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【有馬記念】最重要ファクターは枠番で間違いなし!

  • 2019年12月18日(水) 18時02分

■有馬記念(G1・中山芝2500m)フルゲート16頭/登録19頭


★3行でわかる!有馬記念 攻略の糸口

1.枠番が超重要!馬番01〜08番から前に行ける組が主軸。
2.人気馬が信頼できる一戦。ひねるならば軸ではなく相手!
3.3歳馬や前走1番人気馬は素直に買い。脚質は前重視で!

データ特注推奨馬
 ★現時点ではなし

 有馬記念の結果に何よりも大きな影響を与えているもの。それは間違いなく「枠番」だ。コース形態からして「内&前」が有利になって当然で、後方から差すのは至難の業。実際にコースデータやレースデータからも、内枠有利かつ外枠不利という結論が出ている。混戦模様になればなるほど、枠番というファクターが大きく関与してくるはずだ。

 というわけで、今回は枠番の内外と4コーナー通過順位のクロス分析データを「特注」とした。まずは馬番1〜8番に入った馬だが、4コーナーを5番手以内で回った先行勢が、トータル[6-5-1-27]で連対率28.2%をマーク。4コーナー通過が6〜10番手だった馬とは、かなり大きな成績差が出ている。

 同じ先行勢でも、馬番9〜16番に入った馬だと信頼度は一気にダウン。こちらは先行勢よりも、中団から差した組のほうが好結果を残している。つまり簡潔にいえば、有馬記念で狙うべきは「馬番1〜8番の先行勢」と「馬番9〜16番の中団待機組」ということになる。この条件を満たせないような馬は、有馬記念では連対できないと考えるべきだ。

 あとは、1番人気と7〜9番人気の強さ、菊花賞組など3歳馬が好成績を残していること、イメージ以上に差せないレースであることなども、予想する上で必ず意識しておくべき要素。しかし、最重要ファクターはやはり「枠番」である。12月19日(木)に開催される公開抽選でどのような結果が出るのか、例年以上に注目したい。



【コース総論】中山芝2500m Aコース使用

・コースの要所!

★人気馬が非常に強いコース。軸よりも相手をひねって買うのが正解のコース。
★内枠有利&外枠不利で馬番5〜8番の内容が優秀。多頭数の外枠は大幅に割引。
★先行勢の強さが目立つ。軸は4コーナーを5番手以内で回れる馬からチョイス。





 中山芝2500mは、施行レース数が非常に少ないコース。本来ならば範囲を馬場改修以降に限るべきなのだろうが、致し方なく今回は「過去10年」をデータ集計の対象としている。いささか正確性には欠けるが、このコースの特徴自体はハッキリと出ているので、馬券の参考にしてもらえるのは間違いなしだ。

 バックストレッチの3コーナー寄り地点がスタート地点で、いきなり下り坂。しかも、その直後にタイトなコーナーが待ち受けている。多頭数だと序盤がゴチャついて当然で、外枠に入った馬は思ったようなポジションが取れず、苦戦必至であるのがコース形態からも見てとれる。コーナーを回る数の多さも特徴的といえるだろう。

 しかし、それでも「人気馬が強い」のがこのコース。いかにも紛れがありそうなのだが、上位人気馬はしっかりと結果を残している。具体的にいえば、強いのは1番人気と2番人気。とくに注目すべきは2番人気で、1番人気よりも勝率が高く回収率ベースの数値も超優秀。対照的に、3番人気は[1-1-3-17]で連対率9.1%とイマイチな結果に終わっている。

 4番人気以下については、あまり特徴がないというのが正直なところ。それはある意味、けっこうな人気薄でも思いきって狙えるということでもある。さすがに13番人気以下になると期待薄だが、10〜12番人気あたりまでは十分に狙える内容。1〜2番人気からこのあたりに流すような攻め方が、おそらく功を奏すると思われる。

 次に枠番。コース形態からも内枠有利&外枠不利になって当然で、実際にデータもその通り。外枠である馬番13〜16番に入った馬の信頼度は、非常に低い。単純に内外を比較したデータにおいても、明暗ハッキリだ。馬番9〜12番ならばそこまで評価を割り引く必要はないが、勝率の低さを考えると、2〜3着で狙ったほうがいいはず。1着候補は、やはり馬番1〜8番から選ぶべきだ。

