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新潟2歳の総攻撃〜マイネルは使い分けない

  • 2016年08月25日(木) 12時00分


新潟2歳S 今年はどこを歓迎すべきか。

新潟2歳Sは歓迎の儀と称して、いくつかの項目をピップアップして、馬を絞り込んでいる。
#1 出遅れを歓迎せよ。
#2 1人気、最低人気を歓迎せよ。
#3 前走(新馬)人気薄で1着して、今走さらに人気薄の馬を歓迎せよ。
#4 関西馬を1頭は歓迎せよ。※そこにスポット参戦の名手系がいたら概ね歓迎せよ。
+スペシャリテ・前走7月14日(前後)の馬を歓迎せよ。
+参考・マイネル・コスモ・ウイン、もしくはマイネル・コスモ・ウインっぽい騎手を歓迎せよ。

今年は、#1を頭に入れつつ、「+」のマイネル系の馬を歓迎できないかなと思っている。
(歓迎の儀については2年前の当週コラムでお願いします)

------------------はじめに・出遅れの儀------------------
去年も、出負けしたロードクエストが1着した。マコトルーメンも出負けして3着した。
ロードクエストは1人気だったから1着は当然かもしれないけれど、3着したマコトルーメンは8人気だった。

ロードクエスト 18-18-17 1着 上がり1位
マコトルーメン 16-17-17 3着 上がり2位

本当に新潟2歳Sは出遅れ、出負け馬にやさしい。このコラムでは、それを「歓迎の儀」の1つとして、毎年書いているけれど、途絶えたことがない。この10年で、出遅れ(出負け・最後方競馬含む)しなかった馬だけで馬券圏内を占めたことは1回だけだ。それくらい毎年のように出遅れ・出負け馬が絡んでいる。出遅れ、出負けした馬がすべて最後方競馬をするわけではないけれど、また最後方の競馬をする馬がすべて走るわけではないけれど、最後方からの競馬でも届くのがこのレースなのは間違いない。中団で揉まれるよりは、後方でも揉まれない方がマシなのかもしれない。キャリアの浅い2歳戦と直線の長い新潟外回りと1600という距離が、それを許してくれているのではないか。

現在、1人気は3年連続で出負けして、1着(ハープスター)、2着(アヴニールマルシェ)、1着(ロードクエスト)。
この10年でみても、1人気は出遅れ・出負けしながらも馬券になっている。

1人気成績
4-2-1-3
1人気が出遅れ・出負けしたときの成績
3-1-0-0

1人気についてはむしろ出遅れ・出負けの方が成績がいいくらいだ。

今年1人気になりそうな馬
イブキ 前走 2-4-4-3 1着 上がり2位
モーヴサファイア 前走 3-4-4 1着 上がり1位

この2頭はちゃんとスタートして、ちゃんと勝っている。

イブキは父ルーラーシップで、前走は鞍上Mデムーロで1着した。1人気フュージョンロックを叩き合いでねじ伏せ、2人気レジェンドセラーの追撃を凌いだレースぶりから、ここでも人気を集めそうなことは理解できる。上がりもちゃんと使えているので、出遅れても安心だ。
鞍上は田辺。去年1人気で出負けしても、慌てず騒がず、直線を内からぶっこ抜いた田辺なら、安心だろう。Mデムーロ→田辺は去年のロードクエストと同じパターンだ。

モーヴサファイアはモーリスと同じ馬主・吉田和美氏で、生産者ノーザンF。これだけで人気を背負うのはわかるが、前走の鞍上は今回と同じ石橋脩で、ルメールやMデムーロではなかった。しかし、ちゃんと1人気になって、正攻法の競馬で1着した。上がりもちゃんと使えていたので、これまた出遅れ・出負けしても、安心できそうだ。

しかもモーヴサファイアは、新馬を勝ったら、新潟2歳と初戦から決めていたように見える。MデムーロやルメールはWASJに参加するから最初から騎乗できないことがわかっていて、それゆえの石橋脩だったのではないか?だとしたら準備も万全だ。

でもどうなんだろう?ちゃんとスタートしてしまったら、1人気の競馬をして、きっちり勝ちきれるのであろうか?そこまでこの2頭の実力が抜けているかはよくわからない。

1人気が出遅れ・出負けした時以外は取りこぼしているということは、1人気が正攻法の競馬をして勝ち切るのは、この時期の、この距離の、この競馬場の1600では難しいとも言える。出遅れて最後方から進むことはマークから逃れることになり、結果的に自身のポテンシャルを最後の直線にぶつけることができて、それで勝っていたともとれる。

好スタートゆえの2着、3着、もしくは4着。
ないとは言えない。

出遅れを積極的に願うのは変だけど、ちゃんとスタートした1人気が取りこぼし、出遅れ・出負けした1人気が勝っているのは事実で、1人気を頭で期待するなら、ここは出遅れ・出負けをウェルカムしていくのが正しい作法ではないか。

自分は、この2頭はどちらが1人気になっても、取りこぼす方向で考えてみたいと思っている。理由は、イブキは東京1800、モーヴサファイアは中京1600を先行して勝っており、平坦の新潟なら直線は長くても、正攻法で押し切る自信を陣営が持ってると思うからだ。

というわけで、今年はスタートセンスのよさげな馬が1人気になりそうなので、出遅れの儀にのっとり、取りこぼしもありということにしてみた。

------------------マイネル・大歓迎の儀------------------
今年も札幌でWASJが開催される。つまり、去年同様に名手と呼ばれるジョッキーたちが札幌に集結することになる。だからキーンランドCには外国人騎手がいっぱいいるけれど(想定では現状4人)、新潟2歳には外国人騎手はひとりもいない。

