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【桜花賞・阪神牝馬S追い切り】2歳女王や上がり馬の状態を調教から分析!

  • 2020年04月08日(水) 18時04分

豪華メンバーが揃った桜花賞を楽しんで欲しい!


 まず最初に緊急事態宣言が出た中での競馬について、自分なりの意見を発言しておきたいと思います。競馬予想TV!の中でも発言したことではありますが、様々なイベントやスポーツ、娯楽施設の自粛に伴い「競馬が本当に楽しみ」と思ってくださっているファンの方はたくさんいると思います。私自身もその中のひとりですし、そういった方々のために自分ができる競馬の情報発信をしっかりとやっていく、その気持ちは普段と変わりなく持ち続けているつもりです。

 ただ「こんな時に競馬をやっていいのか」という意見もあると思います。このタイミングで日本騎手クラブ会長である武豊騎手から『競馬の売得金の一部は国に納付しており、こういう時にこそ意義を感じています』という発言がありました。本当にその通りだと思います。だからといって大手を振って競馬という状況でないことは間違いないわけですから、粛々と開催を続けていくことが大切ではないかと思っています。

 そんなわけで、今年の桜花賞。本当なら、もっともっと盛り上がっていい豪華メンバーです。仲間内でああでもない、こうでもないと言い合えるようなメンバーですが、これが可能なのはオンライン上だけ。それはnetkeiba.comをご愛用の皆様なら得意中の得意だと思いますので、そのためのコラム、重賞捜査網、そしてウマい馬券とお役に立てる内容にしていきたいと思います。

【阪神牝馬S/サウンドキアラ】

 ただいま重賞連勝中。ヴィクトリアM7着以降、昨秋から成績が安定していますが、今回はリゲルSで3着だった阪神マイルが舞台。京都が得意なのは間違いないと思いますが、今の勢いと決して不得意ではない舞台なら連勝継続も十分な可能性があると判断してよいと思います。

 問題は中6週で3本という追い切り本数。これは前回も全く同じ調教内容なのですが、最も得意な京都ではないところで一般的な追い切り本数と比べると少ない状態がどう影響するのか。1週前追い切りは坂路4F51.2秒と自己ベストをマークしているように、スピードは全開といった感じ。あとはそれを持続するための本数が気になるところではあります。

サウンドキアラ

スピード全開の追い切りをみせたサウンドキアラ(4月7日撮影)


【桜花賞/レシステンシア】

 チューリップ賞は休み明けということもあって、1本追い切り本数が足りないかなという状況での出走。ただ、1本ずつの負荷は素晴らしい質の高さでほぼ勝てる状態だろうという予想をしていました。結果的に3着でしたが、これは戦法的なこともあると思いますし、ひと叩きした今回が本番という見方でよいと思っています。

 ただ、気になったのは1週前追い切り。今回、レースで初騎乗となる武豊騎手が跨りましたが、4F56.0秒とかなり遅い時計。週中の追い切りとして、ここまで遅い時計になったのは初めてです。先週末に坂路で時計を出していないので、それでも問題ないと判断した陣営だと思いますが、最終追い切りは4F49.5秒で自己ベストを更新。1週前と最終追いでこれだけ時計に落差があるのは初めてですし、なかなか素直に最終追いのスピードを評価できない過程ではあります。

レシステンシア

1週前追い切りと最終追い切りの時計差が大きいのは気になるレシステンシア(4月7日撮影)


【桜花賞/デアリングタクト】

 新馬、エルフィンSと連勝中。同じ京都マイルだったとはいえ、内回りと外回りの違いがあり、勝ち時計にも大きな差が出たにもかかわらず、強い競馬をしたというところに魅力を感じているファンも多いのでしょう。

 ただ、個人的には1週前追い切りのCWでの併せ馬が地味な動きに見えました。エルフィンSを鮮やかに差し切った時は周囲に馬がいない状況でしたが、併せ馬は3頭併せの最内。このシチュエーションの違いが、伸びの違いだったような気もします。最終追い切りは前走時とほぼ同じなので、馬の状態に関してはレース間隔があいても気にすることはないと思いますが、18頭のフルゲートで前走と同じような末脚を発揮できるかどうかは疑問です。

デアリングタクト

併せ馬になると伸び脚が鈍る点が気になったデアリングタクト(4月7日撮影)


【桜花賞/マルターズディオサ】

 前走後は栗東に滞在しての調整。坂路での追い切りも課してくるかと思っていましたが、結果的にはCWでの追い切りのみという調教内容になりました。前走や阪神JF2着時は美浦坂路を併用して、南W中心の調教だっただけに、このパターンの変化はちょっと判断を難しくさせます。

 ここに最終追い切りが単走という、デビューから初めての最終追いパターンになりました。美浦から阪神競馬場への輸送がある状況でも南Pで追走する併せ馬を先着していたのに、今回はCWで単走。時計は決して遅くないのですが、高い評価をするわけにもいかないのかなと頭を悩ませています。

マルターズディオサ

調教パターンが変化して評価が難しいマルターズディオサ(写真奥、4月2日撮影)


【桜花賞/リアアメリア】

 阪神JFは思わぬ敗戦となりましたが、これによって得た教訓もあったのでしょう。ここへは、迷いなく直行ローテを選んだ陣営。そうするからには、きっとこんな調教内容になるであろうと予想したものがありましたが、まさにその通りの調教内容になっているというのが個人的な印象です。

 まず、併せ馬。アルテミスSも前走もすべて追い切りは単走でしたが、今回は1週前追い切りも最終追い切りも併せ馬。特に最終追いは3頭併せでしたが、朝一番の時間帯ということもあり、他厩舎の追い切りも行われる混雑した馬場状態。それでも自分のリズムで走れていたところが素晴らしいと思いますし、時計も6F81.0〜5F66.9〜4F52.2〜3F37.7〜1F12.0秒と速く、確実に巻き返すことができる状態に仕上がったと思います。

リアアメリア

確実に巻き返せる状態にあるリアアメリア


◆次走要注意

・4/5 難波S【セラピア】(3人1着)

 心配は距離だけでしたが、M.デムーロ騎手の絶妙なエスコートによって、強い勝ち方となりました。これならマイル重賞でも通用するといったところを見せてくれました。個人的にはジョッキーとの相性もいいんだと考えています。

[メモ登録用コメント] [芝マイル]最終追い切り坂路で4F目最速ラップなら勝ち負け。

◆今週の追い切り特報

・NZT【マイネルグリット】
 7日に最終追い切りを行ったので、直接その動きを確認することができました。終いまでしっかりした動きでしたし、3F目12.1秒、4F目11.9秒を楽にマークできた脚力はなかなか。近走冴えない成績ですが、坂路でこれだけ動けたのですから、レースでももう少し走れるはずです。

マイネルグリット

坂路での動きが良かったマイネルグリット(4月7日撮影)


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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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