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【新潟2歳S追い切り】最後の瞬発力が素晴らしいウーマンズハートなど期待の若駒の調教をチェック!

  • 2019年08月21日(水) 18時03分

BSN賞に出走のピオネロは鋭さ増す脚力で衰え知らずの印象


 先週末は札幌競馬場でお仕事。札幌記念の豪華な出走メンバー、そしてスペホリ!で松坂桃李さんのスペシャルトークショーがあり、たくさんのお客様が来場されました。ビギナーズセミナー講師の仕事だったので、競馬初心者の方にいろいろとレクチャーさせていただきましたが、ペルシアンナイトをおすすめしてしまったことを大いに反省しています。

 この夏は函館、小倉、札幌と行かせていただき、あと2週で夏競馬も終了。本当に早いと思いつつ、夏だからといって競馬が閑散とすることもなく、盛り上がっている状況に感謝です。今週もスプリンターズSに向けて見逃せない、キーンランドCがありますが、こちらは週末のウマい馬券をご覧ください。今週は新潟2歳Sを中心に、オープン特別を取り上げさせていただきました。

【新潟2歳S/ウーマンズハート】

 半兄デザートストーム、おじがティーハーフ、サドンストームということで、デビュー戦の距離に関しても悩んでいた陣営でしたが、終わってみればマイルでよかった感じ。スローペースでも折り合いを欠くことなく、最後の瞬発力は素晴らしかったと思います。

 中2週というローテーションでもあり、今回は日曜日と水曜日の追い切りが坂路。最終追い切りはテンを控えめ、後半しっかりという内容で4F53.2〜2F24.6〜1F12.1秒。とにかく脚をためて、それを瞬時に加速させることができるのがこの馬の特徴。ポイントは新馬戦ほどのスローにならないでしょうから、その時にしっかり脚をためることができるかどうか、そこではないでしょうか。

ウーマンズハート

最後の瞬発力は素晴らしかったウーマンズハート(8月20日撮影)


【新潟2歳S/クリアサウンド】

 すでに重賞ウイナーを輩出し、芝の1200mでも1800mでも勝ち馬を出している父キズナ。そんな対応力の幅が広い父ですから、前走からの1F延長は全く問題ないでしょう。前走時は1週前追い切りの坂路で4F49.9秒をマークしていましたから、素晴らしいスピード能力があると思います。

 今回の1週前追い切りでも坂路4F52.3秒、1F12.1秒ですから、速いペースでも終いまでしっかり脚を使えるのが長所だと思います。ただ、最終追い切りのように、遅いペースにすると、ラップがちぐはぐになるところがあり、そのあたりはペースが落ち着く可能性もある今回の課題となりそうです。

クリアサウンド

クリアサウンドは最後までしっかり脚を使えるのが長所(8月20日撮影)


【新潟2歳S/ペールエール】

 デビュー戦はイメージしていたよりもスタートの出が速く、思っていたよりも横綱競馬で強いレースになりました。デビュー前には坂路4F51.3秒、1F12.0秒をマークしていましたが、それがしっかりとレースでの走りとも連動した形だと思います。

 最終追い切りはM.デムーロ騎手が跨って坂路。前走時の最終追い切りが坂路4F56.7秒、2F25.2秒と前半、後半で落差のある内容でしたから、同じような動きをイメージしていましたが、今回はテンの1F目以外、2F目以降は同じようなラップを僅かに加速させていく感じ。これはマイルに距離が延びる、直線の長い新潟には最適とも思える内容です。

ペールエール

ペールエールは直線の長い新潟替わりが良さそう(8月20日撮影)


【BSN賞/ピオネロ】

 左回りでの安定感は抜群ですが、特に新潟ダート1800mは1戦1勝。それが2016年のBSN賞なので、かなり昔の話にはなりますが、1着も狙える舞台に出走してきたのは間違いありません。

 休み明けになりますが、ここ3週は素晴らしい追い切り。坂路での2Fがすべて25秒を切っており、その脚力は衰えるどころか、これまでよりも鋭さを増している印象すらあります。2週前追い切りでは、コンマ1秒ではありますが、坂路4F時計の自己ベストを更新しており、衰えは全くありません。久しぶりにしては4本と少ない本数だけに、懸念するのはそこだけ。

ピオネロ

久々でも坂路4F時計は自己ベストを記録したピオネロ(8月20日撮影)


【小倉日経OP/アウトライアーズ】

 小倉記念はパドックを生で観ることができましたが、素晴らしい気配。美浦所属ではありますが、栗東で調整しての小倉輸送は本当に合っているのだと思います。レースでは最後の直線で狭いところで詰まってしまいましたが、それでも上がりは35.0秒。一気に脚を使うことができればという内容でした。

 引き続きの栗東調整ですが、これも順調。最終追い切りは坂路で前走時よりも1F目の速いラップになりましたが、これは距離が1F短縮することを思えばプラス。この距離なら勝負どころから外を捲って脚を使うこともできると思いますし、それが可能な状態であると思います。

◆次走要注意

・8/18 北九州記念【ミラアイトーン】(1人5着)

 G1を勝てるだけのポテンシャルがあれば、初めてのテン32.7秒のラップにも対応すべきかも知れませんが、これをそこそこついていってのレースなら、最後伸び切れないのも仕方ないところ。個人的には+8キロ程度の馬体増は問題なかったと思っています。

 これでスプリンターズSの出走はほぼ絶望的でしょうから、あらためての重賞挑戦で期待します。

[メモ登録用コメント] [芝]最終追い切りがラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・別府特別【メイショウキョウジ】

 最終追い切りはCWで単走。しかも4F追いですが、これは中1週なので当然のこと。テンからじわっと加速していくラップが踏めており、馬体を見ると毛艶は黄金色に輝いています。先週のストロベリームーンといい、夏場は前走勝って、中1週のCW4F追いが勝負調教かも知れません。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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