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【皐月賞】無敗の二強で素直に決まるレース条件にあらず!

  • 2020年04月12日(日) 18時00分

■皐月賞(GI・中山芝2000m)フルゲート18頭/登録19頭


★3行でわかる! 皐月賞 攻略の糸口

1.穴馬の激走率が高いレース条件。7〜9番人気は特注!
2.内枠は深刻なレベルの成績不振。中〜外枠を重視で!
3.前走プラス体重の馬が要注目。ひとケタ人気なら買い!

データ特注推奨馬
 ★ダーリントンホール


 昨年は堅めの決着だった皐月賞だが、一昨年は「7→9→8」番人気、2017年は「9→4→12」番人気で決着と、かなり荒れている。レースデータとコースデータの両方で波乱傾向の強さが見られることから、波乱決着になりやすいレース条件といえるだろう。今年はコントレイル、サリオスという無敗の2頭が人気を集めそうだが、皐月賞での1番人気と2番人気は、どちらもイマイチな結果。過信は禁物といえる。

 重視したいのが枠番データだ。基本的にはかなりフラットなのだが、こと皐月賞についていえば、内枠である馬番1〜6番が大不振。平均人気は8.2とぶっちぎりで高いのに、平均着順は9.7と中枠や外枠を下回るなど、深刻なレベルで弱い。上位人気に推された馬でもコロコロ負けているなど、評価をかなり割り引く必要がありそうなのだ。ここは、中〜外枠に入った馬を重視して、馬券を組み立てたほうがいい。

 その他にも注目すべき傾向はいろいろあるが、特注扱いで紹介したいのが馬体重増減データ。簡潔にいえば、皐月賞は「前走がプラス体重だった馬」が非常に強いのである。ひとケタ人気に限れば連対率34.3%、複勝率42.9%という信頼度の高さで、回収値も大台を楽々とクリア。こちらは、今回がプラス体重であろうとマイナス体重であろうと関係なく、ひとケタ人気ならば「買い」ジャッジでいい。

 ただし、前走がマイナス体重だった馬は、今回の馬体重増減を必ず確認すべき。今回が「プラス体重または増減なし」であればそれなりに期待できるが、今回もマイナス体重だった場合は、期待度が一気にダウンするので要注意である。データ特注推奨馬に選んだのは、前走プラス体重で共同通信杯を制しているダーリントンホール。中〜外枠に入ってスタートを決められれば、ここでもかなり面白いはずだ。

【コース総論】中山芝2000m Bコース使用

・コースの要所!

★穴馬の激走率が非常に高いコース。10〜12番人気の強さは特筆に値するもの!
★枠番は基本的にはフラットだが、内枠有利の印象が強く内枠は過剰人気気味。
★先行勢と中団待機組の成績が拮抗。しかし、後方に置かれた馬は全滅に近い。





 4コーナーから、ホームストレッチの直線に入ったところがスタート地点。スタート直後に急坂を駆け上がって、1コーナーに進入する。最初のコーナーまで400m以上と十分に距離があるので、外枠からでもポジションを取りにいける。内回りとはいえ起伏はそれなりに大きく、スタミナや持久力も要求されるコース。瞬発力だけでは勝ち負けに持ち込めない、タフなコースといえる。

 まずは人気別成績だが、目立っているのが人気薄の活躍だ。さすがに13番人気以下になると手を出しづらいが、10〜12番人気はトータル[2-4-10-122]で複勝率11.6%と、その信頼度の高さは驚異的なレベル。複勝回収値も123と非常に高く、ここを2〜3着で狙ってみるのはかなり面白いはず。また、7〜9番人気の勝率や単勝適正回収値も優秀で、人気サイドよりも穴馬のほうに魅力を感じる。

 次に枠番だが、こちらは基本的にはフラット。外枠である馬番13〜18番の複勝率がやや低い程度で、それ以外はほとんど横並びである。ただし、人気を集めているのは圧倒的に内枠で、そのわりには結果がイマイチ。「中山=内枠有利」というイメージの強さによって、過剰人気になっているものだと思われる。実際は外枠であっても大きな差はないので、注意が必要といえるだろう。

