過去10年、天皇賞・秋のステップレースとして最もよく機能したのは京都大賞典であった。京都大賞典組の天皇賞・秋成績は[3-4-2-21]。同週に行われる毎日王冠と比較しても、勝率・連対率で圧倒している。
今年は毎日王冠のほうが登録馬としては豪華だが、先々のことを考えて京都のほうに注目しておく価値はあるだろう。
ただ、気をつけなくてはならないことがひとつある。京都大賞典と天皇賞・秋は、繋がるといっても「直結する」というわけではないのだ。
京都大賞典優勝馬で、そのまま天皇賞・秋連対を果たした馬は2頭しかいない。00年のテイエムオペラオーと、02年のナリタトップロード(中山施行時)だが、一方で、4頭の京都大賞典優勝馬(繰り上がりのテイエムオペラオーは含まず)が天皇賞・秋で馬券の対象外になっている。
その他の「天皇賞・秋で3着以内した京都大賞典組」は以下の通り。
京都大賞典成績→天皇賞・秋成績
・1番人気2位入線→1番人気2着
・1番人気2着→1番人気1着
・2番人気4着→9番人気3着
・2番人気4着→4番人気2着
・7番人気6着→12番人気2着
・1番人気7着→4番人気1着
・2番人気7着→9番人気3着
京都大賞典で人気ほどには走れなかった馬が、天皇賞・秋でいい馬券になるという傾向がある。
つまり、京都大賞典は「天皇賞・秋でよさそうな馬の評価を敢えて下げ、天皇賞・秋ではダメそうな馬を敢えて買う」ということが必要になってくる。
今回の登録馬でいうと、本番にリアルな色気があるリンカーンは2番手以下とし、こここそ、というタイプのサクラセンチュリーやマーブルチーフあたりを重視したい。