 そして、枠番データで注目したいのが「馬番1〜4番よりも馬番5〜8番のほうが好内容」であるという点。平均人気がもっとも低いのに、平均着順はもっとも優秀なのである。ファンのマークが緩くなるのか、単勝適正回収値や複勝回収値の高さも目立っており、かなり食指が動く内容。ここに入った馬は、人気薄でも積極的に狙っていきたい。

 最後に脚質面だが、最後の直線が短くコーナーが多いコースらしく、明らかに「前」が優勢。複勝率に関しては中団待機組も高いが、勝率は連対率については、先行勢が圧倒している。上がり上位馬が好成績ではあるが、最速上がり馬の複勝回収値が100を割り込んでいるように、こちらは「能力」の高さで上位に食い込んでいるという印象。コースの「適性」があるのは、前々から競馬ができるタイプであるのは間違いない。

【レース総論】有馬記念(G1) 過去10年

・レースの要所!

★馬券絡みした馬の過半数が3番人気以内と、近年は順当に決まる傾向が強い。
★コースデータ以上に外枠である馬番13〜16番が弱い。かなり割り引くべき。
★先行勢の強さがさらに加速。4角11番手以下に置かれるとその時点でアウト。
★菊花賞組など3歳馬が好成績。前走1番人気馬は黙って買うのが正解のはず。









 レースの平均配当は、単勝580円、馬連3279円、3連複9379円とかなり低めの水準。有馬記念というと「ドリームレース=波乱を期待」などというイメージがあったりもするが、近年は順当決着傾向が非常に強く、荒れたとしても小波乱程度である。その要因となっているのが、1番人気を筆頭とした人気サイドの強さ。過去10年の1番人気で4着以下に沈んだのは、2015年のゴールドシップだけだ。

 対照的に、人気薄は総じてイマイチな結果に。ふたケタ人気はトータル[0-1-2-63]で複勝率4.5%、複勝回収値32と、かなり期待値が低い。ここを買うくらいならば、4〜6番人気よりも信頼度が高い7〜9番人気を積極的に狙っていきたいところ。2015年のゴールドアクター、一昨年のクイーンズリング、昨年のシュヴァルグランなど、毎年のように好走しているだけに、今年も要注目といえる。

 枠番については、コースデータとほとんど同じ。コースデータの半分くらいが有馬記念だったりするので当然といえば当然なのだが、外枠である馬番13〜16番の弱さは、レースデータでさらに加速している印象だ。おそらく、「外枠思いっきり軽視、やや内枠重視」くらいのスタンスが適切であるはず。あのアーモンドアイですら、外枠に入った場合には飛ぶ可能性が出てくる。

 脚質面も基本的にはコースデータ通りだが、先行勢はさらに強くなっているイメージ。過去10年の勝ち馬のうち8頭までが、馬券絡みした30頭のうち18頭までが、4コーナーを5番手以内で回っている。最速上がり馬よりも上がり3位馬のほうが高信頼度というのも、前有利の裏付けとなるデータ。もう「差せない」くらいに思っておいたほうが、好結果を呼び込めると思われる。

 年齢別では、5歳以下馬が6歳以上馬を圧倒。とくに目立つのが3歳馬の強さで、前走菊花賞組も[4-1-1-5]で勝率36.4%、連対率45.5%、単勝適正回収値210.5、複勝回収値136と猛烈に強い。サートゥルナーリア、ワールドプレミア、ヴェロックスの3頭は、3歳馬というだけで消せないといっても過言ではないだろう。出走数がもっとも多いジャパンカップからのローテは、3着こそ多いが内容はそれほど優秀ではない。

 そして「特注」に近い扱いなのが、前走人気別のデータである。これを見れば、誰でも「前走1番人気馬が非常に強い」という結論となるはずだ。連対率37.0%という信頼度の高さもさることながら、単勝適正回収値152.9、複勝回収値114と爆発力も文句なし。ちなみに、今年の登録馬で「前走国内で1番人気」という条件を満たすのは、アーモンドアイ、ヴェロックス、クレッシェンドラヴ、レイデオロの4頭だけだ。

 最後に騎手関連データ。基本的には「継続騎乗>乗り替わり」のレースだが、そう大きな差が出ているわけではないので、乗り替わりを気にして評価を割り引く必要はなさそう。好成績である外国人ジョッキーへの乗り替わりであれば、なおさらだ。外国人騎手がまったく馬券に絡まなかったのは、過去10年で2009年だけ。今年も上位に食い込んでくる可能性がきわめて高いといえる。

