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デラ宏は涼しげに勝ち負けするか。モレイラは戦場に火をつけるか。

  • 2016年08月11日(木) 12時00分


今年も北村宏はいない。
関屋記念は、な〜んも考えずにレッツゴー・キタムラでゴーゴーレッツゴーしてればよかったからとても楽チンだったのに、去年に引き続き今年もいない。残念だ。
(去年は騎乗馬がいなくて、今年は治療中でいない)

以下はゴーゴーレッツゴー期の北村宏の成績
10年 レッツゴーキリシマ 6人気1着 1-1-1
11年 サトノフローラ 3人気3着 9-8-8
12年 エーシンリターンズ 5人気2着 2-3-3
13年 レッドスパーダ 4人気1着 1-2-2
14年 サトノギャラント 6人気3着 15-15-14

逃げあり、先行あり、差しあり、追い込みあり。馬もぜんぶ違う!それで5年連続で馬券圏内。
関屋記念は俺のもんだと言わんばかりの成績だ。

では今年はどうするか?

北村宏っぽい騎手を探せばいい。簡単だ。

北村宏は関屋記念では、逃げから追い込みまで自由自在に騎乗しているけれど、基本イメージは主に先行で、ときどき差しのイメージだ。逃げるにせよ、差すにせよ無駄のない騎乗をしているように感じる。だからそういう騎手を探せばいいのだ。

競馬王編集部に聞いたら「ミニ岡部」という返答があった。
岡部とはもちろん馬優先主義の代名詞でもあった岡部幸雄・元騎手のことだ。そつなく先行し、無理なく抜け出して、きっちり勝つ。合理的に騎乗していたイメージがある。
北村宏は岡部と結びつきの強かった藤沢和厩舎所属の騎手だったし、「ミニ岡部」には共感できる。

とはいえ、今、岡部はいない。
だからここから先はさらにイマジネーションを膨らませるしかない。

いま、岡部みたいに騎乗する騎手って誰だろう?
思い当たるのはルメールか。
ルメールも無駄な動きをしないイメージが強い。フランス仕込みで合理的に騎乗しているように思える。

逃げを打つ技術を持つけど、逃げより先行の方が多い。レース全体での連対脚質は「差し」が一番多いけれど、重賞での連対脚質は「真ん中より前」が多い。無駄なく折り合い、無駄なく追って、1着か2着か3着か4着か5着する。

今年の重賞成績を見てもそんな感じだ。
5-8-5-22
勝率.125
連対率.325
複勝率.450

なかなかの成績だ。岡部も似たような成績だったような気がする。少なくとも全盛期はきっとそうだ。そうに違いない!(ここはあえて、記憶の中の伝説で比較してみる!)

そういえば藤沢和厩舎はときどきまとめてルメールに騎乗依頼する。先週も2頭依頼して、1-0-0-1だった。6月にも4頭依頼して、1-0-1-2だった。馬優先主義の藤沢和師が依頼するんだから、やっぱそこには岡部っぽい何かを感じているからではないか。Mデムーロにも騎乗依頼するけれど、まとめての依頼はルメールの方が多い(気がする)。

ムズカシイ馬をムズカシイねぇ〜と言って、闘魂騎乗するMデムーロ。
ムズカシイ馬を涼しい顔して操縦するルメール。
そういえば、岡部も難しい馬に涼しげに騎乗していた気がする。

涼だ。涼しげな騎乗ぶりに似た何かを感じたんだ。
多少雑ではあるけれど、ルメールと岡部は似てるということでいいんじゃないか。

つまり、岡部=ルメールならば、ミニ岡部=ミニ・ルメールになる。北村宏がミニ岡部ならば、北村宏はミニ・ルメールともいえる。逆に言えば、ルメールはデラ宏だ。

北村宏がいないのならば、デラ宏を狙えばいい。そういうことだ。

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関屋記念は1、2人気のチョイスを間違えなければ、簡単だ。
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関屋記念は1人気か2人気のどちらかが連対しやすい。現在9年連続でどちらかが連対している。
連対相手も6人気まででいい。だから軸のチョイスを間違えなければ、だいたい当たりだ。

予想
1人気 ヤングマンパワー
2人気 マジックタイム
3人気 ピークトラム
4人気 ロサギガンティア
5人気 ケントオー
6人気 ラングレー

ヤングマンパワーかマジックタイムを選び、6人気まで流す。
1、2人気決着はほとんどないし、その馬券はいらないと思えれば、相手は3人気〜6人気ですむ。4点だ。

では、1人気と2人気、どちらを選べばいいのか?
仮に想定どおりだとしたら、ヤングマンパワーかマジックタイムだけど、今年は簡単だ。デラ宏がマジックタイムに騎乗するからだ。

