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昇級2戦目で大激走のエイシンヨッシー 12着からガラリ一変した要因とは

  • 2019年08月20日(火) 18時01分
太論

▲小牧騎手「なんせまだ子供、人間もしんどいです(笑)」


6月の未勝利戦を勝利し、小牧騎手にうれしい6勝目をもたらしたエイシンヨッシーが、昇級2戦目で大激走! 小牧騎手の期待も上々のようです。今回は、昇級初戦の12着からガラリ一変した要因を語ってくれたほか、ハクサンフエロへの特別な思いを明かしてくれました。(取材・文:不破由妃子)


出遅れが功を奏した2着、「この馬は走ってくる!」


──6月に未勝利戦を勝ち上がったエイシンヨッシーが、昇級2戦目で9番人気2着と力を見せましたね(8月3日・小倉12R)。

小牧 うん、やっぱり能力があるんやね。まだまだ体質的に弱いところがあるから放牧に出てしまったけど、この馬は走ってくると思うよ。

──7月の昇級初戦(7月21日・中京)が2.4秒差の大差負け(12着)だったので、なにかあったのかな…なんて心配していたのですが、杞憂だったようでよかったです。

小牧 前走はね、内でジーッとしてたんですわ。そうしたらもう嫌がってね。道中の時点で嫌気が差してしまったんです。今回も未勝利を勝ったときのように2、3番手に行けたら行ってみたいなぁっていう気持ちはあったんやけど、500万ではまだまだスピードに乗っていけないところがあるから難しいかなぁなんて考えていたら、ちょっと出遅れてね。それがかえって正解でしたわ。

──なるほど。後方から外目を上がっていったことで、前走のように揉まれるシーンがありませんでしたものね。

小牧 そうやね。最後はものすごくいい脚やったから、あそこまできたから勝ちたかったけどねぇ。まぁなんせまだ子供ですわ。

──そうなんですね。未勝利を勝ったときは先行策からの押し切りで、今回とは違う競馬でした。ということは、揉まれさえしなければ、どんな競馬でもできるタイプなのかなと思ったのですが。

小牧 うん。ただ、2着にきた今回でもまだ気分良く走れてないからね。エンジンが掛かるのが遅い。だから、人間もしんどいです(笑)。

──ちなみに、気分良く走れていないというのは、どういうところから感じるのですか?

小牧 ハミが掛からないとかね。まだまだ自分から行こうとしないし。逆に言えば、それだけ伸びしろがあるっていうことでもあるんやけど。ジョッキーとしたら、やっぱり好位で競馬ができるようになってほしいんやけどね。

──続いて注目するのはハクサンフエロ(この取材後の8月11日に小倉9R・青島特別で6番人気6着)。「ハクサンフエロの出遅れについて。以前は普通にゲートを出て、逃げていたように思うのですが、途中から出遅れるようになってしまうのは、どんな原因があるのでしょうか」という質問がきています。

小牧 ん〜、ゲート自体は悪くないんやけどねぇ。ゲートのなかでは、ものすごくおとなしいから。ただ、なんせ一歩目が遅い。確かに前はそうでもなかったけど、もともと腰が緩い馬でね。だから、グッと踏み込めないところがあって。それはたぶん生まれつきやと思うから、途中で何かが大きく変わったわけではないんやけどね。

──ポンとゲートを出るには、腰の踏ん張りが必要ですものね。

小牧 そうそう。古馬やから、どこまで改善するかわからんけど、この馬の場合、出遅れがいい結果につながっているところもあるから一概にダメとも言えんけどね。それに、気が良すぎるところがあるから、ポンとゲートを出て前に行ったりしたら、逆に脚を使えんと思うわ。だから今は、あんまり出して行っても…って思ってる。出していくと掛かるからね。そのサジ加減も難しいねん。前回(7月20日・中京12R)はゲートから出して行ったけど、馬が伸び上がってしまって、逆に遅れてしまったし。ただ、能力的には引き続き上位を狙える馬なのは間違いない。力があるからね。勝つチャンスは十分にある馬やで。

──ハクサンフエロは小牧さんとのコンビのイメージが強くて、わたしも自然と思い入れがあります。

小牧 シルポートの仔やしね。シルポートの頃から厩務員さんが友達でね。

──シルポートと同じ厩務員さんがハクサンフエロも担当されているんですね。

小牧 うん。たぶん「小牧さんを乗せてください」って言ってくれてるんだと思いますわ。だから、なんとしても勝ちたいんやけどね。

太論

▲シルポートの仔やしね、なんとしても勝ちたいんやけどね

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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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