【血統総論】


 血統データからは、ステイゴールド産駒とハーツクライ産駒をプラス評価の対象とした。このコースにおけるステイゴールド産駒の強さはよく知られるところで、過去10年という長いスパンが集計対象となっているにもかかわらず、単勝適正回収値は100の大台を突破。信頼度の高さも抜群で、その適性の高さを疑う余地はない。ハーツクライ産駒も優秀な結果を残しており、負けず劣らずの活躍が期待できそうである。

★特別登録馬 総論×各論

 まさかのアーモンドアイ参戦で、史上最高レベルの好メンバーとなりそうな有馬記念。ウインブライトの回避が発表されているため、クレッシェンドラヴとヴァイスブリッツが賞金で除外されての16頭となりそうだ。ジャパンカップがスッカスカだった分を埋め合わせるような、ドリームレースにふさわしいハイレベルなメンツ。好天に恵まれた場合、中山競馬場はとんでもない数のファンで埋め尽くされることだろう。

 キセキ、アエロリット、クロコスミアの3頭が出走してくる以上、緩い流れにもならないはず。ピリッとしたよどみのない流れで、スタミナや底力を問われる一戦となるはずだ。上位人気が予測されるのは、アーモンドアイ、リスグラシュー、サートゥルナーリア、スワーヴリチャードなど。圧倒的な人気を集めるであろうアーモンドアイは、初となる中山が大きなカギとなりそう。リスグラシューも、中山では初出走となる。

 トップ評価はアーモンドアイ。ロードカナロア産駒であることや中山がどうかなど、確かに懸念される面はある。しかし、そういった懸念材料をアッサリ克服してきたのがこの馬で、いわば常識の埒外にいる存在だ。さすがに大外枠にでも入ると厳しいだろうが、1番人気にふさわしい強さをここでも見せて、1年を締めくくってくれるはずである。

 二番手評価に「馬番1〜8番に入った場合の」アエロリット。こちらはもう「距離がどうか」に尽きるのだが、中距離馬でも意外にごまかしがきくのが中山芝2500mというコースだ。前走の天皇賞・秋でも見せた相変わらずのド根性はここでも侮れず、中山芝での好走実績もアリ。大舞台でも存在感を発揮し始めている津村騎手が、ここでどのような手綱さばきを見せるかにも注目したい。

 三番手評価に「馬番1〜8番に入った場合の」ヴェロックス。前走の菊花賞は人気を裏切る結果となったが、世代トップクラスの実力馬であるのは間違いなし。スパッとキレるタイプではないので、京都や東京よりも中山のほうが向く可能性も十分ある。それだけに、こちらも真ん中よりも内の枠番が絶対に欲しいところ。好位のインでうまく立ち回れれば、ここで大金星をあげられても不思議ではないはずだ。

 四番手評価にリスグラシュー。海外遠征明けで調整がどうかだが、宝塚記念で見せた圧勝劇はまだ記憶にも新しいもの。特例でレーン騎手が乗れるというのも、この馬にとってはとんでもなく大きなプラスだろう。宝塚記念のような走りがここで再びできれば、優秀の美を飾れるはず。中山芝は初出走だが、好走しているコースを考えると、まったく問題なくこなせると思われる。

 以下はキセキ、スワーヴリチャード、フィエールマン、ワールドプレミア、レイデオロという評価の序列だが、結局は枠番がどうなるか次第。ぜひとも、レースがさらに面白く、そして難解になる方向の枠番になって欲しいものだ。個人的には、アーモンドアイが7枠14番あたりを引くと最高に面白い──と思うのだが、どうか。


■総論×各論・先々週の馬券回顧



3連複85.6倍的中!

中穴から入って正解のやつ(*^ω^)♪

レースと好相性の4〜6番人気で、当コラムでも「4〜6番人気に推されるようならば、さらに評価を上げる必要がありそう」と述べていた09マルターズディオサ。そこから上位人気の3頭を経由して流す3連複フォーメーションで、久々にまともな配当にありつけました。でも、レシステンシアの強さには正直びっくり。なんじゃアレは。

※コース&血統&レースデータは2009年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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