驚きの快走だったフェブラリーS
相手に恵まれたキタサンブラックが、ムリすることなく秋の始動戦を滑り出すだろう「京都大賞典」は、観るレースとしては必見だが、そう大きな注目を集めるレースでもない。そのG2をホゴにして東京の「グリーンチャンネルC」検討も気が引けるので、体系の中の重要度で上回るG1格の「南部杯」に挑戦する。
すでにG1格のレースを7勝もしている
コパノリッキーに、同じく10勝の
ホッコータルマエ、さらにこの南部杯を2連勝している
ベストウォーリアがいる素晴らしい組み合わせだが、強気の狙いは
アスカノロマン(父アグネスデジタル)。3歳春から、ダート戦に的を絞り、ここまでダート【7-4-2-7】。制した重賞は平安S、東海Sだけにとどまり、1800-2000mに出走することがほとんど。ダート1600mにはたった1回しかない。
だが、そのたった1回の、今春のフェブラリーS・1600mの内容が驚きの快走だった。マイルではスピード不足だろうと人気を落としたが、1分34秒0のレコードで勝った人気のモーニン追撃の構えを見せてジワジワ伸び、最後は外から追い込んできたノンコノユメと並んで伸びた。1分34秒2で小差3着。今回改めてマイルで対戦するコパノリッキーは1分34秒6で7着。ベストウォーリアは1分34秒2で4着である。
芝の乱ペースの接戦だったりすると、そうは珍しくない伏兵の善戦はあるが、ダートG1のマイルの平均ペースなので、たまたまの快走ではない。「アスカノロマン←父は芝、ダートを問わずG1格6勝のアグネスデジタル←その父は桁違いにタフな後継馬を送ったクラフティプロスペクター←ミスタープロスペクター」。特性、特徴の継続なのである。
前回は、大井の2000mでコパノリッキーに再逆転されているが、今回はアスカノロマンにとって2度目のダート1600m。直線の長い盛岡、ポン駆けは利くタイプ。フェブラリーSの再現に期待する。