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【NHKマイルC】狙うは今年もヒモ荒れ決着!

  • 2020年05月03日(日) 18時00分

■NHKマイルC(GI・東京芝1600m)フルゲート18頭/登録22頭


★3行でわかる! NHKマイルC 攻略の糸口

1.勝つのは上位人気も相手は紛れる。ヒモ荒れ要警戒!
2.枠番はフラット。先行勢やや優勢も実際はペース次第。
3.前走上がり順位からの取捨を推奨。「黒くない馬」も強い。

データ特注推奨馬
 ★ハーモニーマゼラン


 春の「東京芝1600mGIシリーズ」第1弾となる、NHKマイルC。まず覚えておきたいのが「アタマは堅いがヒモは紛れる」という点だ。昨年がいい例だが、勝つのは人気サイドである場合が圧倒的に多く、しかし2〜3着にはかなりの人気薄が飛び込んでくる──というのが、このレースで多く見られる決着パターン。そしてこれは、東京芝1600mというコースの特徴でもあるのだ。

 レースデータでは内枠が不振な結果に終わっているが、コースデータではきわめてフラットという結論に。そのどちらが正しいかといえば、データ母数が多いコースデータのほうに決まっている。開催タイミングやこの時期の馬場バイアスからも、内枠が極端に悪い成績になるとは考えづらい。内枠に入った馬を、ファンが過剰に高く評価している可能性までありそうである。

 特注データとして掲載するのは、前走での上がり3F順位別での成績。これが、取捨選択のフィルタとしてかなり有効に機能する。まずは前走の順位が「3位以内」だった馬だが、こちらは見事なまでに西高東低。具体的には、タイセイビジョンのように「前走最速上がりの関西馬」を狙ったほうが、好結果を呼び込めるはずだ。

 前走での上がり3F順位が「4位以下」だった馬については、3つの項目からふるいにかけるのをオススメ。前走が5番人気以内であること、鞍上が継続騎乗すること、距離短縮組ではないことが、好走馬に共通する項目だ。この3項目すべてをクリアして、その他にも強い買い材料を持つのが、ハーモニーマゼランプリンスリターンの2頭。より期待できそうな前者を、今回の特注馬にあげておこう。

【コース総論】東京芝1600m Aコース使用

・コースの要所!

★人気馬がしっかり結果を残しているコース。穴は2〜3着で狙うのがベター。
★枠番はフラットで内外での差はほとんどなし。狙ってオイシイのは外枠か。
★先行勢と中団待機組の成績が拮抗。後方に置かれる馬を割り引くのが正解。





 バックストレッチの右端がスタート地点で、最初のコーナー進入までかなりの距離があるコース形態。直線部分の占める割合が非常に大きなコースで、しかも広々とした東京競馬場とあれば、器用さに欠ける馬でも力を出しやすい。逆に、中山向きの器用さや機動力を武器としてきたような馬は、持ち味を発揮しづらいことだろう。

 そういうコースの特性もあってか、人気サイドの強さはかなりのもの。フルゲートに限定したデータであっても、1着馬のうち69.0%が3番人気以内、86.6%が5番人気以内と、人気サイドが大きなシェアを有している。1着に人気薄を狙うのは、基本的には避けるべきコース。ただし、2〜3着のヒモはけっこう紛れる傾向にあり、10〜12番人気あたりはかなりの狙い目。ここは、人気馬からのヒモ荒れ狙いをオススメしたい。

 枠番データにも、コース形態の影響が色濃く見られる。最初のコーナー進入まで十分すぎるほど距離があるため、外枠からでも無理なく欲しいポジションを取りにいける。また、コーナー部分の占める割合が少ないのも、外枠が不利にならない要因のひとつだ。その結果、枠番による成績の偏りはほとんどなし。ファンのマークが薄い外枠を狙ったほうがオイシイといえるほどに、フラットなコースである。

 最後に脚質面。東京といえば「差し優勢」というイメージが強いが、先行勢と中団待機組が「ほぼ互角」というのが、現在の正しい捉え方だ。後方に置かれた馬がサッパリの結果に終わっていることや、最速上がり馬が[5-11-3-9]と勝ち切れていない点などが、差し優勢ではないのを裏付けている。後方に置かれそうな馬だけ評価を大きく割り引くというのが、東京芝1600mにおける正解なのだ。

【レース総論】NHKマイルC(GI) 過去10年

・レースの要所!

★コースデータに忠実な結果。人気サイドが強いが、相手はけっこう紛れる。
★内枠の不振が目立ち外枠が好内容。脚質については、やや先行勢が優勢か。
★距離延長組は大幅割引。逆に、芝1800m以上からの距離短縮組は侮れない。
★なぜか「毛色が黒っぽい馬」が弱い。継続騎乗組や外国人騎手も成績優秀。








 レースの平均配当は、単勝787円、馬連8271円、3連複5万9202円。単勝平均に対して馬連&3連複平均が高いことから、ヒモ荒れ傾向の強さが見てとれる。実際に人気別成績を見ても、受ける印象はまったく同じ。過去10年の勝ち馬のうち8頭までが3番人気以内と、1着馬についてはかなり堅い。このレースを人気薄で制しているのは、2018年のケイアイノーテック(6番人気)と2013年のマイネルホウオウ(10番人気)だけだ。

 しかし「相手」はけっこう紛れる。4〜6番人気はソコソコの結果を出しているが、7〜9番人気はサッパリ。逆に、ふたケタ人気の超穴馬は7回の馬券絡みと、その激走率の高さはかなりのものだ。人気サイドの強さも含めて、このあたりはコースの傾向にかなり忠実な結果。2番人気のアドマイヤマーズが制した昨年も、2着には14番人気のケイデンスコールが激走した。やはりここは、ヒモ荒れ狙いが面白い。

