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騎手で見つける阪神JFの穴

  • 2005年11月28日(月) 23時50分
 今年の阪神JFは登録頭数が多く、フルゲートになる可能性も高い。

 一般に、GIも頭数が多いほど波乱の確率が高まるが、阪神JFも例外ではない。

 牝馬GI化されて以降、16頭立て以上になったことは7回あるが、7回ともすんなりは収まらなかった。

 04年は8番人気のショウナンパントルが勝って馬単2万馬券。03年は上位人気馬総崩れで3連複37万円台。02年は1番人気ピースオブワールドが勝ったが2着が11番人気ヤマカツリリー。01年は馬連2万馬券。00年はこの中では大人しいが、それでも1、6、7番人気の決着だった。97年は7、6、8番人気で決まり、92年は伝説のスエヒロジョウオー、マイネピクシーである。

 今年、仮にアルーリングボイスが勝つとしたら、2着に2ケタ人気が来るか、2、3着とも6番人気以下でないと前掲の例には追いつかない。もちろん、アルーリングボイスが崩れて大波乱という可能性もある。

 穴党にとってはやる気の出るレースだが、穴馬を見つけるポイントになるのが「騎手」である。

 実は、阪神JFにおける穴のほとんどは、「関西騎手以外」によって演出されているのである。

 阪神JFにおける関西騎手の成績は勝率4.5%・連対率8.4%、単回収率30%・複回収率48%。レースのトータルが6.7%・13.3%、68%・83%だから、回収率だけでなく勝率・連対率も低い。

 一方、関東騎手はスエヒロジョウオー、ショウナンパントル、コンコルディアなどが効いて単複とも回収率はプラス。外国人騎手もタムロチェリーやローブモンタントのおかげで同様である。さらに、延べ4回しか乗っていない地方騎手からも、ヤマニンアルシオン(10番人気)で2着した岩田康誠騎手が出た。

 関西で行われるレースだし、お手馬で出てくる関西騎手も多いだろうが、そこにうまみのある馬はあまりいないということになる。ちなみに、関東馬に乗った関西騎手は過去11鞍で全滅。関西馬に乗った関東騎手からはスエヒロジョウオーとコンコルディアが出た。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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