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【無料】堅いレースは絞って厚く勝負せよ!/大阪杯

  • 2019年03月25日(月) 18時00分

■大阪杯(G1・阪神芝2000m内)フルゲート16頭/登録15頭


【特注データ】3行でわかる! レース攻略の糸口




 G1に格上げされてから今年で3年目となる大阪杯。やはりG2時代とは性格が異なってくるので断言しづらい部分はあるが、間違いなくいえるのが「距離短縮組のほうが強い」という点だ。前走で芝1800m戦や芝2000m戦に出走していた馬が多く出走してくるが、その複勝率は15%前後でしかなく、低信頼度。それに対して距離短縮組は、そのすべてが複勝率30%以上をマークしている。

 トータルで見ると、芝・距離延長組が[4-2-0-36]で複勝率14.3%、同距離である前走芝2000m組が[1-3-1-27]で連対率15.6%、そして芝・距離短縮組が[5-5-9-29]で複勝率39.6%と、その差はなんと2倍以上。芝・距離短縮組で、このレースで非常に強い5歳以下馬に限れば、信頼度は連対率33.3%、複勝率48.1%と、さらに大きく向上する。距離延長組がまったく来ないわけではないが、どちらを重視すべきかは自明の理だろう。

 今年の登録馬で「芝・距離短縮組かつ5歳以下」という条件を満たすのは、キセキ、ステイフーリッシュ、ダンビュライト、ブラストワンピース、ワグネリアンの5頭だけ。さらに臨戦過程の順調さや「前走レースの格が問われる」という特徴も加味して考えると、やはり有馬記念組であるキセキとブラストワンピースが注目すべき存在となりそうだ。

【コース総論】阪神芝2000m内 Bコース使用

・コースの要所!

★1着馬のなんと77.4%が3番人気以内。極端なまでに人気サイドが強いコース。
★枠番の内外で極端な成績差はないが、複回値やギャップ値も優秀なのは内枠。
★最後の直線が短い内回りコースで先行勢優勢だが、上がりの決め脚は超重要。




 正面スタンド前のやや4コーナー寄り地点からスタートして、直後に急坂を駆け上がる阪神芝2000m。最初のコーナー進入までにもそれなりに距離があるため、序盤から厳しいポジション争いが展開されることは少ない。道中はゆったり流れるが、3コーナー過ぎの勝負所からラップが急加速。瞬発力はもちろん、コーナーで加速する器用さや、長く脚を使える持久力の確かさなども求められてくる。

 そういう紛れのないコースであるためか、人気別成績では1番人気を筆頭に人気サイドが圧倒的に好成績。16頭立てで行われたレースでは、なんと1着馬の77.4%が3番人気以内馬によって占められている。勝利数で比較すると、3番人気以内馬が24勝に対して4番人気以下馬が7勝。人気馬の勝率がここまで極端に高いコースというのは、さすがに珍しい。もちろん、順当決着傾向が高いコースという結論となる。

 次に枠番だが、信頼度が全体的に高いのは馬番1-4番や13-16番。平均人気にもけっこう差があるので見方が難しいが、複勝回収値が113と高くギャップ値もプラス圏であることから、内容がもっとも優秀なのは内枠だと判断した。とはいえ、枠番の内外による成績差はそれほど大きくはなく、これならBコース替わりによる馬場バイアスの変化のほうが重要となりそうな気がする。

 最後に脚質。集計対象となったレースの少なさもあってコレも判断が難しいのだが、複勝率が圧倒的に高いのは先行勢。直線の短い内回りコースで、しかもトップクラスが集うG1ともなれば、そう簡単に前は止まらない。ただし、最速上がり馬の好成績から考えると、決め脚もかなり重要なはず。ある程度は前のポジションでしっかり折り合い、そこから速い上がりを繰り出せる。そういう総合力が求められるコースといえる。

【レース総論】大阪杯(G1) G2施行時を含む過去10年

・レースの要所!

★6番人気以内馬がトータル[10-7-10-33]と上位をほぼ独占。大波乱は期待薄。
★コースデータとは異なり内枠がイマイチ。非常に強い馬番5-8番が要注目。
★差し優勢の傾向がコースデータよりも強い。上がりの決め脚はやはり重要。
★G1や海外戦など、前走で格の高いレースに出走していた5歳以下馬が好成績。







 G2で開催されていた時期も含む平均配当は、単勝665円、馬連4900円、3連複3325円。馬連平均よりも3連複平均のほうが低いというのは異常事態で、このレースがいかに紛れないかを示している。1番人気は[4-3-2-1]とほとんど馬券に絡み、6番人気以内馬がトータル[10-7-10-33]と、上位をほぼ独占。多少なりとも人気薄で好走したといえるのは7-9番人気で、ふたケタ人気は全滅している。「メチャクチャ堅い」といえるレベルだ。

 枠番についてはコースデータ同様に判断が難しかったので、今回はひとケタ人気馬に限ったデータも用意した。好走例のないふたケタ人気馬を、いわば分析上の「ノイズ」として扱ったカタチである。その結果として浮かび上がるのが、コースデータで好内容だった、内枠である馬番1-4番がイマイチであること。それとは逆に絶好調なのが、連対馬の半数を送り出している馬番5-8番だ。トータル[5-5-4-17]で連対率32.3%、複勝率45.2%と、これだけを理由に馬券が買えるほどに強い。

