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武豊騎手の朝日杯初制覇なるか!? ファンタジストの梅田厩舎を直撃しました!

  • 2018年11月27日(火) 18時00分
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武豊騎手とのコンビで朝日杯に向かうファンタジスト陣営を直撃!


同じロードカナロア産駒のアーモンドアイに続け!


 ジャパンカップ(GI・東京競馬場・芝2400m)を制したアーモンドアイ号は、文句のつけようがない走りでの勝利。キセキを追いかけ抜け出してきたときの脚は、ディープインパクトを思い出しました。これで6連勝となった3冠牝馬。3冠のトライアルレースには1度も出走せず、常に高いレべルのレースに出走して、力をつけてきたんですね。

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文句のつけようがない走りでジャパンCを制したアーモンドアイ(撮影:下野雄規、(C)netkeiba.com)


 強豪サトノダイヤモンド、キセキ、スワーヴリチャード、昨年の覇者シュヴァルグラン等を相手に全くスキのないレース運び。ルメール騎手の“神対応”だったと思います。今年のGI総なめっていう感じですね。

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ジャパンCに出走したシュヴァルグラン


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ガンコ


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サウンズオブアース


 2:20.6のタイムは2400mの世界レコードだそうですね。昨年より3秒も速い好タイム。3歳馬なのでまだまだ底知れない力を秘めた馬だと思います。ロードカナロア産駒の開花です。強い馬が育ってきましたね。

 最近の競走馬を見ていると、若い内からトレセンに入厩し大事に育てられているので、人との信頼関係が深くなり、仕上げも丁寧にされていると思います。

 若きエースの走りに注目していきましょう。そして打倒アーモンドアイに向かっていく馬たちも応援しましょう。

 今週末はもう12月。年末になり、あわただしくなってきますね。

***

 今週は、梅田厩舎のファンタジスト号の様子を聞いてきました。前原玲奈助手と、とぎ(石へんに刑)屋助手が、いいお話をしてくれました。

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ファンタジスト担当のとぎ屋助手


常石 京王杯2歳ステークス優勝おめでとうございます。3連勝ですね。

前原 ありがとうございます。前走勝ってから馬体が頼もしくなってきましたね。マッサージをすると「もっとしてほしい」と身を預けてくるんですが、今では馬体の筋肉と芯が強くなり、なかなかマッサージをするのに力が要ります。

常石 前走のレース後、ずっと厩舎で過ごしたんですね。

前原 すごく落ち着いていて疲れもすぐに取れたので、厩舎で過ごしたほうがいい感じでした。普段は持ち乗り厩務員さんが乗り、坂路を70秒くらいで上がってきます。それからEコースをゆっくり1周して運動量を増やしています。

常石 朝日杯出走予定なんですね。豊騎手が騎乗予定ですか?

前原 はい、お願いしています。3週前(取材時点)なのでこれから負荷をかけた調教に変わっていきます。普段からとってもおとなしい馬なので距離が伸びても折り合いはつくと思います。アーモンドアイと同じロードカナロア産駒なので楽しみにしています。2400mになってもスタートの良い馬なので大丈夫だと思います。

常石 豊騎手が勝っていないGIレース、朝日杯フューチュリティSなので気合が入ってきますね。

前原 この馬で制覇してくれたらうれしいです。顎の骨格も発達していてハミをはめようと思ったら入らないので、ビックリしました。こんな馬なかなかないですよ。厩舎ではとってもおとなしいのですがレースがわかってるので、前走の時は厩舎を出るとすぐに入れ込んで、ビックリしました。賢い馬なので自分でコントロールし、気合を入れていたんでしょうね。

常石 厩舎で丁寧に世話をしていると感情もわかるし、レースが近いことも察するんでしょうね。すごいな。頼もしいですね。顔を見ているとまだまだ幼い顔をしていますよね。

とぎ屋 すぐに甘えるしまだまだ子供ですが、顔つきが少し変わってきましたね。さっき玲奈さんも言ってたけど、顎が発達してハミが入らなくてビックリしました。飼い葉もしっかり食べてくれるので助かります。食べないと心配になるからね。しっかり食べるので顎が発達するんでしょうね。スタートがいいので好位につけることができるんでしょうが、差し切る強い脚も武器の一つですね。

常石 さっきからずっと見てますが飼い葉を食べるのが上手ですね。餌と水を交互に食べ集中して黙々と食べてるので尊敬しますよ。僕なんか左半側空間無視があるので左側にある食べ物が見えづらくて、ご飯だけ食べて次におかずとかみそ汁…って感じになります。恥ずかしいですね。

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▲▼飼い葉を食べるのが上手なファンタジスト

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とぎ屋 いやいや、みんな一緒ですよ。この子が賢くいい性格なので手入れもやりやすいです。頑張ってほしいですが、怪我をしないで帰ってきてくれたら一番うれしいです。

常石 そうですよね。厩舎の方針はどんな風にされていますか?

前原 それぞれ担当の方はいますが、お任せではなくみんなで話し合ったり考えたりして、馬に適していることを見つけ出しています。また色々試しながら、いい条件を見つけ出せるようにしています。

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前原助手「みんなで話し合ったり考えたりして、馬に適していることを見つけ出しています」


常石 レース前は、豊騎手が調教に乗りますか?

前原 まだわかりませんが、乗れなくてもこの馬のことはよく知ってくれているので大丈夫です。馬もONとOFFの切り替えができる賢い馬なので心配はないです。

常石 豊騎手にファンタジスト号で朝日杯制覇してほしいですね。

前原 そうですね。楽しみにしています。レッツゴードンキも頑張ってくれているので、ファンタジストも持ってる力を出し切ってほしいです。

常石 ウイナーズサークルでカメラ持って待っています。

前原とぎ屋 いいショットお願いします(笑)。

常石 任せてくださいね(爆笑)。ありがとうございました。レース前にまたお邪魔します。よろしくお願いします。

前原 こちらこそありがとうございます。今から調教行ってきます。

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 梅田厩舎の強い戦力になっている玲奈さんがたくましく見えました。梅田厩舎の何とも言えないあったかい空気感、居心地がよかったです。ありがとうございました。

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梅田厩舎の強い戦力になっている玲奈さんがたくましく見えました


 あっそうそう。僕が落馬してから3年後くらいの時にフットサルチームを作り練習に誘ってくれた、ヒカルちゃん(大當助手)も梅田厩舎にいました。なつかしいなぁ。あの時は面倒かけました。ありがとうございました、楽しかったです。また誘ってくださいね(笑)。

つねちゃんこと常石勝義でした。

常石勝義
1977年8月2日生まれ、大阪府出身。96年3月にJRAで騎手デビュー。「花の12期生」福永祐一、和田竜二らが同期。同月10日タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビュー5か月で12勝をマーク。しかし同年8月の落馬事故で意識不明に。その後奇跡的な回復で復帰し、03年には中山GJでGI制覇(ビッグテースト)。 04年8月28日の豊国JS(小倉)で再び落馬。復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は栗東トレセンを中心に取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)の『常石勝義のお馬塾』(毎週金曜日17:30〜)に出演中。

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