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【菊花賞】こういう時に限って堅く決まるもの!

  • 2019年10月15日(火) 18時00分

■菊花賞(G1・京都芝3000m外)フルゲート18頭/登録22頭


★3行でわかる!菊花賞 攻略の糸口

1. 波乱傾向が強まっているレース。7〜9番人気は特注!
2. ハッキリと内枠有利。馬番1〜6番は人気薄でも要警戒!
3.前走での人気・着順・上がり3F順位からかなり絞れる!

データ特注推奨馬
 ★3番人気以内になった場合のワールドプレミア



 近年になって、どんどん波乱傾向が強まってきている菊花賞。トップクラスがここを目指さずに、天皇賞(秋)へと向かうケースが増えているのも、それを助長しているのだと思われる。しかも今年は、皐月賞やダービーでの好走実績がある馬がヴェロックスしかいない──という大混戦のメンバー構成。これまで以上に荒れる結果となっても、不思議ではなさそうな雰囲気である。

 特注データとして紹介するのは、前走人気と前走着順を基準とした成績比較。じつは菊花賞は、前走で「人気を裏切った馬」が非常に弱いレースなのである。まったく来ないというわけではないが、前走で人気を裏切っていた【C】の馬は、トータル[1-3-1-55]で連対率6.7%、複勝率8.3%と低信頼度。前走2〜3着馬ならばまだ買えるが、人気を裏切って4着以下だった馬となると、人気でもまったく信用できない。

 また、前走が「1番人気1着」のように人気と着順が同じだった【B】パターンの馬は、菊花賞でどの程度の人気に推されるかがカギとなる。今年はコレに該当する馬が非常に多いのだが、好走しているのは菊花賞3番人気以内馬だけで、4番人気以下だった馬はトータル[0-0-1-23]と大不振なのだ。人気薄でも期待できる【A】パターンの馬とは、傾向が大きく異なる点に注意したい。

 あとは、完全に内枠有利のコース&レースであることや、前走での上がりが「2位以内」かどうかでかなりの成績差がある点なども、このレースの攻略ポイント。特注馬の候補には、当日3番人気以内に推された場合のワールドプレミアをあげておこう。

【コース総論】京都芝3000m外 Aコース使用

※今回は「京都芝2200m外〜芝3200m外」の4コースを集計対象としています

・コースの要所!

★意外に波乱傾向が強めのコース条件。中穴はもちろん、大穴まで狙えそう。
★ハッキリと内枠が有利。馬番1〜6番に入った馬は、評価を大きくプラスに!
★末脚のキレ味は求められるが、脚質は前が優勢。後方に置かれるとアウト。





 菊花賞の舞台となる京都芝3000m外は、菊花賞と万葉Sでしか使われていないコース。データ母数が思いっきり不足するので、京都芝2200m外、京都芝2400m外、京都芝3200m外の3コース分も含めた上で、データの集計を行っている。雑な分析にはなってしまうが、それでもコースの特徴については、コレで十分に把握できるはずだ。

 まずは人気別だが、イメージよりも波乱傾向が強め。先週の京都大賞典も人気馬が総崩れとなって、11番人気のドレッドノータスが制している。もっとも内容が優秀であるのは4〜6番人気の中穴ゾーンだが、7〜9番人気や10〜12番人気も内容はよく、積極的に狙ってみる価値アリ。少しひねって買ったほうが面白いコース条件といえるだろう。

 次に馬番だが、こちらはハッキリと内枠が有利。京都大賞典も、掲示板に載った5頭のうち4頭までが「真ん中よりも内」の馬番だった。とくに差が大きいのが勝率や連対率で、中枠や外枠と比べると圧倒的に優秀。対照的に外枠はイマイチで、平均人気の差が大きいとはいえ、この低調な内容では割引が必須だろう。「真ん中よりも内」の馬番が引けるかどうかが、超重要なコース条件である。

 最後に脚質面。直線の長い外回りコースで、瞬発力の要求度も高めなのだが、それでも後方からでは届かない。脚質別成績では意外なほど先行勢が優勢であり、中団待機組であっても過信は禁物だ。「差せそうで差せない」くらいに思っておいたほうがいいコース条件で、重視すべきは間違いなく先行勢だ。

【レース総論】菊花賞(G1) 過去10年

・レースの要所!

★上位人気も強いが目立っているのは7〜9番人気の活躍。やや波乱含みの一戦。
★コースデータ同様に内枠が非常に強い。脚質別での傾向もコースデータ通り。
★前走で、速い上がりを使っていた馬が好成績。前走着順は3着以内が望ましい。
★完全に「継続騎乗>乗り替わり」の一戦。外国人騎手の強さも目立っている。








 レースの平均配当は、単勝884円、馬連3688円、3連複2万9086円。単勝平均や馬連平均が低めで3連複平均が高いというのは、ヒモ荒れ傾向が強いレースでよく見られる特徴である。とくに近年は波乱傾向が強まっている印象で、堅く決まったのはオルフェーヴルが三冠を達成した2011年くらいのもの。ある程度は荒れるという前提で、馬券を買ったほうがいいレースといえる。

 人気別成績からも、波乱傾向の強さは見てとれる。1番人気は[5-1-1-3]と悪くない結果を残しているが、2番人気は[0-3-0-7]で3番人気は[1-0-2-7]と、それ以外の上位人気はイマイチな結果。逆に絶好調なのが7〜9番人気で、なんと4〜6番人気よりも好成績だ。さらに、ふたケタ人気も3回の馬券絡みがあり、近年はとくに勢いを増している。今年も大混戦となりそうなだけに、警戒は怠れない。