 次に脚質面だが、こちらもコースデータとは異なる結論となった。先行勢と中団待機組の成績が拮抗しており、後方から一気の脚で突き抜けた馬も意外に多い。また、上がり上位馬の好成績も目立っていることから、差し優勢と考えたほうがいいだろう。大阪杯がずっとBコースで行われているのを考えると、イメージ以上に差せている。後方のポジションからでも十分に届くレースと考えるべきだ。

 ハッキリと明暗が分かれたのが年齢別成績。簡潔にいえば若ければ若いほど強く、6歳馬ですら「ギリギリ買えなくもない」というレベル。7歳以上で馬券に絡んだのは、2014年の2着馬トウカイパラダイスだけである。今年は出走馬のほとんどが5歳以下馬となりそうで、そうなると例年以上に、6歳以上馬であるマカヒキあたりは厳しそうである。

 最後に前走クラス別成績。こちらも極端なまでに、前走でG1-G2に出走していた組が強いという結果となった。前走オープン特別から1着をもぎ取ったショウナンマイティのような馬もいるが、前走が「G1・G2・海外」以外だった馬はトータル[1-2-0-46]と、思いっきり期待薄。G3を連勝中のスティッフェリオのような馬でも、ここで勝ち負けするのはかなり厳しいはずだ。

【血統総論】


 種牡馬別では、ディープインパクト、ハービンジャー、ステイゴールドの産駒をプラス評価の対象とした。当コースでのステイゴールド産駒の強さはよく知られるところだが、魅力はやはり爆発力で、単勝適正回収値104.7、複勝回収値135という超優秀な数値をマーク。それに負けず劣らず好内容なのがハービンジャー産駒で、その複勝率は41.5%と、ディープインパクト産駒すら楽々としのいでいる。次点はキングカメハメハ産駒だが、そこまで対象を広げると比較の意味がなくなる──という大人の事情で見送った次第である。

★大阪杯・総論×各論

 金鯱賞を制したダノンプレミアムの姿がないのは残念だが、昨年の有馬記念を制したブラストワンピースや、秋競馬を大いに盛り上げてくれたキセキ、半年ぶりにターフへと戻ってきたダービー馬ワグネリアン、皐月賞馬エポカドーロなどなど、なかなか豪華なメンバーが集結。フルゲートは割り込んだが、まったく同時期にドバイミーティングが開催されているのを考えると、一流馬がここまでよく集まってくれたといえる。

 このレースの順当決着傾向がメチャクチャ強いのはお伝えした通りで、G1に昇格してからの2年はいずれも1番人気の勝利。高松宮記念のようなドカ荒れを、ここで望むのはだいぶ無理がある。馬券的な面白味には欠けるが、そのぶん買い目の点数は絞ろうと思えば、思いっきり絞り込めるはず。少ない点数で厚く勝負するのが、ここはオススメである。

 現時点でのトップ評価はブラストワンピース。距離短縮組の4歳馬で、ここで上位人気となるのは確実。器用さに欠ける面がある馬だが、イメージ以上に差せるレースであるのは解説した通りだ。鞍上の継続騎乗も基本的にはプラスで、コース適性が非常に高いハービンジャー産駒であるのも魅力的。評価を割り引く材料は見当たらず、ここは素直に「買い」ジャッジが正解である。

 二番手評価にキセキ。前走の有馬記念では逃げて5着に敗れたが、さすがに連戦の蓄積疲労があったはず。あくまで私的な感想ではあるが、パドックや返し馬での動きから、ジャパンカップがピークだったと思う。前走後は放牧に出て立て直されており、ここはフレッシュな状態でレースに臨めるはず。ハナを楽に奪える組み合わせでもあり、自分の競馬で新たなタイトル獲得も十分に期待できそうだ。

 三番手評価にワグネリアン。昨年秋の神戸新聞杯以来というのが気がかりだが、相変わらずの強さを見せている現4歳世代のダービー馬で、久々さえ苦にせねば勝ち負けになって当然。阪神芝では2戦して負けなしと好相性で、広々としたコースのほうが向きそうなタイプではあるが、内回りをこなせる器用さや操縦性の高さもあるはずだ。「久々」という言い訳があるので評価は割り引くが、これ以上に評価は落とせない。

 以下はダンビュライト、ステルヴィオという評価の序列。手広く買うべきレースではないので、名前を挙げる馬は普段よりも意識的に減らしている。ペルシアンナイト、エアウインザー、エポカドーロ、サングレーザー、アルアインなども上位への食い込みは期待できそうだが、1着よりも2着、2着よりも3着になる確率のほうが高いと判断。いかに買い目を絞り込むかが、勝敗を分けるカギとなる。


■総論×各論・先々週の馬券回顧


三択を見事に外した(#^ω^)ビキビキ

前走で500万下を勝っていた3頭のうち、もっともマークが薄かったエメラルファイトが人気薄で激走(痛恨)。トップ評価だったロジャーバローズは、川田騎手によれば「競馬に向かえる精神状態ではなかった」そうな……。またしても大ハズレで、このあたりで捲土重来を期さねば本気でヤバイ。

※コース&血統データは2015年以降、レースデータは2009年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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