 次に枠番だが、こちらはフラットであるコースデータとは、大きく異なる結果となった。内容がいいのは「外→中→内」の順で、内枠である馬番1〜6番は勝率3.3%、連対率8.3%と成績不振。平均人気9.1に対して平均着順10.2と、人気を大きく裏切っている。その背景にある理由が読みづらいが、こういった結果が出ているレースであることは、しっかり頭に入れておく必要がありそうだ。

 脚質についても判断が難しい面はあるのだが、逃げた馬が3勝をあげていることや連対率の高さから、やや先行勢が優勢とジャッジ。しかし、後方に位置していた馬が3勝6連対とコースデータよりも格段に強いことから、追い込み勢を割り引けないのだ。ただし、最速上がり馬は2勝しかしておらず、勝ち切れていない点も気がかり。おそらくは「ペース次第で何でもアリ」が正解なのだろう。

 前走距離別成績からは、「距離延長組は大幅割引」と断言できる。ファルコンSなど短距離重賞からのローテで出走してくる馬も多いが、前走で芝1400m以下戦に出走していた馬はトータル[0-2-0-38]と大不振。逆に、前走で芝1800m以上戦に出走していた組の信頼度は非常に高い。前走が芝1600m以上であるのが好走の必要条件で、距離短縮組はプラスに評価するのが正解である。

 理由がよくわからないアノマリー系データから、今回は「毛色」による成績差を紹介しよう。NHKマイルCは、なぜか「黒っぽい毛色の馬」が非常に弱いレースで、黒鹿毛・青鹿毛・青毛の馬はトータル[2-1-0-37]と絶不調。連対している3頭はすべて2番人気以内で、3番人気以下馬は全滅している。人気薄の取捨で迷ったら、黒くないほうを選びたい。

 最後に、いつもの騎手関連データ。GIらしく、ここは全体的に継続騎乗組のほうが好内容となっている。こと1着候補に関しては、間違いなく継続騎乗組を重視したほうがいい。ただし、複勝回収値が高いのは乗り替わり組なので、こちらの評価を割り引く必要はないだろう。騎手の東西による差はあまりないが、外国人騎手はトータル[3-2-1-14]と好成績。今年も上位争いに加わってきそうだ。

【血統総論】


 血統面では、ディープインパクト、クロフネ、タートルボウルの産駒をプラス評価の対象とした。ロードカナロア産駒もかなりの強さを見せているが、ギャップ値から推測するに、ディープインパクト産駒以上の過剰人気といえる。爆発力が魅力なのがタートルボウル産駒で、単勝適正回収値、複勝回収値、ギャップ値はいずれも大幅プラス。信頼度こそあまり高くはないが、その秘めたるコース適性の高さは大きな魅力である。

★特別登録馬 総論×各論

 フルゲート18頭に22頭が登録してきた、今年のNHKマイルC。現在までに回避の情報は出ていない様子なので、収得賞金900万の9頭による抽選(このままならば出走可能なのはそのうち6頭)となりそうだ。注目はやはり、2歳女王レシステンシアの参戦。アーリントンCを勝って重賞2勝目をあげたタイセイビジョン、無敗の3連勝でトライアルを制したルフトシュトロームなど、その他のメンバーも強力である。

 現時点でのトップ評価はレシステンシア。長距離輸送や初の東京など課題も多いが、その軽快なスピードや先行力は世代トップレベル。ここから高速馬場化が進んで、本馬に有利な馬場バイアスとなる可能性もある。買い材料の多さは文句なしで、鞍上の乗り替わりも外国人ジョッキーならば問題はなさそう。阪神ジュベナイルFで見せたような走りができれば、圧勝までありうる。

 二番手評価にハーモニーマゼラン(抽選対象)。まずは出走できるかどうかがハードルとなるが、そこをクリアできればかなり面白そう。前走のニュージーランドトロフィーは人気を裏切る結果となったが、あの一戦で見限るのは早計だ。おそらく大きく人気を落とすはずで、ここは絶好の狙い目。さすがに1着までは厳しそうだが、2〜3着への激走は大いに期待できるはずである。

 三番手評価にタイセイビジョン。京王杯2歳SとアーリントンCを制しており、GIの朝日杯フューチュリティSではサリオスの2着という実績から、牡馬では最右翼といえる存在だ。石橋脩騎手が継続騎乗する予定というのも大きなプラス。さらに、タートルボウル産駒が当コースで見せている適性の高さも、大きな魅力である。血統的にも成長力は十分で、まだまだ伸びそうな器。大タイトル奪取を期待する。

 以下はプリンスリターン、ストーンリッジ、ルフトシュトローム、サトノインプレッサという評価の序列。あくまで予定ではあるが、レシステンシアとタイセイビジョンの1着固定から人気薄に流すような馬券で勝負したいと考えている。ヒモ荒れ傾向が強いレースなので、相手はかなり手広く取りたいところ。点数は増えるが、そのリスクに見合ったリターンが十分に期待できる一戦である。


■総論×各論・先々週の馬券回顧




さすがに無茶でござったか(#^ω^)ビキビキ

 ウマい馬券で出した予想は、◎ウインマリリン○ホウオウピースフル。しかし、当コラム用に買った馬券は、05ルトロヴァイユ(8着)と08リヴァージュ(最下位)から流しまくった馬単マルチだったというね(胃痛)。さすがにそろそろ、もうちょっと自分に優しいルールに変更してもいい気がしてきた。

※コース&血統データは2016年以降、レースデータは2010年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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