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メイショウカイドウも大好き!馬の温泉(1)競走馬リハビリテーションセンターとは?

  • 2019年08月06日(火) 18時00分
第二のストーリー

▲小倉3冠を達成したメイショウカイドウ(C)netkeiba.com


小倉の顔が福島の温泉地へ


 夏の小倉競馬が開催中だ。この小倉で輝いていたのが、メイショウカイドウだ。初めて重賞を勝ったのが2004年の小倉記念(GIII)で、翌2005年には小倉大賞典(GIII)、北九州記念(GIII)、小倉記念と史上初となる同一年での小倉3冠を達成する大活躍を見せた。

 2007年9月8日の朝日チャレンジC(GIII)10着を最後にターフに別れを告げ、ホームグラウンドともいえる小倉競馬場の誘導馬となるべくトレーニングされて、2008年にデビューを果たした。2017年の夏の開催を最後に誘導馬を引退したカイドウは、引き続き小倉競馬場に乗馬として過ごしていたが、翌2018年の夏の開催が終了したのち、新天地へと旅立っていった。

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▲現役引退後は、小倉競馬場の誘導馬として長きにわたり活躍(ユーザー提供:ポンタも大好きさん)


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▲異例の「誘導馬の引退式」も行われた(C)netkeiba.com


 南の九州から北の福島へ。カイドウが到着した先は福島県いわき市にある「JRA競走馬リハビリテーションセンター(競走馬総合研究所・常磐支所)」(現役競走馬のリハビリテーションをすることを目的に1963年に開所)だった。同センターの所在地はいわき湯本温泉という温泉地でもあり、センター内には馬が入浴できる温泉もある。この地で療養する馬のケアをしている研修生の乗馬訓練に、あるいは見学者やファンの応対という仕事をこなしながら、ご褒美に温泉に浸かるという日々をカイドウが送っていると聞き、その様子を取材するべく、現地に赴いたのは7月5日だった。

 最寄りの常磐線の湯本駅を降り立つと、硫黄の匂いが漂っている。思わず目を奪われたのは、駅員さんやタクシー運転手さんのアロハシャツ姿だ。そういえばここいわき市には映画「フラガール」で有名になった「スパリゾートハワイアンズ(旧常磐ハワイアンセンター)」があるのだった。それでアロハシャツなのかと調べてみると「フラガールが生まれた街いわき」のPRに作られた、いわきオリジナルアロハシャツが販売されていることがわかった。温泉地のゆったりした雰囲気に、のんびりした南国ムードたっぷりのアロハシャツは不思議とマッチしていて、取材前なのにこちらまでリラックスしてしまった。

 アロハシャツ姿の運転手さんがハンドルを握るタクシーで、湯本駅から15分ほど走って高台を上り、数軒ある温泉旅館の近くを通り過ぎた先に「JRA競走馬リハビリテーションセンター」があった。タクシーを降りるとすぐ、金網越しにプールが目に入った。水深は3m、1周約40mあり、日本で初めてできた競走馬専用のスイミングプールだそうだ。

 この日、取材に応対してくださった当センター所長の塩瀬友樹さんから渡されたパンフレットには、オグリキャップをはじめ、センターでケアされた数々の有名馬たちが記載されていた。

 昭和時代にはキタノカチドキ、プレストウコウ、ラッキールーラ、グリーングラス、

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北海道旭川市出身。少女マンガ「ロリィの青春」で乗馬に憧れ、テンポイント骨折のニュースを偶然目にして競馬の世界に引き込まれる。大学卒業後、流転の末に1998年優駿エッセイ賞で次席に入賞。これを機にライター業に転身。以来スポーツ紙、競馬雑誌、クラブ法人会報誌等で執筆。netkeiba.comでは、美浦トレセンニュース等を担当。念願叶って以前から関心があった引退馬の余生について、当コラムで連載中。

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