が、この「押さえ」評価組。この布陣で、チョイ荒れ決着を狙い撃ちたい。


■総論×各論・先週の馬券回顧





中京11レース 中京記念(G3)
1着 13ガリバルディ
2着 07ピークトラム
3着 12ケントオー

正直、自信はなかった(#^ω^)スンマセン
ただ、枠番と直前の人気、血統あたりのファクターを重視すれば、獲れない馬券じゃないんだよねえコレ。4〜6番人気が2頭も馬券に絡んで、馬番1〜6番は1頭も馬券に絡んでないワケで。事前予想の難しさを痛感する結果でございました(胃痛)。

※コースデータと血統データは2012年、レースデータは2006年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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