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アイビスのギュン!クイーンSのサンドウィッチ、もしくはピッツァ

  • 2016年07月28日(木) 12時00分


中京記念はガリバルディが1着した。1着1着1着→5着5着5着の臨戦に釘付けになっていたから1着という結果にはとても満足だけれど、面白かったのはガリバルディのオッズの動きが「あるある系」だったことだ。

夏の重賞はオバケ屋敷と見立てて、オバケが潜んでいそうな場所を探して狙い撃ちするのが趣味だから、中京記念でもオバケポイントには注目していた(去年のコラムでいっぱい紹介)。ちなみに中京記念のオバケポイントは単10.0倍のすぐ上とすぐ下にいる馬。自分は単1.0〜10.0未満を赤の層、単10.0〜20.0未満を青の層と見立てているから、単10.0前後は赤と青が交わる、紫の層と解釈し、そこにやって来る馬を凝視していた。

前日最終オッズ
4人気 ピークトラム 単8.4
5人気 ダノンリバティ単10.5
6人気 ケントオー  単11.8
7人気 ガリバルディ 単14.4

単10.0のすぐ上とすぐ下の紫の場所には、ピークトラムとダノンリバティがいた。
ガリバルディは単14.4でちょっと離れていた。

しかし、当日、ガリバルディは票を伸ばし、グングン紫へ近づいていった。
そして最終的には紫のゾーンに入厩してしまった。

紫の層・最終確定
6人気 ピークトラム 単8.9
7人気 ガリバルディ 単11.7

ガリバルディの人気は前日最終の7人気と変わっていない。けれど、票を伸ばして、中京記念のパワースポット(オバケポイント)に自ら飛び込んだのだった。

あるある〜。

そう、夏の重賞でよく見かけるオバケあるあるだ。走る馬はオバケポイントに自分から近づいて行く。

にしても、紫の2頭でワンツーだなんて、例年以上に素敵すぎるし、1人気・2人気・3人気が全滅だなんて、例年どおりとはいえ相変わらずすぎる。今年はルメールが1人気になるから、1人気にも注目したけど、こっちは散々だった。

では、アイビスサマーダッシュではどうか?中京記念同様に強い妖気は漂うか?っていうか漂うポイントはあるのか?

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アイビスの妖気
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アイビスサマーダッシュにも妖気の漂う場所はある。

「5人気に近い単8倍台」(8倍台がいなければ7倍台を見る)

中京記念が単10.0倍の境界線の攻防だとしたら、アイビスサマーダッシュは5人気と単8倍台のつばぜり合いとも言える。

以下は、過去のつばぜり合いだ。

15年
4人気 7.7 3着 ほら!
5人気 9.8
(8倍台がいない場合は7倍台を見て、5人気に近い方を選択)

14年
5人気 8.0 2着 ほら!
6人気 8.5

13年
2人気 8.0
3人気 8.6 2着 ほら!
(5人気に近いのは3人気の方)

12年
4人気 7.8 3着
5人気 7.9 2着 ほら!
6人気 9.5

11年
4人気 8.4
5人気 8.7 2着 ホラ!

10年
3人気 8.5 2着 ホラー!
(8倍台が1頭しかいなかった)

ただいま、6年連続でホラー中。
去年、ここで紹介して、それでもオバケはいた。こういうのは良いし、途切れるまでは注目し続けたい。

しかもこのホラーのいいところは、8.0倍に2頭並ばないかぎり該当馬は1頭ということだ。夏競馬のオッズは落ち着きがないから、締切直前までゆらめいているけれど、それでも該当する馬が1頭というのは楽だ。今年もそこに注目してみたい。

ちなみに予想オッズでは……………

おっと!
おっととっと!

1人気 ベルカント    2.4
2人気 ネロ       3.0
3人気 プリンセスムーン 4.3
4人気 アットウィル   11.0
5人気 アースソニック  13.3
6人気 ハッシュ     18.9

予想からでは見えない。見えてこない!
8倍台も7倍台もいないからだ。

実オッズでは毎年8倍台、7倍台の馬はいるから、そこはお楽しみとしてとっておけばいいけれど、もし、実オッズでも同じような感じで7倍台、8倍台に馬がいなかったら…………ひぃ〜こわい〜〜!

