神戸新聞杯はディープインパクトの圧勝に終わったが、同馬のような「強さですべてを押し切る馬」は予想をする身にとっては厄介なものである。
特に、期待値の高い馬券を探すという作業においては「適性が能力を覆す」というシーンが重要なわけであり、なにをもっても覆せない能力を持ってこられると困るわけである。神戸新聞杯ではディープインパクトを◎にしたが、菊花賞◎にするようでは適性という概念を放棄するようなものであり、難しい予想を余儀なくされそうだ。
さて、今週のスプリンターズSには香港からサイレントウィットネスが登場する。ケープオブグッドホープが世界を股にかけた活躍をしはじめた今、そのケープが逆立ちしても敵わないサイレントウィットネスは世界最強スプリンターといってもいいだろう。
そこで、ふだん私のコラムで延々書いているような主旨ではなく、「強いから」を根拠に馬券を買っている人たちに言いたい。ならば、サイレントウィットネスを買え、と。
もちろん海外遠征そのものが持つリスクはある。しかし、その代わりディープインパクトと違って、サイレントウィットネスは配当がそれなりにつく。サイレントウィットネス・デュランダル・その他全員で票を3分することになれば、単勝で2.5〜3倍も望める。
昨年3着時のケープオブグッドホープと比較しても、今年のサイレントウィットネスは強気になれる要素が多い。
・日本の馬場にも合うことが確認済み
・安田記念に比べて右回りで距離短縮はどう見てもプラス
・1月に1000m・55.3秒をマークするなど、時計への対応力を示している
さらに便利なことに、唯一の不安材料である状態面に関し、他の外国馬にはない判断材料もある。馬体重である。
今回の2頭は前回来日時と比較できるし、香港も計量がある競馬なので、ポンドを換算すれば流れも見ることができる。馬体減りだけが心配材料なので、そこをクリアしたなら強気に買いたい。