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敢えて「非G1級」を

  • 2005年10月03日(月) 18時20分
 過去10年、天皇賞・秋のステップレースとして最もよく機能したのは京都大賞典であった。京都大賞典組の天皇賞・秋成績は[3-4-2-21]。同週に行われる毎日王冠と比較しても、勝率・連対率で圧倒している。

 今年は毎日王冠のほうが登録馬としては豪華だが、先々のことを考えて京都のほうに注目しておく価値はあるだろう。

 ただ、気をつけなくてはならないことがひとつある。京都大賞典と天皇賞・秋は、繋がるといっても「直結する」というわけではないのだ。

 京都大賞典優勝馬で、そのまま天皇賞・秋連対を果たした馬は2頭しかいない。00年のテイエムオペラオーと、02年のナリタトップロード(中山施行時)だが、一方で、4頭の京都大賞典優勝馬(繰り上がりのテイエムオペラオーは含まず)が天皇賞・秋で馬券の対象外になっている。

 その他の「天皇賞・秋で3着以内した京都大賞典組」は以下の通り。

京都大賞典成績→天皇賞・秋成績
・1番人気2位入線→1番人気2着
・1番人気2着→1番人気1着
・2番人気4着→9番人気3着
・2番人気4着→4番人気2着
・7番人気6着→12番人気2着
・1番人気7着→4番人気1着
・2番人気7着→9番人気3着

 京都大賞典で人気ほどには走れなかった馬が、天皇賞・秋でいい馬券になるという傾向がある。

 つまり、京都大賞典は「天皇賞・秋でよさそうな馬の評価を敢えて下げ、天皇賞・秋ではダメそうな馬を敢えて買う」ということが必要になってくる。

 今回の登録馬でいうと、本番にリアルな色気があるリンカーンは2番手以下とし、こここそ、というタイプのサクラセンチュリーやマーブルチーフあたりを重視したい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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