 脚質面は、先行勢と中団待機組の成績が拮抗。勝率が高いのは中団待機組、連対率が高いのは先行勢で、複勝率はほぼ同じという内容だ。上がり最速馬が好成績であることから「やや差し優勢」と考えるべきなのかもしれないが、4コーナーを13番手以下で回った後方待機組は全滅に近い惨状で、そうとは言い切れない面がある。脚質に関しては「後方に置かれる馬だけを割り引く」のが正解だろう。

【レース総論】皐月賞(GI) 中山過去10回

・レースの要所!

★ふたケタ人気はイマイチも、7〜9番人気が絶好調。人気薄を積極的に狙える。
★内枠の成績不振は深刻で上位人気馬であっても過信は禁物。中〜外枠が好調。
★差し切れるレースだがコースデータより「前」優勢。信頼できるのは先行勢。
★共同通信杯組が好調で若葉S組も意外に侮れない。弥生賞組は強くは推せない。








 レースの平均配当は、単勝984円、馬連4573円、3連複3万2999円。単勝や馬連は標準的な水準なのだが、3連複平均はかなり高い。昨年は堅めの決着だったが、傾向的にはけっこう波乱含みの一戦。1番人気[3-1-1-5]、2番人気[1-3-0-6]と、上位人気馬の信頼度も低めである。高配当を積極的に狙えるレースといえそうだ。

 人気別成績で目立っているのは、7〜9番人気の強さだ。トータル[3-2-2-23]で連対率16.7%、複勝率23.3%と、4〜6番人気を上回る信頼度の高さ。回収値も非常に高く、文句なしに「買い」といえる内容である。また、コースデータで10〜12番人気が絶好調だったのも、忘れてはならないポイント。近年の皐月賞ではイマイチな結果に終わっているが、いつ激走があっても驚けない。

 次に枠番データだが、こちらは内枠の成績不振が目立っている。馬番1〜6番のトータル[2-3-2-53]とそれなりに好走してはいるが、上位人気を裏切った馬も多く、ギャップ値は大幅なマイナスだ。ひとケタ人気に限定したデータでも、中枠や外枠のほうが好内容であるのは明白。ここまで成績が悪いとなると、内枠に入った馬については、相応の割引が必要だろう。

 脚質面は、コースデータより「前」優勢。先行勢と中団待機組が5勝ずつと、1着に関しては互角なのだが、2〜3着の回数は大差が出ている。最速上がり馬よりも「上がり3位」の馬のほうが好内容というのも、先行勢優勢の裏付けとなるデータ。4コーナーを6番手以内で回った先行勢が、3着以内馬のじつに63.3%を占めているわけで、ここは先行勢を重視するのがベターである。

 前走レース別成績では、共同通信杯組が絶好調。昨年もこの組から3頭が出走して、ダノンキングリーが3着、アドマイヤマーズが4着という好結果を残している。侮れないのが若葉S組で、勝ち馬こそ出ていないが、その内容は高く評価できるもの。逆に、出走数が多い弥生賞組は、期待に応えられていない面があるのは否めない。勝率の低さを考えると、ここを1着で狙う馬券はオススメしかねる。

 最後に騎手関連データ。桜花賞もそうだったが、継続騎乗と乗り替わりでの成績差がほとんどなくなってきている。一昔前はハッキリと「GIでの乗り替わりは割引」だったのだが、もうコレを気にする必要はなさそうだ。外国人騎手の強さは「それなり」で、もっとも安定感があるのは関西所属騎手。関東所属騎手も4勝と存在感を発揮している。外国人騎手の騎乗馬を、過剰に高く評価してしまうことがないように注意したい。

