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ヴィクトリアMの上位人気勢は不安を抱えた馬ばかり

  • 2020年05月16日(土) 20時00分
 前回5月10日のWIN5は1685万7800円の配当で決着。単勝1番人気の支持を集めた5頭がすべて敗れたうえ、3レース目の新潟大賞典(新潟11R)を単勝オッズ19.4倍(10番人気)のトーセンスーリヤが、5レース目のNHKマイルC(東京11R)を単勝オッズ29.6倍(9番人気)のラウダシオンが制したことにより、高額配当が飛び出しました。

 重賞は他のレースよりも出走メンバーの知名度が高く、予想に関する情報も充実しています。個人差やレースごとの違いはあれど、競馬ファン全体の傾向としては「重賞の方が思い切った勝負をしやすい」「重賞以外のレースを絞り込むのは不安」と考えている方が多いはず。こうした投票心理が配当(≒オッズ)に与える影響は無視できません。

 重賞の2鞍で波乱が起きた前回5月10日も、単勝支持率通りに残り票数が減っていったと仮定した場合の配当理論値は約938万円。実際の配当はその8割増しだったのです。実践するのはなかなか難しいと思いますが、妙味ある的中に繋がるセオリーのひとつとして、頭の片隅にとどめておいてください。

 明日5月17日のWIN5は総出走頭数が79頭、総組み合わせ数が97万2000通り(土曜12時現在)。多頭数のレースばかりで、絞りどころに悩んでいるプレイヤーが多いんじゃないでしょうか。

◆栗東Sは脚質や枠順が明暗を分けそう

 1レース目は4歳以上3勝クラスの渡月橋S(京都10R)。休養明け2戦目のアクアミラビリス、昇級初戦のスイーズドリームスあたりが注目を集めるのではないかと思います。

 2レース目は3歳オープンの青竜S(東京10R)。実績上位のタガノビューティーらに支持が集まりそうです。

 3レース目は4歳以上3勝クラスの八海山S(新潟11R)。比較の難しいメンバー構成で、上位人気勢の支持はやや割れるかもしれません。

 4レース目は4歳以上オープン、ハンデキャップ競走の栗東S(京都11R)。前走の天王山Sを完勝したサクセスエナジー、地方のダートグレード競走を主戦場としてきたファッショニスタあたりが人気の中心となるでしょう。

 5レース目は4歳以上GIのヴィクトリアM(東京11R)。土曜12時の時点ではアーモンドアイが断然の1番人気となっており、プリモシーン・ラヴズオンリーユーらが続いていました。

[伊吹式WIN5ランキング 2020年05月17日版]

1位 新潟11R 12.ウォータースペース
2位 京都11R 3.サクセスエナジー
3位 京都10R 8.ジュランビル
4位 東京11R 7.ダノンファンタジー
5位 東京10R 11.タガノビューティー
【以上すべての馬を買うと1点買い】

6位 東京10R 1.フォーテ
7位 東京11R 2.ビーチサンバ
8位 京都10R 4.フォックスクリーク
9位 京都11R 4.ダイメイフジ
【以上すべての馬を買うと16点買い】

10位 新潟11R 3.オンザロックス
11位 東京10R 10.シェダル
12位 東京11R 3.シャドウディーヴァ
13位 京都10R 9.アクアミラビリス
【以上すべての馬を買うと108点買い】

14位 京都11R 15.ファッショニスタ
15位 新潟11R 10.スズノウメ
16位 東京10R 7.ムーランアンディゴ
17位 東京10R 3.ダノンファスト
18位 東京10R 13.デュードヴァン
19位 東京11R 1.ラヴズオンリーユー
20位 東京11R 12.アーモンドアイ
21位 東京11R 5.プリモシーン
22位 京都10R 14.トウカイオラージュ
【以上すべての馬を買うと1296点買い】

23位 京都10R 7.タマモメイトウ
24位 京都11R 6.レピアーウィット
25位 京都11R 7.マルカソレイユ
26位 新潟11R 5.エルモンストロ
【以上すべての馬を買うと3600点買い】

 5レース目のヴィクトリアM(東京11R)は、臨戦過程に大きな不安がない馬を重視したい一戦。「“同年、かつ中央場所、かつ1600m以上、かつ重賞のレース”において7着以内となった経験がない馬」は2017年以降[0-0-0-27]と苦戦しています。また「出走数が14戦以上だった馬」は2017年以降[0-0-2-26]、「枠番が6〜8枠だった馬」は2017年以降[0-1-0-22]。キャリアが豊富過ぎる馬や、外寄りの枠に入った馬は強調できません。これらの条件をクリアしているのはシャドウディーヴァ・ダノンファンタジー・ビーチサンバくらい。好枠を活かしやすそうなダノンファンタジーは特に楽しみです。

 4レース目の栗東S(京都11R)も外枠不利なレース。「枠番が7〜8枠だった馬」は2013年以降[0-1-1-25]でした。なお「“JRA、かつダ1400m、かつ重賞のレース”において優勝経験がない、かつ馬齢が7歳以上だった馬」は2013年以降[0-0-1-36]、「前走の4コーナー通過順が11番手以下だった馬」は2013年以降[0-0-1-33]。高齢馬や極端に先行力が低い馬も評価を下げるべきでしょう。実績上位で展開にも恵まれそうなサクセスエナジー・ダイメイフジを素直に信頼すべきだと思います。

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競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。

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