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東京ジャンプSから宝塚記念まで、春の最終週を振り返り!

  • 2019年06月25日(火) 18時00分
職人

先週で東京・阪神開催も最終週に


楽しみな馬が続々と! 秋競馬が早くも楽しみに


 春の東京開催では最後の重賞競走、東京ジャンプステークス(GIII・芝3110m)が行われました。

 2012年から距離が3300mから3110mに短縮され、波瀾傾向にある“難関”レースですね。

 ジャンプレース最強馬と言われるオジュウチョウサンは不在ですが、芝コースの直線は、長く持久力とスピードも必要になってくるので馬券をどう組み合わせて買うのか難航しそうです。

 僕も東京で騎乗経験はありますが、広い馬場なのでとっても走りやすくレースがしやすい競馬場なので好きなコースでしたね。

 とはいっても僕のコラムが出たときには、優勝馬が決まっているのが残念です(結果は石神深一騎手騎乗のシングンマイケルが1着)。“難関”を制した優勝馬、関係者の方々おめでとうございます。

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東京ジャンプSは石神騎手騎乗のシングンマイケルが重賞初制覇(撮影:下野雄規)


 このレースを制覇することで先のレースも楽しみになってきますね。それだけに陣営も力がはいっていました。

 ベテラン騎手、西谷先輩に東京ジャンプSのことをお聞きしました。

常石 上半期最後の重賞レースですね。

西谷 オジュウチョウサンは出走しないけど、GIIIとは思えないくらい強いメンバーが揃っていますよ。

常石 頭数も多いですね。

西谷 オジュウチョウサンと言えば石神深一騎手ですが、今回はシングンマイケルに騎乗しています。連対を外したことがなく安定感抜群の馬なので要注意ですし、勝ちパターンをよく知ってる石神騎手は怖い存在です。

 それからマイネルプロンプトも中山グランドジャンプ3着馬と安定感もあり、跳びが上手いんですよね。あとは(白浜)雄造が乗るメイショウオトコギも安定しているからなー。

常石 凄いメンバーがそろっていますね。やっぱり春の東京開催最後の重賞競走ですね。コンビを組むアグリッパーバイオの調子はどうですか?

西谷 (障害の)未勝利を抜け出した後に、いきなり重賞で3着に入ったからパワーはあるので楽しみにしていますよ。

常石 西谷先輩ありがとうございました。楽しみにしています。

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アグリッパーバイオは結果は6着に(写真は平地での未勝利戦優勝時、(c)netkeiba.com)


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 続いてシゲルボブキャットに騎乗する植野(貴也)先輩にもお話をうかがいました。

常石 前走(障害オープン戦)はおめでとうございます。植野先輩、感触はいかがですか?

植野 力をつけてきたので楽しみですね。未勝利からずっとこの馬に乗せていただいてるので癖もつかんでます。持久力が少し課題なので東京の直線が長いからカギになるかな? それでも信頼して乗ります。

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重賞初挑戦となったシゲルボブキャット(写真は平地での未勝利戦優勝時、(c)netkeiba.com)


常石 本命が決められなくなってきましたね(笑)

植野 そりゃ僕の馬でしょう(笑)

常石 そうですよね。今年開業の上村厩舎の馬ですもんね。勝ち鞍もドンドン積み上げて活躍されていますよね。楽しみだな。応援しています。ありがとうございました。

※結果は4号障害飛越着地時につまずいて騎手が落馬したため競走中止となりました。

馬:異状なし
騎手:頭部外傷、頚椎外傷、右下腿打撲症(府中市内の病院に搬送)
(JRA発表より)

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 宝塚記念が行われる日、阪神競馬場でデビューする新馬を取材してきました。

 前回もお伝えしましたが、佐々木晶三厩舎のキズナ産駒、リメンバーメモリーを一押し取材! キズナと同じ田重田厩務員が担当し、鞍上に豊騎手と条件が揃いデビュー戦が楽しみです。

常石 メモリーはキズナと似ていますか?