例年と違うということは例年と違う結果が出る可能性もあるということだ。現在3連勝中の1人気が今年は馬券圏外に散るなんてことも……ないとは言えない。

前走のCBC賞を55.5キロで0.1差3着した去年の覇者ベルカントが今年もMデムーロ騎乗で、55キロで出走する。1着はともかく、馬券圏外に敗れるとは想像できない。ベルカントは5歳だけれど、今年は3歳、4歳でイキのよさそうな馬がいない(3歳は登録1頭。コパノリスボン・前走平場の500万1着。4歳は2頭で、サンクタリリアスもメランコリアも1000万条件の馬)。

やばい。考えれば考えるほどベルカントが圏外に散る想像が難しくなってきた。こういうときはエスケープだ。1人気の存在を忘れられるような遠くへ逃避行だ。

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アイビスサマーダッシュ・注目馬
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■5人気に近い単8倍台の馬が現れることを待つ。
予想ではアットウィルかアースソニックが遠いけれど、この中では一番近いところにいる。この2頭にかぎったことではないけれど、仮にこの馬たちが好走すべき馬ならば、自分からそこへ飛び込むはず。飛び込む馬は現れるかな?

■サトノデプロマット

予想では12人気。人気なし。
でも久々に善さんが乗る。
去年の4月、船橋Sで1着した以来の騎乗だ。でもそこで善さんはこの馬の速さをギュン!と表現していた。

「能力あるね。折り合いがついたら、すごいよ! 最後、ギュンと沈んだから」

ギュンが気に入って、去年の函館SSの週のここでサトノデプロマットについて書いたけれど、レースでは10着に惨敗してしまった。

折り合いがつかなかったのだろう。
その後も陰ながら注視していたけれど、ずっと折り合いがつかなかったようだ。

10着・9着・12着・8着・10着・11着。
惨敗つづきだ。っていうか、馬から走る気も感じられないような負けっぷりだ。しかし、前走は(といっても4月)久しぶりに好感度アップな走りで5着した。

で、アイビスサマーダッシュに出走。初めての直線1000M。久しぶりの善さん。
なんだか気になる。

船橋Sで2着に負かしたネロはアイビスサマーダッシュでは予想2人気、5着に負かしたアットウィルは予想4人気の評価を受けている。ライバルたちはその後もちゃんと走って、ちゃんと評価を上げている。

そもそも池江厩舎にいて、クラシック戦線を歩もうとしていた馬だ。サトノの馬で、池江厩舎に入厩したのだから、能力の片鱗は見せていたはずだし、期待もされていたはず。でも、うまくゆかずに地方へ行き、そこで3勝をあげ、中央の高橋亮厩舎で再スタート。そして、ギュン!

潜在能力はあるはず。それをここで見せてもらえないか?

ところで、この10年のアイビスサマーダッシュで、3回馬券になっているのは善さんしかいない。しかもみんな例外のおまけつきだ。

10年 マルブツイースター 2枠3番 16人気3着
11年 アポロフェニックス 7枠13番 11人気3着
14年 セイコーライコウ  2枠2番 1人気1着

7歳で馬券になったのはセイコーライコウだけだ。例外!
16人気で馬券になったのもマルブツイースターだけだ。例外!
2枠で2回馬券になっている。まあまあ例外!

アイビスサマーダッシュで例外を期待するのなら善さんが一番だ。

この馬が使命とばかりに5人気に近い単8倍台へと引き寄せられたらブラボーだけど、残念ながらそれは無理だし、伏兵人気にもなって欲しくない。12番人気くらいで、3着してもらえれば上々。そんな馬券を買ってみたいな。

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クイーンSはサンドウィッチか、ピッツァか。
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クイーンSは1人気か2人気を軸にすればだいたい当たるけど、1人気がらみのときは人気馬で伏兵馬を挟むサンドウィッチか、1人気馬の上に伏兵の具を置くピッツァな決着が多い。

サンドウィッチ決着
11年 
1人気-10人気-3人気
12年
1人気-10人気-4人気
13年
1人気-8人気-3人気
14年
2人気-6人気-1人気

ピッツァ決着
09年
11人気-1人気
15年
7人気-1人気

サンドウィッチなら3連単のフォーメーション、ピッツァなら馬単がおいしそうだ。

今年の1人気はどうみても3歳のチェッキーノ。
この馬でしょうがないのならば、馬券はサンドウィッチかピッツァで考えたい。

チェッキーノはイタリア語(射撃の達人)だから、ここはピッツァを採用したいけれど、フローラS1着、オークス2着で52キロで出走するチェッキーノに先着できる伏兵馬はいるのかな?(伏兵じゃないとおいしくない)

ではサンドウィッチではどうか。
何を挟もう。
にんじんを挟むのはありだけど、キャロットの馬はシャルールもリラヴァティも人気で、むしろチェッキーノとともに具を挟むパン側の馬だ。

ない知恵を絞って、思いついたのは「アン(餡)」だ。ナムラアン。ってそういうことではない。過去挟まれてきた伏兵の馬たちも特においしそうな馬名ではなかった。

今年のクイーンSはチェッキーノの上になんかを置くか、チェッキーノと別の人気馬でなんかを挟むか、そのどちらかにしようと思っているけれど、ここから先に進めない。

テルメディカラカラ
マイネグレヴィル

このあたりを挟むとおいしいかな?もう少し考えよう。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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