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「強いから」で買うなら精英大師

  • 2005年09月26日(月) 18時04分
 神戸新聞杯はディープインパクトの圧勝に終わったが、同馬のような「強さですべてを押し切る馬」は予想をする身にとっては厄介なものである。

 特に、期待値の高い馬券を探すという作業においては「適性が能力を覆す」というシーンが重要なわけであり、なにをもっても覆せない能力を持ってこられると困るわけである。神戸新聞杯ではディープインパクトを◎にしたが、菊花賞◎にするようでは適性という概念を放棄するようなものであり、難しい予想を余儀なくされそうだ。

 さて、今週のスプリンターズSには香港からサイレントウィットネスが登場する。ケープオブグッドホープが世界を股にかけた活躍をしはじめた今、そのケープが逆立ちしても敵わないサイレントウィットネスは世界最強スプリンターといってもいいだろう。

 そこで、ふだん私のコラムで延々書いているような主旨ではなく、「強いから」を根拠に馬券を買っている人たちに言いたい。ならば、サイレントウィットネスを買え、と。

 もちろん海外遠征そのものが持つリスクはある。しかし、その代わりディープインパクトと違って、サイレントウィットネスは配当がそれなりにつく。サイレントウィットネス・デュランダル・その他全員で票を3分することになれば、単勝で2.5〜3倍も望める。

 昨年3着時のケープオブグッドホープと比較しても、今年のサイレントウィットネスは強気になれる要素が多い。

・日本の馬場にも合うことが確認済み
・安田記念に比べて右回りで距離短縮はどう見てもプラス
・1月に1000m・55.3秒をマークするなど、時計への対応力を示している

 さらに便利なことに、唯一の不安材料である状態面に関し、他の外国馬にはない判断材料もある。馬体重である。

 今回の2頭は前回来日時と比較できるし、香港も計量がある競馬なので、ポンドを換算すれば流れも見ることができる。馬体減りだけが心配材料なので、そこをクリアしたなら強気に買いたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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