田重田 性格は似ていますね。キズナみたいに成長してくれるといいですね。

常石 おとなしい感じですね。

田重田 厩舎に来て2か月経ってるので落ち着いてきましたね。環境に慣れることがまず大切だからこの時期の2か月は大きいと思うよ。馬房にいるときは、癖もなく飼い葉もよく食べてくれます。

 ゲート試験は、1回目はあかんかったけど、2回目はきっちりクリアしてくれたし、走るのもキズナに似ているなーと感じてきました。

常石 成長が楽しみですね。最終追い切りはどうでしたか?

田重田 坂路でやってびしっと決まったと思うよ。長くいい脚を使えるタイプなのでキズナと似ているところがあるよね。

常石 豊騎手が手綱を取るとキズナを見ているようですね。先週調教を終えたときに、良い感触だと言ってましたから期待大ですね。

田重田 新馬だからゆっくりしっかり成長してほしいです。

常石 この日は宝塚記念もあるので楽しみが増えます。早く競馬場に行って、しっかり見届けないとですね。。ありがとうございました。また成長を追っかけさせてくださいね。

田重田 応援してください。ありがとね。

常石 こちらこそありがとうございました。

 結果的にデビュー戦は力を出し切ることができず残念でしたが、豊騎手がレース後に

「調教のような走りができなく残念だったけど、素質とパワーのある馬なのでこれから期待したい」

 とコメントしています。今後に期待したいですね。

 1着となったのは、(福永)ユーイチ騎手が騎乗したレッドベルジュール。1分50秒7で勝ち、強さをアピールしました。

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全姉にはフェアリーS3着馬がいるレッドベルジュール(c)netkeiba.com


 レース後ユーイチ騎手が「最後までしっかり走ってくれました。まだまだ課題はあるが成長が楽しみです」とコメントしていたように素質馬の多い一戦でした。今後も2歳馬のレースから目が離せませんね。

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福永騎手は今年の2歳戦絶好調!



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ファンにサインをする福永騎手


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 春の最後を締めくくるファン投票による宝塚記念いかがでしたか?

 ダミアン・レーン騎手の手綱さばきは見事でしたね。初来日で、ヴィクトリアマイルに続くGI・2勝目となりました。

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レーン騎手の好騎乗に導かれ、リスグラシューがGI・2勝目(c)netkeiba.com


 リスグラシューが前々に行くのは想像が出来なかったので、約6万人の観客がどよめきましたよね。その状況でも、かかっていないのが不思議でした。そこがダミアン・レーン騎手の凄いところなんでしょう。

 キセキも完璧なレースだったと思います。ダミアン・レーン騎手の叱咤に応え、叩き合いを制したリスグラシューも凄い馬に成長しました。

 矢作厩舎のモットー「よく稼ぎ、よく遊べ」が生かされ、それに応えたリスグラシューに拍手(ぱちぱち)。海外挑戦も視野に入ってくることでしょう。

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最終週もレーン騎手が魅せました、土曜には5勝を挙げる大活躍!


 矢作厩舎のスタッフの皆さんおめでとうございます。リスグラシューはご褒美をたくさんもらってくださいね。リスグラシューの元気な様子を見に、厩舎へ訪問したいと思っています。

 楽しみな馬がまた増えましたね。

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今後は海外挑戦も視野にいれているリスグラシュー


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 もう夏も間近ですね。避暑地へ追っかけする旅の計画などはいかがですか?

 僕は7/10からドイツのユーバーヘルンへ乗馬の大会に行ってきます。記憶をしっかり持続させるのが最大の課題です。

「俺の脳」との戦いに挑んできます。ちょっとカッコイイですかね(照)。脳を活性化することが一番らしいので、何かいい方法があれば教えてください! よろしくお願いします。

 夏を経験し、成長する馬たちが見られる秋競馬が楽しみになってきましたね。夏から秋競馬へつながっていく夏競馬も楽しんでくださいね。

 つねかつこと常石勝義でした。

常石勝義
1977年8月2日生まれ、大阪府出身。96年3月にJRAで騎手デビュー。「花の12期生」福永祐一、和田竜二らが同期。同月10日タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビュー5か月で12勝をマーク。しかし同年8月の落馬事故で意識不明に。その後奇跡的な回復で復帰し、03年には中山GJでGI制覇(ビッグテースト)。 04年8月28日の豊国JS(小倉)で再び落馬。復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は栗東トレセンを中心に取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)の『常石勝義のお馬塾』(毎週金曜日17:30〜)に出演中。

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