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特に変わった点はない開幕週

  • 2005年09月05日(月) 18時53分
 今週は中山開幕週である。

 中山の開幕週といえば、フレッシュな馬場で好時計が出ることで有名だが、開幕週といえば他のイメージもある。

・前が止まらない
・馬場全体が良いので内枠が有利

 果たしてこれは本当なのだろうか。今回は、秋の中山開幕週の芝1600mを対象に考えてみたい。

 平成以降のうち、この開催が連続開催だった96年と00年、新潟が9月まであって10月に中山だった02年を除いた13年間を対象にすると、開幕週に行われた芝1600m戦というのは59レースある。

 まず、脚質別成績はこんな感じ。

勝率-連対率-単回収率-複回収率

・逃げ
22.2-34.6-102-99%
・先行
15.2-30.4-130-146%
・差し
4.0-9.4-76-83%
・追込
0.5-2.3-1-24%

 逃げ馬はけっこう止まっている。逃げた馬というのは単複ともに回収率がプラスになるほうが一般的なので、複勝回収率の99%というのは実は高くない。ちなみに、平成以降すべての中山芝1600m戦について回収率を調べると、逃げ馬は単170%・複129%。ハナ争いが激しくなるためか、開幕週は逃げる馬よりもその直後につける馬のほうがいいようだ。

 続いて、枠番別成績はこう。

勝率-連対率-単回収率-複回収率

・1枠
13.7-19.2-108-79%
・2枠
5.6-13.9-33-118%
・3枠
8.3-14.3-29-68%
・4枠
3.1-18.4-38-125%
・5枠
11.7-19.4-136-96%
・6枠
5.5-13.6-54-71%
・7枠
7.8-11.2-83-60%
・8枠
6.8-13.6-68-68%

 こちらも通算成績に比べて際立って内枠有利というわけではない。むしろ、普段より「真ん中の枠」が強くなっている。

 「○○を買え」という結論にならなくて恐縮だが、開幕週だからといって特にあれこれ気にする必要はないということだろう。時計への対応力を気にする程度でいいのではないだろうか。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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