【血統総論】


 血統面では、ディープインパクト産駒、スクリーンヒーロー産駒、ドリームジャーニー産駒をプラス評価の対象とした。なかでも内容が優秀なのがスクリーンヒーロー産駒で、高信頼度であるのはもちろん、単勝適正回収値151.1、ギャップ値プラス0.7と爆発力もかなりのもの。ドリームジャーニー産駒も複勝率42.9%、複勝回収値145と、非常に高いコース適性を見せている。プラス評価の対象とはしなかったが、キズナ産駒も侮れないか。

★特別登録馬 総論×各論

 ワーケア、オーソリティ、アドマイヤビルゴといった「権利持ち」の回避は残念だが、無敗の2歳GI勝ち馬であるコントレイルとサリオスの激突は、ファンを大いに沸かせてくれそう。素晴らしい内容で弥生賞を制したサトノフラッグ、常に上位を争うヴェルトライゼンデ、無敗の3連勝でここに駒を進めてきたレクセランスなど、今年も粒ぞろいのメンバーがここに集結する。

 ただし、上位人気馬があまりアテにならず、波乱決着傾向が強いレースであるのは、繰り返し解説したとおり。さらに、内枠が深刻なレベルで成績不振であるのも、かなり重視したいポイントだ。ハイレベルなメンバー構成であっても、人気でキッチリ決まる確率よりも、荒れる確率のほうが高いはずで、内枠に人気馬が偏って入った場合には、大波乱もありうるとみている。

 現段階でのトップ評価は、冒頭でデータ特注馬にもあげているダーリントンホール。ルメール騎手がサトノフラッグに乗るため、今回はデムーロ騎手に乗り替わる想定となっている。今年の登録馬で数少ない「前走プラス体重」該当馬で、前々で流れに乗る脚質も皐月賞向き。共同通信杯組1着からのローテも、かなり強い買い材料といえる。ぜひ、馬番7〜12番を引き当ててもらいたいものだ。

 二番手評価にコントレイル。文句なしの内容でホープフルSを完勝したその能力は、間違いなく世代トップクラスだ。中山芝2000mであれだけの強さを見せているのだから、コース適性の高さについても疑う余地なし。好センスで操縦性も良好と、安心して見ていられるタイプ。あとは、ぶっつけ本番がどうかだけだろう。

 三番手評価にサトノフラッグ。デビュー前からその素質を高く評価されていた馬で、今もグングン力をつけている様子。前走の弥生賞で見せたパフォーマンスには、正直なところ驚かされた。GIでよく走る「馬格のあるディープインパクト牡馬」で、中山芝では2戦して負け知らず。ここをあっさり通過しても不思議ではない、器の大きさである。

 四番手評価にサリオス。こちらも無敗で2歳GIを制した大器だが、ここまで徹底してマイルを使われてきた点が気がかり。ペルシアンナイトのように、前走芝マイル戦から好走した馬がいないわけではないが、距離実績がないというのはやはりマイナスだ。また、中山での出走も今回が初で、こちらもぶっつけ本番。能力の高さは疑いようもないが、懸念材料が多い一戦であるのも事実だろう。

 上位に評価したのはここまで。あとは、枠番と人気次第でガラッと入れ替わる。どのような枠順や人気分布となるにせよ、ここは高配当を積極的に狙っていきたいところ。7〜9番人気や10〜12番人気からどの馬を買うかという、穴馬を見極めるウデが問われそうだ。


■総論×各論・先々週の馬券回顧



前予想ズバ当たりなのに(#^ω^)ビキビキ

 どーもー馬券下手でーす(号泣)。本コラムでの分析結果「まんま」といえる結果で、さらに「No.1予想」でもド本線で的中しているというのに、当欄の馬券は見事にハズレ。「奇数馬番の人気薄が絡む」という前提で馬券を買ったらハズレで、しかも奇数馬番の人気薄なのに買ってないカデナがいい脚色で伸びてきて、悲鳴を上げるという。素直に馬連か馬単で勝負しときゃよかったでござる……。

※コース&血統データは2015年以降、レースデータは2009年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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