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上位人気の2頭は意外に危なっかしい!?/共同通信杯

  • 2017年02月08日(水) 18時00分

■共同通信杯(G3・東京芝1800m)フルゲート16頭/登録14頭


【特注データ】〜レースデータより〜



 注目したいのが、共同通信杯における「レースキャリア別」での成績差である。好走例が多いのが「キャリア3〜4戦」での出走で、出走数が圧倒的に多いにもかかわらず、連対率23.0%と圧倒的に好成績。過去10年の勝ち馬のうち、じつに8頭までがコレに該当する。今年の登録馬では、アサギリジョー、エアウィンザー、スワーヴリチャード、タイセイスターリー、ビルズトレジャーの5頭が該当馬だ。

 キャリア3〜4戦馬のなかでもとくに期待できるのが、前走が「OP特別〜重賞」だった馬や、前走人気が4番人気以内だった馬たち。この両方の条件をクリアする馬は、トータル[6-4-3-10]で勝率26.1%、連対率43.5%と信頼度が非常に高い。というわけで、今年はスワーヴリチャードとタイセイスターリーの2頭が、この「特注データ」該当馬となる。

【コース総論】東京芝1800m Dコース使用

・コースの要所!

★1番人気は信頼度、回収率ともに優秀。基本的には人気が強いコース。
★コース形態もあって、やや内枠有利。外枠は枠番値の低さも目立つ。
★イメージよりも先行優勢。とくに人気薄は先行できるタイプ重視で。





 1〜2コーナー間にあるポケットから、バックストレッチへと斜めに進入するコース形態。東京芝2000mや中山芝1600mほど極端ではないが、内枠のほうがベターであるのは間違いない。それは枠番別成績でもハッキリ出ており、最も好成績なのは、内枠である馬番1〜6番。対照的に外枠は信頼度、回収率、枠番値のいずれも低く、たとえ人気馬でも信頼しづらい面がある。外枠に入った馬は、少し割り引いて考えたい。

 人気別成績では、1番人気馬の成績が目立っている。連対率55.6%、複勝率71.1%という高信頼度で、なんと回収率も単複ともに100%オーバー。同様に2番人気も、[7-1-4-17]と優秀で、基本的に人気サイドが強いコースである。穴馬から高配当を狙うよりも、信頼できる人気馬から点数を絞って流すほうが、ここは効率がいいはずだ。

 最後の直線が長い東京の芝コースだが、脚質別では先行勢の健闘が目立っている。逃げた馬もトータル[3-1-8-33]で複勝率26.7%、複勝回収率234%と、意外なほど粘れているのだ。中団からの差しは相応に決まるが、4コーナー13番手以下からの追い込みは厳しく、ここから買うのはナンセンス。軸には、中団よりも前で競馬できる馬を選びたい。

【レース総論】共同通信杯(G3) 過去10年

・レースの要所!

★7番人気以下は[0-0-3-60]と連対例なし。大荒れ決着は考えづらい。
★コースデータよりも格段に内枠有利。馬番1〜4番はとくに注目したい。
★やはり先行した馬が好成績。好位を取りに行ける馬を軸馬に選びたい。
★馬体重500キロ以上馬に注目。人気であれば信頼度は非常に高い。







 レースの平均配当は、単勝785円、馬連2771円、3連複1万4324円と低めの水準。それもそのはずで、このレースの7番人気以下馬は過去10年[0-0-3-60]と、1頭も連対できていないのだ。少頭数で行われることも多いとはいえ、順当決着傾向が強いレースであるのは間違いなし。穴狙いでブンブン振り回すのは、ここはオススメできない。

 枠番別成績では、コースデータよりもさらに、内枠有利の傾向が強まっている。少頭数のレースが混じっているので正確性に欠ける部分はあるが、それにしても内外での成績差が大きい。とくに好成績であるのが馬番1〜4番で、平均人気6.9に対して平均着順5.9と、枠番値プラス1.0という驚異的な数値をマークしている。「内>外」であるのをしっかり意識して、取捨選択すべき一戦である。

 脚質別成績も、コースデータよりもさらに先行優勢となっている。逃げた馬はイマイチなのだが、4コーナーを2〜5番手で回った馬はトータル[7-4-5-29]で連対率24.4%、複勝率35.6%と優秀な成績。中団待機組もそれなりに来るが、こちらは速い上がりを確実に使えることが要求される。ある程度は器用さがある馬のほうが、ここは安心して見ていられそうだ。