ちなみにデラ宏は新潟で騎乗したことはない。マジックタイムで参戦したら、初参戦だ。新潟=Mデムーロ、札幌=ルメールという基本スタンスがある夏競馬だけど、それを崩して参戦するのだから、ふつうに考えたら勝算あってのことだろう。っていうか初参戦でむしろよかった。

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関屋記念・注目馬
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マジックタイム
ルメールは新潟でも涼しい顔して、勝ち負けするか?
テーマをそこに置いてみたから、馬はなんでもいい。なんでもいいは言い過ぎだな。ただルメールに騎乗依頼するのだから、どんな馬でもそれなりの馬という見立てだ。
しかも新潟を主戦場としてないルメールに騎乗依頼するのだから、頼む方だって、それなりのデキの馬を頼むはず。

3着のヒモに期待
クラリティスカイ 田辺だから
マジェスティハーツ キタムラだから
ストーミーシー  出走するかな?

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エルムS・注目馬
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エルムSは不思議なレースだ。
人気馬(1〜3人気)がきっちり勝つけれど、単勝30.0〜45.0くらいの馬も3着で頑張る。

この10年で単30.0〜45.0の馬がいた年は7回あった。そのうちの6回で馬券になって、5回で3着した(もう1回は2着)。このことは去年もここで書いたけど、該当馬のエーシンモアオバー(35.3)がちゃんと3着した。面白かったのは、エーシンモアオバーの単オッズが夏競馬特有の乱気流に巻き込まれ、単20倍にまでなったりしたことだ。

しかし、来る馬は、馬の方から勝手に好走オッズへと飛び込んでくる。エーシンモアオバーも激しく乱高下しながらも、結局エルムSの3着好走オッズのポイントにやって来た(夏競馬のオバケポイントについては絶賛発売中の競馬王9月号にて。ちなみに先週小倉記念で2着したベルーフもオバケポイントにいた。自分はしくじったけど、それは毎度のことだ)。

今年はどうだろう。
予想オッズではナムラビクターだけど、個人的にはその下にいるナリタスーパーワンとかヒラボクプリンスらが、そこにいたらいいなぁと思っている。

モンドクラッセ
ロワジャルダン
クリノスターオー
ジェベルムーサ
ショウナンアポロン

このメンツに割って入る想像はしにくいけれど、ダート重賞は激突感があるから、上位人気だけで馬券圏内を独占することも少ない。5人気までの馬で馬券圏内を独占したことは、この10年で3回しかない。上位陣が激突して、1角崩れるときのサインが単30.0〜45.0ではないかと勝手に推測している。

今週から香港のモレイラがやって来る。去年の夏、札幌で2日だけ参戦して、7-4-1-8と大活躍した香港ナンバー1ジョッキーのモレイラが来る。このモレイラの存在が激突感を生むのではないかと期待している。

モレイラの今週の騎乗予定馬(特別レース)も至れり尽くせりだ。

エルムS ロワジャルダン 戸田厩舎
大雪HC  ゴールデンバローズ 堀厩舎
HTB賞 レインオーバー 堀厩舎
知床特別 サトノメサイア 堀厩舎
STV賞 スターオブペルシャ 藤沢和

平場も合わせたら、今年も強力なラインナップになるのではないか?

いくら世界的名手とはいえ、2日で7勝、勝率.350、連対率.550は出来過ぎだし、他のジョッキーだって黙っちゃいられないはず。っていうか、エルムSで火がつかないなんて思いたくない。

ロワジャルダンはG1掲示板好走実績のある馬だけど、直近の成績からは1人気になりそうにない。しかしモレイラ人気で1人気になってもぜんぜん驚けない、そんな馬だ。他のジョッキーを活性化させるのにちょーどいい馬に思える。

ロワジャルダンが重賞で1人気を背負って、しかも激突感のあるレースで、勝ち負けできる馬とは思えない。いくらモレイラでも難しいのではないか?

上位陣が激突して、疲れたところに激突に加わらない(加われない?)オバケポイント(単30.0〜45.0)の馬がふつうに走って、3着する。そんな展開を期待してみる。オバケポイントにいない場合はあきらめる。

ナリタスーパーワンやヒラボクプリンスがそこにいたらいいな。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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