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レベルが高すぎて今年は堅く決まる!?/皐月賞

  • 2019年04月09日(火) 18時00分

■皐月賞(G1・中山芝2000m)フルゲート18頭/登録19頭


【特注データ】3行でわかる! レース攻略の糸口


 クラシックのなかでは、かなり「荒れる」部類である皐月賞。昨年も人気馬が総崩れとなり、3連単は37万馬券と大波乱となった。詳しくは後述するが、1番人気が[2-1-1-5]とイマイチ結果を出せておらず、人気の盲点となりやすい7〜9番人気が非常に高い確率で上位に食い込んでいるなど、波乱傾向の強さはかなりのものだ。

 ならば今年も人気薄を──と言いたいところだが、ここで「待った」が入る。なぜならば、上位人気が予想される今年の登録馬が、きわめて強力なラインナップだからである。大ネタはもちろん小ネタまでも駆使して登録馬をふるいにかけていったのだが、毛色や生月に至るまでオールクリアという馬が何頭も出現したのである。

 例えば、ここで掲載している「前走プラス体重」「前走4着以内」といった5つの好走条件。これらすべてをクリアした馬は、トータル[5-4-0-5]で連対率64.3%、単勝適正回収値262.2、複勝回収値222という強烈な結果を残している。昨年に9番人気で2着したサンリヴァルや、一昨年の勝ち馬アルアイン、2016年の勝ち馬ディーマジェスティなど、人気薄での激走例も目立つ。

 今回の人気については予測になるが、これらの好走条件をすべてクリアしそうなのが、アドマイヤジャスタ、サトノルークス、サートゥルナーリア、ダノンキングリー、ニシノデイジー、ファンタジストと、なんと6頭もいる。例年は多くても2頭であるのを考えると、これはなかなかの異常事態だ。高確率で好走を期待できる馬がこれほど多いとなると、堅く決まる可能性のほうが高い気がしてならない。

 あとは、内枠である馬番1〜6番の信頼度が非常に低いことや、騎乗パターンによって買い&消しが逆になることなども注目すべきポイント。あくまで現時点でのジャッジではあるが、鞍上の乗り替わりまでもがプラスに働くサートゥルナーリア、共同通信杯組という強力な材料を有するダノンキングリー、一気に評価を落として「人気の盲点」となりそうなニシノデイジーの3頭を「特注」としたい。


【コース総論】中山芝2000m Bコース使用

・コースの要所!

★1番人気は高信頼度で内容も優秀。人気薄では7〜9番人気の強さが目立つ。
★枠番の内外による成績差は小さめ。外枠に入っても問題なく買えるコース。
★直線が短い中山芝らしく先行勢が優勢も、最速上がり馬は素晴らしい成績。





 ホームストレッチの4コーナー寄り地点からスタート。最初のコーナー進入までに十分な距離がある上に、スタート直後に急坂を駆け上がるというコース形態もあって、序盤から速い流れにはなりにくい。かといって極端なスローにもならず、終始一貫して平均的なラップが刻まれるような緩急のない流れに。スピードはもちろんスタミナや底力など、勝ち負けに総合力が求められるコースといえるだろう。

 人気別で目立っているのは、1番人気馬の優秀な成績。16頭以上の多頭数において、連対率52.7%、複勝率67.9%と3回に2回以上の確率で馬券に絡んでいるのだから大したものだ。そして人気薄では、単勝適正回収値が121.5と非常に高く、複勝率も14.9%と優秀である7〜9番人気が好内容。ふたケタ人気の超穴馬も狙えるコースだが、効率を考えると中穴狙いのほうが格段にオイシイ。

 次に枠番データだが、内外による成績差が少ないのが大きな特徴。中山芝というだけで「内枠がベター」と思ってしまうが、実際は差がないどころか、人気がないぶん外枠のほうが儲かるのである。外枠を理由に人気を下げるような馬がいたら、狙ってみる価値は十分アリ。必要以上に内枠を高く評価すると、手痛いしっぺ返しを食らうかもしれない。

 最後に脚質面だが、最後の直線が短い中山芝コースらしく、こちらは先行勢優勢。逃げた馬がそのまま残るケースも多く、先行勢と中団待機組で連対率に2倍近い差が出ているのを考えると、軸足はやはり「前」に置くべきだ。ただし、最速上がり馬の成績はきわめて優秀で、勝率や単勝適正回収値の高さはかなりのもの。過去に最速上がりを何度もマークしているような馬は、しっかりマークしておくべきだ。

【レース総論】皐月賞(G1) 過去10年

・レースの要所!

