菊花賞といえば長距離戦。長距離戦といえば血統とともに騎手が気になるところである。
かつては長距離というと岡部・柴田人だったが、いまはどうなのか。まずは、95年以降の約10年について、芝3000m以上での成績を見てみよう。
なにぶんサンプル数は少ない話になるが、勝利度数トップは武豊。勝率・連対率でも他を圧倒するが、回収率は単複ともに60%台。「来るんだろうけどおいしくない」という、今回のディープインパクトそのままの内容である。
それに続くのが横山典。イングランディーレやハッピールックの大穴があるために、回収率は文句なしの大幅プラス。一方で連対率も40%台であり、当代の「長距離巧者」は横山典と評価していいだろう。今回のアドマイヤジャパンは血統的に距離は微妙だが、来年以降の参考にもしていただきたい。
それに次ぐのが蛯名。その次は渡辺、和田だがこれは1頭の成績によるところ大なので実質的には後藤ということになるだろう。マイネルレコルトが出ていればちょっと手を出したいところだったのだが……。
さて、その一方で、菊花賞でのファインプレーとなると過去の長距離実績とは別なところから飛び出てくることがある。
ザッツザプレンティでネオユニヴァースの三冠を阻止した安藤勝己騎手は、それまでの芝3000m成績が6戦して2着1回というごく自然なものだった。昨年デルタブルースで勝った岩田騎手にしても、それまで6戦して、人気薄ばかりだったとはいえ掲示板に載ったことはなかった。
今回穴党が頼らざるをえないダンスインザダーク産駒のコンラッドには小牧騎手が騎乗予定だが、同騎手はこれまで11戦して2着が1回あるのみ。良くないといえば良くないが、アンカツのときと同じだと言えば同じである。
間違いない騎手選びなら横山典だが、「未知の魅力」をアリにするなら小牧や、シャドウゲイトに騎乗予定の佐藤哲あたりに賭けてみる手もあるはずだ。