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騎乗成績でとんでもない事実が判明!“最終の小牧”に迫る

  • 2018年05月22日(火) 18時01分
小牧太

最終レースの成績からとんでもない事実が判明!


今回のテーマは、最終レースについて。「穴馬で馬券圏内にくることが多いように思いますが、気持ちの面で違いがある?」という質問をきっかけに、4月中旬からの最終レースについて小牧騎手の成績を調べてみると…とんでもない事実が判明! その間の最終レースを振り返りながら、“最終の小牧”の強さに迫ります!
(取材・文:不破由妃子)


最終の成績がいいのは…早く帰りたいから!?


──今回は最終レースについてのこんな質問から。「偶然かもしれませんが、小牧騎手は最終レースの穴馬で馬券圏内にくることが多いように感じます。騎乗するレースはすべて全力で乗ってらっしゃるとは思いますが、なかでも最終レースというのは、やはり気持ちの面で違いがあるのでしょうか?」。

小牧 みんなより少しでも早く帰りたいから、上の着順にくるんちゃうかな。そう書いておいてください(笑)。

──以前にもそうおっしゃってましたよね(笑)

小牧 あとは、最終レースで汚れたくないから、無意識にいいポジションに付けていたりして。ま、どっちも冗談やけど(笑)。

──今回、この質問を受けて調べてみたんですが、4月14日〜5月7日で最終レースには3回騎乗し、なんと複勝率100%なんです。

小牧 あ、そうなんや。それは気付かんかったわ。

──しかも、質問にあるように穴馬を持ってくることが多く、複勝回収率は623%! 単純に小牧さんの複勝を買っておけば資金が6倍以上になる計算ですから、すごい数字ですよね。

小牧 でも、トウケイワラウカド(3着)とかでしょ? あの馬はいつもいいところにきてくれる馬やねん。しかも前走(4月1日・鳴門S)も3着に頑張っていたわけやしね。しかし、高瀬川S(4月29日)も勝ったと思ったんやけどなぁ。最後は脚が上がってしまった。

──たしかにものすごい勢いで抜けて出してきましたからね。でも、そのトウケイも7番人気。あとの2頭はワキノアタリ(2着)とルドルフィーナ(2着)で、ルドルフィーナこそ2番人気でしたが、ワキノアタリは10番人気でしたからね。

小牧 ワキノアタリも勝ったと思ったわ。4コーナーであまりにも手応えがよくて、余裕を持って追い出したくらいやから。悔しかったけど、あのレースは収穫が大きかった。もともと曾和先生に「あの馬は走るから乗っておけよ」って言われていた馬やし、1200mならすぐに出番が回ってくるんちゃうかな。同じ2着でも、ルドルフィーナはあの着差(勝ったオースミラナキラとは5馬身差)やからね。あのレースに限れば、どう乗っていても勝てんかったような気がする。強かったよ、勝った馬が。そうそう、あの日は翌日が福島でね。5時半の飛行機を取っていたから、レースが終わってそのままの格好ですぐにタクシーに飛び乗ったわ。

小牧太

レースが終わってそのままの格好ですぐにタクシーに飛び乗ったわ


──5時半! めっちゃギリギリじゃないですか。

小牧 ホンマにギリギリやった。最低でも15分前にはチェックインしなきゃいけないなか、空港に着いたのがその1、2分前やったからね。もうね、その週はそのことばかり考えてたわ。「最終はルドルフィーナやから勝つ可能性があるな…。そうなると5時半の飛行機には乗れんし、仙台行きはそれを逃すと7時半までないから、6時半の東京行きも抑えておかなアカンな」とか。実際、東京行きも抑えてたんやけどね。

──絶対に時間を無駄にしない小牧さんらしい苦悩ですね(笑)。まぁ、私としては東京行きに乗ってほしかった…。

小牧 僕も乗りたかった(笑)。

──ですよね。ともあれ、“最終の小牧騎手”というのは疑いようもない法則ですが、真面目な話、気持ちの面でそのほかのレースと違うということはないですよね。

小牧 ないない。どのレースも一緒や。僕からしたら、成績がいいのはたまたまやと思うけど、よく考えたら昔から最終レースはいいって言われているような…。

──そうなんですよ。小牧さん、以前から最終レースは買いなんです。そのあたり、ご自分で何か思い当たることはありますか?

小牧 ん〜、自分ではわからんけど、「これで今日の競馬も終わりやな」と思うから、いい意味で肩の力が抜けて逆に集中できるのかもしれんね。

小牧太

「これで今日の競馬も終わりやな」と思うから、逆に集中できるのかもしれんね

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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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