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最終世代が近づく2頭の種牡馬の産駒が重賞勝利

  • 2020年04月20日(月) 18時00分

先週の血統ピックアップ


・4/19 皐月賞(GI・中山・芝2000m)
 無敗の2歳GIホース同士のたたき合いとなり、1番人気のコントレイルがサリオスに競り勝ちました。文句なしの名勝負だったと思います。キメラヴェリテが引っ張るペースは1000m通過59秒8。稍重にしては速かったので、いつもより後方に控えた福永騎手の作戦が見事に当たりました。これで4戦全勝。

 ディープインパクト産駒にとって皐月賞馬は3頭目で、クラシック競走(皐月賞、日本ダービー、菊花賞、桜花賞、オークスの5つ)の勝利数は「20」に到達しました。サンデーサイレンスが樹立した23勝という大記録にあと3勝で並びます。ディープインパクトは昨年夏に死んでしまったため、今年の春に誕生した当歳がラストクロップ。ただ、数が少ないので、現1歳世代が実質的な最終世代といっていいでしょう。サンデーを抜けるかどうかはコントレイルの頑張りが鍵を握っています。

 今回の競馬を見るかぎり、あと2ハロンの距離延長は問題なさそうな気がします。また、「ディープインパクト×アンブライドルズソング」の組み合わせは、過去の成績を調べると中山よりも東京のほうが断然いいので、コース替わりは大きなプラスでしょう。

・4/18 アーリントンC(GIII・阪神・芝1600m)
 最内からすり抜けるように先頭に立ったタイセイビジョンが京王杯2歳S(GII)以来となる重賞を制覇しました。朝日杯フューチュリティSの2着馬でもあり、このメンバーのなかでは格が違いました。

 父タートルボウルは日本でわずか5世代を残して急逝したため、現2歳世代がラストクロップです。産駒がデビューしはじめた当初は成績が冴えませんでしたが、晩成タイプでタイセイビジョンの他にトリオンフ(中山金杯など重賞3勝)、アンデスクイーン(ブリーダーズゴールドCなど重賞3勝)などの活躍馬を出し、ここにきて産駒の活躍ぶりが目立ってきています。2017年6月に死んでしまったのは惜しまれます。タートルボウル産駒はJRA重賞で連対率45.0%(20戦9連対)と驚異的。重賞における同産駒は侮れません。

今週の血統注目馬は?


・4/25 尾瀬特別(2勝クラス・福島・ダ1700m)
 福島ダ1700mに良績のある種牡馬は、ネオユニヴァースとロジユニヴァースの親子。このレースには前者の仔フワトロ、後者の仔ロジシルキーが登録しています。フワトロはこのコースで初めて走ります。前走はスタートでつまづいて最後方からのレースとなりましたが、直線でよく追い上げて4着に食い込みました。スタートが決まれば巻き返し必至でしょう。ロジシルキーは昨年7月にこのコースで勝利を挙げています。ここ2戦は4着、4着という成績ですが、内容的には悪くありません。この2頭のどちらかは馬券圏内に食い込みそうです。

今週の血統Tips


 先週まで行われてた中山コースと、今週から始まる東京コースは、コース形態も回りもすべて違います。過去10年間、4月の東京コース開幕週の芝レースで、最も優れた連対率を挙げた種牡馬はディープインパクト。2位はキングカメハメハ。この両横綱がずば抜けています。連対率を示すと前者が30.3%、後者が29.8%です。ディープインパクト産駒の場合、芝1400mで[5-1-0-4]、芝2300-2400mで[5-4-0-9]。この2つの距離が特注です。

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netkeibaでもおなじみの血統評論家・栗山求氏が血統の面白さを初心者にもわかりやすくレクチャー。前週の振り返りや、週末行われるレースの血統的推し馬、豆知識などを通して解説していきます。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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