★1番人気の信頼度が低く波乱含み。7〜9番人気は徹底的にマークするべき。
★内枠である馬番1〜6番の成績がハッキリと悪い。中枠や外枠をプラス評価。
★脚質面はコースデータ通り。先行勢優勢ではあるが中団からの差しも届く。
★共同通信杯組の強さは特筆に値するもの。人気薄は継続騎乗組が狙い目か。








 レースの平均配当は、単勝1074円、馬連4976円、3連複3万6501円と高めの水準。その要因となっているのが、上位人気馬の信頼度の低さだ。1番人気が[2-1-1-5]で2番人気が[1-3-0-5]と、いずれも低調な結果。3番人気の複勝率が1〜2番人気よりも高いというのは、けっこうなレアケースである。

 それとは対照的に絶好調なのが、昨年1〜3着を独占した7〜9番人気。トータル[3-2-2-20]で複勝率25.9%と、なんと4〜6番人気のそれを大幅に上回っている。人気別にみても波乱含みのレースであるのは間違いないが、ふたケタ人気の超穴馬は[0-0-2-74]とサッパリなのが、皐月賞の面白いところ。つまり「適度に人気のない馬」を狙うのが、このレースで儲けるコツなのだ。

 次に枠番だが、目立っているのが内枠である馬番1〜6番の大不振だ。平均人気が8.3ともっとも高いにもかかわらず、平均着順は9.7と最低。回収値ベースの数値も非常に低く、相応の割引が必要という結論となる。ひとケタ人気馬に限定した枠番データも用意したが、皐月賞での内枠がいかに弱いか、こちらのほうがより実感できると思われる。

 脚質面はほぼコースデータ通り。馬券絡みした27頭のうちじつに17頭までが、4コーナーを6番手以内で回った先行勢だった。逃げた馬の成績こそイマイチだが、全体でみると先行勢優勢であるのは明白。ドゥラメンテやディーマジェスティなど、中団から一気の脚で突き抜けた馬もいるが、決して狙いやすくはない。「差しもそれなりに届くレース」といった認識が適切だろう。

 前走レース別では、少ない出走数で4勝をあげている共同通信杯組の強さが目立つ。共同通信杯の1着馬であるダノンキングリーと2着馬のアドマイヤマーズは、やはり注目すべき存在といえる。あとは、弥生賞組がわずか1勝に終わっていることや、若葉S組が2〜3着にはけっこうきている点にも注目したい。

 最後に騎手関連データ。こちらは簡潔にいえば「継続騎乗×6〜9番人気」と「乗り替わり×1〜5番人気」がプラス評価の対象となる。もっとも信頼度が高そうな「継続騎乗×1〜5番人気」の組み合わせはイマイチで、昨年はなんと全滅。これを理由に消せるというわけではないが、このパターンの過信は禁物だ。

【血統総論】


 種牡馬別では、ディープインパクト、ハーツクライなど5種牡馬の産駒をプラス評価の対象とした。上位にランクしたのはおおむねイメージ通りのメンツだが、意外だったのがロードカナロア産駒の強さ。2番人気以内に限れば[3-1-2-2]で複勝率75.0%と、このタフなコースを見事にこなしている。やはり、配合によっては距離をこなせる産駒を出す種牡馬なのだろう。

★皐月賞・総論×各論

 3戦無敗でホープフルSを制したサートゥルナーリア、共同通信杯で2着に敗れるも力は示したアドマイヤマーズ、そのアドマイヤマーズを強烈な末脚で差し切ったダノンキングリーなど、桜花賞に負けず劣らずの豪華メンバー。トライアルの勝ち馬であるエメラルファイト、メイショウテンゲンなども侮れず、これぞ牡馬クラシックというハイレベルなレースが期待できそうだ。

 現時点でのトップ評価はサートゥルナーリア。ホープフルS以来という点がどうかだが、外厩での育成レベル向上により「久々」が割引材料でなくなりつつあるのは、桜花賞を制したグランアレグリアが示したばかり。それ以外に割り引く材料は見当たらず、それでいてプラス評価となった項目は非常に多いのだから、素直に「買い」ジャッジが正解だろう。この相手関係で今度はどんな走りを見せるのか、本当に楽しみだ。

 二番手評価も素直にダノンキングリー。2歳王者アドマイヤマーズをあっさり差し切った共同通信杯の内容は、強いのひと言。2走前のひいらぎ賞で2歳馬らしからぬ底力を見せていたとはいえ、想像以上のパフォーマンスだった。「継続騎乗×1〜5番人気」のパターンに該当する点を少し割り引いたが、サートゥルナーリアとの評価の差は、枠番ひとつでひっくり返せる程度のもの。こちらも、買い材料はじつに豊富である。

 三番手評価にニシノデイジー。ここ2走はホープフルSで3着、弥生賞で4着と足踏みが続いているが、2歳重賞を連勝したその能力は決して侮れないもの。おそらく一気に人気を落とすはずで、それだけにここは狙い目となる。いくつもの好走条件を満たしているのは、冒頭の「特注データ」でも解説した通り。勝浦騎手の継続騎乗も、皐月賞のデータ的にはプラスに働く。ここ一番での奮起に、ぜひ期待したいものだ。

 以下はファンタジスト、アドマイヤジャスタ、ブレイキングドーン、アドマイヤマーズ、ヴェロックス、クラージュゲリエという評価の序列。上位人気が予想される馬では、アドマイヤマーズやヴェロックスの評価が低めとなった。あとは、枠番と直前のオッズがどうなるか次第。内枠に入った馬が割引であること、7〜9番人気が非常に強いことの2点は、忘れずに覚えておきたい。


■総論×各論・先々週の馬券回顧




ハイ2着3着(#^ω^)ビキビキ

土曜日の結果からも「あ、これ内だ」とは気付いてはいたんですが、そんなものは反映できないのが当コラムの勝負馬券。またしてもハズレに終わりましたが……まあアレだよ、上位に推した06キセキと02ワグネリアンが上位に食い込んでくれたんだから、それでいいじゃないか(嗚咽)。

※コース&血統データは2015年以降、レースデータは2009年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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