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有馬記念で“ある歴史”が繰り返されるかもしれません!

  • 2018年12月15日(土) 12時00分

今年の天皇賞(春)かジャパンCに出走した馬に注目


 いよいよ今年も押し詰まってきました。そんな実感は全くないのですが、有馬記念が近づいてくると、そう言わざるを得ません。

 ご存知のとおり(?)、当コラムの年末最終回は1年を振り返る「私の競馬十大ニュース」と決まっているので、今回は一足早く有馬記念を予想しちゃいます。

 で、その前に。先日発表された「今年の漢字」は「災」でした。この文字が選ばれたのは2004年以来2度目。同年の有馬記念は4歳馬のゼンノロブロイが勝って、天皇賞・秋、ジャパンCと合わせ、“秋のGI三冠制覇”を果たしました。2着は凱旋門賞帰りのタップダンスシチー。前走の天皇賞(秋)で10着に敗れていたシルクフェイマスが3着という結果でした。

 今年、天皇賞(秋)はレイデオロ、ジャパンCはアーモンドアイが勝ちましたから、ゼンノロブロイの再現はあり得ない話。でも、ひょっとしたら、それとは別の“ある歴史”が繰り返されるかもしれません。

 04年の有馬記念にはコスモバルクが出走していました。そう、地方競馬所属のまま、中央のクラシックをはじめ数々の重賞に挑戦したあの馬です。当時3歳だった同馬は、ジャパンCでゼンノロブロイの2着に激走した後、有馬記念では11着に敗れました。それ以降、このレースには09年まで6年続けて出走し、05年には4着に健闘しています。

 今回、ホッカイドウ競馬所属のハッピーグリンが出てくれば、コスモバルクが最後に走った09年以来9年ぶりの地方馬の参戦で、“歴史の再現”となります。そういえば、「今年の漢字」に「災」が選ばれたのは、北海道胆振東部地震があったことも理由の1つでした。今のところ、ハッピーグリンが出られるかどうかはかなり微妙な状況。ですが、もし出てきたら大きな拍手を贈りましょう。

 それはさておき、13〜17年の有馬記念で1〜3着に少なくとも1頭は絡んでいたのが、同じ年の天皇賞(春)かジャパンCの出走馬。14年以外は、その両方に出ていた馬が必ず3着以内に来ていました。

 当たり前と言えば当たり前のデータですが、とりあえず、今年の両レースに出ていなかった馬同士の組み合わせになる3連複や3連単は、買わないほうがいいと考えられます。

 逆に、両方に出ていた馬が絡む確率が高いとすれば、今年これに当てはまるのがシュヴァルグランしかいません。キタサンブラックやゴールドアクター、ゴールドシップなどのように、有馬記念は1度馬券に絡むと2度、3度絡む馬が多い、という特徴もあります。当コラムのオススメはシュヴァルグランとしておきましょう。

 意外にアッサリまとめちゃいましたが、この結論に「そだねー」と賛同していただける方はいらっしゃるでしょうか?そうそう、「災い転じて福となす」という言葉がありますから、福永騎手のクリンチャーは要注意ですよ!?

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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