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ドバイワールドCナイト4競走の展望

  • 2018年03月28日(水) 12時00分


◆日本馬5頭出走のドバイターフは難解

 今週土曜日にメイダンで行われるドバイワールドCナイトから、日本でも馬券発売のある4競走を展望したい。

 ダート1200mのG1ゴールデンシャヒーンは、その競走条件から北米勢が強く、2000年以降昨年まで18回のうち、実に11回を北米調教馬が制している。

 その北米から、昨年の最優秀スプリンターのロイエイチ(セン6、父モアザンレディ)が参戦してくるとあっては、この馬に逆らうのは無謀のように思う。4歳の夏に去勢をして以降の、この馬の安定した成績は驚異的で、5歳だった昨シーズンは6戦してG1BCスプリント、G1サンタアニタスプリントCSという2つのG1を含む5勝、2着1回と、連対率100%を記録している。今季初戦となった2月3日のG2パロスヴェルデスS(d6F)楽勝で、他馬が付け入る隙を見いだせない本命とみる。

 2番手も、昨年のこのレースの勝ち馬で、G1BCスプリントは3着だったマインドユアビスケッツ(牡5、父ポッセ)で不動だろう。

 レイティング的には、第2位のマインドユアビスケッツと3番手以下の馬たちの間に8ポンドもの開きがあり、机上の計算では逆転は難しいのだが、エックスワイジェット(セン6、父カンタロス)とジョーダンスポート(セン5、父ドゥバウィ)の2頭には、わずかながら2強の一角を崩すチャンスがありそうだ。

 2年前のゴールデンシャヒーンの2着馬で、その後、膝の故障で1年以上のブランクがあった後、復帰を果たしてからは3連勝なのがエックスワイジェットだ。

 一方、初ダートだったG3マハブアルシマール(d1200m)で、トラックレコードを樹立し圧勝したのがジョーダンスポートである。

 この4頭以上に、馬券の手を広げる必要はなさそうというのが、筆者の見解だ。

 難解なのが、芝1800mのG1ドバイターフである。

 そもそも、5頭出しの日本勢の中での順位付けにも、おおいに頭を悩ませるところだ。

 欧州から錚々たる顔ぶれが遠征していた昨年のこのレースを、きっちりと差し切ったヴィブロス(牝5、父ディープインパクト)が、あのレースを再現出来れば、優勝の最短距離にいるはずだ。

 2年前のこのレースの勝ち馬リアルスティール(牡6、父ディープインパクト)も、昨年秋のG2毎日王冠(芝1800m)のレース振りを見ると、改めての期待をかけたくなる1頭である。

 G1クイーンエリザベス2世C(芝2000m)に勝ち、G1香港カップ(芝2000m)でも3着になるという、アウェイでの強さを実証済みのネオリアリズム(牡7、父ネオユニヴァース)も、当然のごとく有力馬の1頭だろう。

 秋華賞勝ち馬という、昨年のヴィブロスと同じ看板を背負っての参戦となるディアドラ(牝4、父ハービンジャー)も魅力的だ。

 良馬場ならば、相当な顔触れを相手にしても大崩れのないランカスターボマー(牡4、父ウォーフロント)も、要注意の1頭だ。

 そして、前哨戦のG1ジェベルハタ(芝1800m)の上位3頭、ブレアハウス(セン5、父ピヴォタル)、ベンバトル(牡4、父ドゥバウィ)、ジャヌービ(牡4、父シルヴァアーノ)も、いずれも争覇圏にいる馬たちと見ている。

 馬券的にはここまで手を広げる必要があるとして、それでは軸をどの馬にするかは、予想を公表する予定の週末まで、もう少し悩ませていただきたい。

 芝2410mのG1ドバイシーマクラシックは、昨年の欧州3歳牡馬チャンピオン・クラックスマンの回避で、様相がおおいに変わった。

 実績的には、G1ガネイ賞(芝2100m)勝ち馬で、G1凱旋門賞(芝2400m)でもエネイブルの2着に入っているクロスオヴスターズが最右翼だ。今年のヨーロッパは例年以上に冬が厳しく、この馬に限らず、ヨーロッパ調教馬は総体的に仕上り具合が懸念されるのだが、3月6日のダルシャーン賞(AW1900m)をひと叩きすることが出来たこの馬は、既に臨戦態勢にあるものと判断して良さそうである。

 そういう意味で、軸となるのはクロスオヴスターズで良いと思うのだが、一方で、単勝を買ってみたいのはサトノクラウン(牡6、父マージュ)だ。成績の安定している馬ではないが、真価を発揮すれば、最終的には7つのG1を制することになったハイランドリールをも差し切る力がある馬だ。草丈が長く繁茂も密なメイダンの芝に対する、高い適性があると思われるだけに、ここで再び大物食いを果たして世界を驚かせる可能性が、充分にあると見る。

 G1ジャパンC(芝2400m)2着の競馬を再現出来れば、レイデオロ(牡4、父キングカメハメハ)も上位争いに加わってしかるべき1頭だ。

 そしてもう1頭、半年の休み明けだった前哨戦のG2ドバイシティオヴゴールド(芝2410m)で、トラックレコードを樹立して勝ち上がったホークビル(牡5、父キトゥンズジョイ)も、警戒すべき1頭である。元来は柔らかい馬場を好む馬が、決して得意ではない時計勝負を制した姿に、5歳の春を迎えての進境ぶりが窺え、大勢逆転までありうる存在として注目している。

 北米からビッグネームが参戦した場合は、ほぼ期待通りの結果を出しているのが、ダート2000mのG1ドバイワールドCである。現段階でのウェストコースト(牡4、父フラッター)を「ビッグネーム」と称することには、異論をはさむ声も挙がるであろうが、アロゲイト、ガンランナーが現役を去った今、北米古馬ダート中距離路線のエースがこの馬であることは紛れもない事実で、そうであるならば、ここもこの馬を中心視するのが真っ当な判断と思われる。

 取捨が難しいのが、昨年の全米最優秀古牝馬のフォーエヴァーアンブライドルド(牝6、父アンブライドルズソング)だ。力量的には足りていると思うが、アウェイの地で牡馬を相手に勝負が出来るメンタルの持ち主かどうかは、実際にやってみなければわからないというのが正直なところだ。

 確実性という点では、これが4年連続のドバイ参戦で、実際に良績を残しているムブタヒジ(牡6、父ドゥバウィ)の方が、信頼がおけるはずである。

 前哨戦のG1アルマクトゥームチャレンジ・ラウンド3(d2000m)をトラックレコードで快勝したノースアメリカ(セン6、父ドゥバウィ)も、上位争いには加わってくる馬だろう。

 繰り返しになるが、最終的な結論は週末に発表する予想でご確認いただきたい。

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1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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