 次に枠番データだが、レース単位でもやはり、内枠が圧倒的に強い結果となった。平均人気の差が大きいのも事実だが、勝率や連対率の差はあまりにも大きく、単勝適正回収値やギャップ値も優秀。中枠や外枠の馬でも買えるレースではあるが、内枠を重視したほうがいいのは間違いない。

 脚質面も、基本的にはコースデータ通り。4コーナーを6番手以内で回った先行勢が、トータル[8-5-7-47]で複勝率29.9%、単勝適正回収値111.9、複勝回収値119という素晴らしい結果を残している。対照的に、4コーナーを13番手以下で回った馬は、ほぼ壊滅状態。上がり上位馬が好成績ではあるのだが、後方からでは間に合わないということだ。勝ち負けにはやはり、中団より前のポジションが欲しい。

 末脚のキレが要求されるレースでもあり、前走での上がり3F順位が「2位以内」だった馬が好成績。3位以下だった馬も3着にはけっこう来ているのだが、その連対率は3.7%とかなり低い。また、データは掲載していないが、前走での着順が「3着以内」であるか「4着以下」かも、成績を大きく分ける分水嶺となっている。前走4着以下馬はトータル[0-1-2-76]で連対率1.3%、複勝率3.8%。巻き返しのきかないレースといえるだろう。

 前走クラス別やレース別では、やはりトライアルを使われてきた組が好成績。前走で2勝クラスを勝った「上がり馬」も6回の馬券絡みがあるが、勝ち負けできたのは2009年のスリーロールスだけだ。こちらはあくまで、3着候補と考えたほうがいいだろう。トライアル比較では、セントライト記念組が神戸新聞杯組よりも劣勢だが、どちらも重要なのは、そこで3着以内だったかどうか。セントライト記念組でも3着以内であれば「買い」だ。

 あとは、G1らしく「継続騎乗>乗り替わり」であることや、外国人騎手がかなりの好成績をあげているレースであること、近年はキャリアの浅い馬のほうが好成績であることなども、押さえておくべきポイント。さまざまなフィルタでふるいにかけて、激走が期待できる穴馬を抽出したいところである。

【血統総論】


 血統面では、ディープインパクト産駒、ハービンジャー産駒、ルーラーシップ産駒をプラス評価の対象とした。近年の菊花賞は、長距離戦とはいえスタミナを問われる流れとなるケースは非常に少なく、それがディープインパクト産駒の好走に繋がっている印象。本質的にはやはり、ハービンジャー産駒やルーラーシップ産駒など、スタミナに秀でる血統のほうが向くレースだろう。適度のスタミナと適度なキレの両方があるような血統ならば、好走が期待できそうだ。

★特別登録馬 総論×各論

 22頭が特別登録を行った今年の菊花賞。収得賞金900万円の4頭は抽選対象となるが、既に回避を発表しているアドマイヤスコール以外にも、何頭かの回避馬が出そうな雰囲気。フルゲートを割り込むことはないだろうが、話題の「ミニマム牝馬」であるメロディーレーンが出走できるケースも十分に考えられる。

 枠番の影響が非常に大きなコース&レースなので、最終的なジャッジはそれを待つ必要があるが、現時点でのトップ評価は素直にヴェロックス。ここまで相手関係が楽になると、勝ち負けにならないほうがおかしい──とさえ言える。評価を割り引くファクターはとくに見当たらず、距離延長に対応可能な「父ジャスタウェイ×母父モンズン」という血統も好印象。好位で流れに乗れるタイプであるのも強みとなる。

 二番手評価にワールドプレミア。神戸新聞杯では「二強」に完敗だったが、継続騎乗する武豊騎手が、菊花賞を見据えた乗り方をしていたような印象もある。本番は「二強」から「一強」になるわけで、さらなる前進があってしかるべきだろう。ディープインパクト産駒らしい決め脚があるのも、このレースでは大きなプラス。ヴェロックスと張り合える可能性がある、数少ない存在である。

 大きく離れた三番手評価にヒシゲッコウ。長距離戦への適性の高さは過去のレース内容から証明済みで、実績は格下ながら侮れない側面アリ。しかも、鞍上にはスミヨンを配してきた。外国人騎手が猛烈に強いレースだけに、なおさら注意が必要だろう。さすがにこの馬が3番人気以内になるケースはないと思うが、もしもなった場合には、評価をさらに上げる必要がある。

 以下はニシノデイジー、サトノルークス、ユニコーンライオン、ザダル、メロディーレーン(抽選)といった評価の序列。そう、あまりに出走馬のレベルが低いため、思いっきり「順当」な評価となってしまったのである。いかにも荒れそうなレースに限って、ぐるっと1周して堅く決まったりするもの。今年の菊花賞は、まさにそのパターンに合致するような気がする。


■総論×各論・先々週の馬券回顧




コレ獲らなアカンやつや(#^ω^)ビキビキ

 内枠から前に行ける馬ならば、人気薄でも警戒すべき一戦だと強調していた……にもかかわらず、07ドレッドノータスがヌケたのは本気で痛恨。14ダンビュライトと09エアウインザーから流して、06シルヴァンシャーや01ノーブルマーズはしっかり買っているのに、手が届かなかったんだよなあ(自分に激怒)。ちなみにこのレース、ダンビュライトが勝っていたらWIN5も当たってたんすよオレ……。

※コース&血統データは2013年以降、レースデータは2009年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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