 あとは「前走人気が今回の成績に直結する」のも、覚えておきたい傾向のひとつ。順当決着傾向が強いレースなので当然といえば当然なのだが、前走で4番人気以内であるか、それとも5番人気以下であるかで、大きな成績差が出ている。また、馬体重が500キロ以上の大型馬も要注目。5番人気以内であれば[3-3-3-5]と好走率が非常に高く、それだけで「買い」といっても過言ではない。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 先週の日曜日は先行勢が壊滅状態。かなり差し優勢の馬場バイアス。

・天候予測
 冷え込みは厳しいが天候は崩れないはず。良馬場前提で問題なし。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、マンハッタンカフェ産駒○、キングカメハメハ産駒△

 先々週もかなりのモノだったが、先週の東京芝も差しが決まりまくり。東京芝コースが基本的に差し優勢とはいえ、それにしても先行勢が粘れていない。日曜メインの東京新聞杯こそブラックスピネルが逃げ切ったが、前半49秒8-後半45秒1という極端な後傾ラップで、さすがにこれは前が残って当然だ。おそらく東京芝は、今週も差し優勢のレースが続くことだろう。

 血統面は、連対率24.3%、複勝率36.7%と文句なしに優秀である、ディープインパクト産駒をトップ評価。そのディープインパクト産駒を勝率で上回っているのがマンハッタンカフェ産駒で、こちらもコース適性はかなり高いと思われる。飛び抜けたところはないが、キングカメハメハ産駒も総合的に優秀。ここまでが、プラス評価の対象である。

★出走登録馬・総論×各論

 混戦模様が続いている、現3歳世代の牡馬クラシック戦線。共同通信杯には14頭がエントリーしてきたが、なんと中央2勝以上馬は1頭もいない。クイーンCと重複登録している牝馬が多いのも、牝馬よりも牡馬のほうが与し易い──と思っている陣営が多いことの証明。最終的に10頭前後になりそうだが、飛び抜けた存在は見当たらず、人気もかなり割れそうである。

 当データ分析のトップ評価は、タイセイスターリーだ。気性的に難しい部分を抱えているだけにアテにしづらいが、冒頭の「特注データ」該当馬で、その他の項目においてもプラス評価のオンパレード。適度に人気がなさそうなのもプラスで、馬体重や血統といったデータでの後押しもある。また、ルメール騎手がムーヴザワールドではなく、こちらに乗るというのも興味深い。

 二番手評価にエアウィンザー。兄のエアスピネルは、先週の東京新聞杯で圧倒的人気を背負って3着に敗退。この馬も兄によく似ており、超スローでの上がり勝負になると分が悪いかもしれない。とはいえ、買い材料の多さはかなりのもので、評価を割り引くようなファクターはまったくなし。勝ちきれるかどうかはともかく、上位には確実に食い込んできそうである。

 三番手評価にディアシューター。原稿執筆段階におけるnetkeiba.comの予想オッズでは、なんとこの馬が5番人気だったりする。戦績は地味ながらプラス評価となるファクターが多く、前走馬体重500キロと馬格があるのも歓迎材料。当日どの程度の人気を集めるか定かではないが、以外に侮れない側面がありそうだ。

 そして人気薄ではもう1頭、エトルディーニュも上位に評価したい。何より強調したいのが、戦ってきた相手の強さである。ここ3走は自己条件を使われているが、その勝ち馬はサトノアレス、アウトライアーズ、ダイワキャグニーと、いずれも重賞級の能力馬。大きく割り引くようなファクターも見当たらず、決して侮れない存在といえる。

 以下は、ムーヴザワールド、スワーヴリチャード、チャロネグロ、アサギリジョーという評価の序列。東京スポーツ杯2歳Sで好走しているムーヴザワールドとスワーヴリチャードは、買うべきではあるが軸では狙いづらい──というのが、データ分析の結果である。ここが想像以上に人気を集めるようなら、タイセイスターリーの単勝や1着軸で攻めてみるのも面白いはず。人気を過信せず、チョイ荒れを狙っていきたい。


■総論×各論・先週の馬券回顧




東京11レース 東京新聞杯(G3)
1着 02ブラックスピネル
2着 05プロディガルサン
3着 07エアスピネル

まるっきり的外れ(#^ω^)ビキビキ

ブラックスピネルの逃げにも驚きましたが、その上がりが「32秒7」というのには、もっと驚かされましたよ。こういう上がり勝負の流れになると、キレ味で見劣る07エアスピネルはやっぱり厳しい。もちっと前が流れてくれる条件で買うべきなんでしょーね。何とも扱いが難しい馬だ。。。

※コースデータは2012年以降、血統データは2014年以降、レースデータは2007年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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