その前提で、新潟2歳の想定を見るとあることに気づく。
おっと!今年はマイネル・コスモ・ウイン、いわゆる岡田繁幸氏を総大将とするグループの馬がいっぱいいるぞ!(以後、マイネル系と表記)

マイネル系の馬
ウインシトリン 丸山
クイントゥープル 津村
マイネルパラディ 柴田未
マイネルバールマン 柴田大

4頭もいる。

予想人気は
マイネルバールマン 4人気
ウインシトリン   12人気
マイネルパラディ  14人気
クイントゥープル  18人気

マイネルバールマン以外はよだれが出そうな人気だ(予想だけど)。

マイネル系の馬はたくさん出走するほど、馬券に絡みやすいと自分は決めつけているので、これだけで大歓迎だ。
実際、過去の新潟2歳を見ても、そのことは如実に結果に出ている。3頭以上出走してるときの好走率が高い。しかも人気薄が激走している。
逆に1頭出しのときの好走は皆無。

経営方針は変わることも多いから過去5年くらいを見ればいいのだろうけど、10年分掲載してみた。理由は、少なくとも新潟2歳の出走方針は変わってないように思えることと、10年や06年も圧巻だからだ。

15年 3頭出走 1頭馬券圏内+惜しい!
ウインファビラス 12人気2着
ペルソナリテ   5人気4着(ハナ差)
ウインミレーユ  4人気17着


14年 1頭出走
コスモピーコック 15人気17着

13年 3頭出走 惜しい!
ウインフェニックス 14人気4着(クビ差)
マイネルメリエンダ 10人気6着
マイネグラティア  3人気7着

12年 1頭出走
コスモリープリング 16人気16着

11年 0頭

10年 3頭出走 2頭馬券圏内
マイネイサベル  9人気1着
マイネルラクリマ 10人気2着
コスモイーチタイム 17人気13着

09年 3頭出走 惜しい!
ギュンター   6人気4着(ハナ差)
コスモセンサー 3人気13着
コスモレニ   10人気17着

08年 1頭出走
マイネルウェイヴ 8人気10着

07年 0頭

06年 6頭 馬券圏内2頭
マイネルーチェ 11人気2着
マイネルレーニア 1人気3着
マイネバイレ   18人気10着
マイネヴェロナ  9人気12着
マイネルサニベル 16人気15着
マイネルハーバード 6人気17着

1頭出しではダメだけど、3頭以上出しでは馬券に絡む、もしくは最接近している。それも人気薄で!

この時期の2歳重賞にたくさん出走させられるということは、スタートダッシュの育成が上手くいったからとも言える。マイネル系の場合はそれを素直に受け取っていいのではないか。

ノーザンF系ならば使い分けるのだろうけれど、マイネルは使い分けない。
集団で総攻撃を仕掛ける!
うむ、きっとそうだ。いや、どう見てもそうだ。

今年は最大で4頭!
しかも予想だけど人気薄が3頭もいる!
大歓迎もいいところだ。

それでもときには4着に惜敗することもある。しかし、今年も札幌でWASJが開催される。それはつまり名手系が札幌に大集合するということだ。

騎手を替えたくないという理由で新潟2歳の出走を自重する大物馬主もいるかもしれない。
しかし、マイネル系は独自の美学で騎手選定しているから、その影響はほぼない。騎手変更はあっても、マイネル系の馬に乗り馴れた騎手への変更で、騎手レベルの落差はほとんどない。つまり、名手系にしてやられた惜敗が今回は防げるのではないかと思うわけだ。

で、今一度、出走予定馬を見てみる。

マイネルバールマン 4人気 柴田大
ウインシトリン   12人気 丸山
マイネルパラディ  14人気 柴田未
クイントゥープル  18人気 津村

うむ、やっぱり美味しそうな人気だ。2頭馬券圏内に入ったら、マイネルバールマンとの絡みでも十分おいしいはず。むふふ。

というわけで、今年はいろんな儀を取っ払って、マイネル系を大歓迎する儀にしようと思っている。そして、今、思うことはちゃんと4頭出しをしてくるか、そこだけだ。

------------------新潟2歳S 注目馬------------------

マイネルバールマン 
ウインシトリン   
マイネルパラディ  
クイントゥープル  

特にウインシトリン・マイネルパラディ・クイントゥープルの人気のなさそうな3頭。

新潟2歳Sは、単30倍〜99倍の馬がとにかく頑張る。2着〜4着で頑張る(詳しくは発売中の競馬王9月号の柏手重宝の重賞お化け屋敷にて)。毎年、その場所にいる馬の選択に迷うけれど、今年は迷う必要がない。そこにいるマイネル系の馬を拾えばいいからだ。

あとは前記したように1人気になりそうな馬に好スタートを決めてもらうだけ。ちなみにマイネル系の馬に出遅れは必要ない。ふつうにスタートして、あとは一生懸命追って、粘り込む。

------------------キーンランドC 注目馬------------------

モレイラを中心にレースが展開して、みんなの仕掛けがちょっとずつ早くなって、後ろの馬が間に合う。それが去年だった。モレイラは3人気だったけれど、自分には中心にいたように見えた。だとしたら、今年はシュウジに騎乗するから去年以上にモレイラを中心にレースは進むはず。

みんなのマークをモレイラとシュウジは弾き返せるか、弾き返せないか。

後ろにいそうなホッコーサラスターやサドンストームにいい流れができないかな?

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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