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【エプソムC】中穴配当を手堅く獲るのを目指せ!

  • 2020年06月07日(日) 18時00分

■エプソムC(GIII・東京芝1800m)フルゲート18頭


★3行でわかる! エプソムC 攻略の糸口

1.馬場バイアスの影響が大。「内」と「前」を重視するべき!
2.人気サイドが非常に強い。狙ってオイシイのは中穴!
3.関東所属騎手が大不振。斤量増となる馬も大幅割引。

データ特注推奨馬
 ★現時点ではなし

 エプソムCの特徴をひと言で表現するならば、「堅い」ではなかろうか。1番人気が圧倒的に強いというレースではないのだが、馬券絡みしているのは人気サイドばかりで、過去10年の馬連平均配当はなんと1882円という低さ。もう、ふたケタ人気はその時点で「消し」がセオリーといえるほど、順当決着傾向が強い。おそらく今年も、少なくとも1〜2着に関しては、かなり堅く決着することだろう。

 注目すべきは、この時期特有の馬場バイアス。春の東京開催もフィナーレが近づいてきたが、それでもここは「内枠」や「先行勢」が強いレースとなっている。コースデータとレースデータを比較すれば、それは一目瞭然。「内枠」と「先行」と「上位人気」という3要素のうち、最低でも2つを満たす馬から勝負したいところである。

 面白いのが、関東開催の重賞でありながら、ホームであるはずの関東所属騎手が大不振であるという点だ。もっとも期待できないのが「関東馬×関東所属騎手」の組み合わせで、ここに限ればトータル[1-1-4-60]で連対率は3.0%という低さ。同じ関東馬でも、関西所属騎手や外国人騎手が乗った場合は連対率31.3%と、かなりの高信頼度なのだ。

 あとは、前走から斤量増となる馬が非常に弱いことや、前走での人気が今回の結果に繋がる傾向が見受けられるのも、押さえておきたいポイント。大波乱は期待できないが、少ない点数で意外にオイシイ配当にありつけるケースも十分に考えられる。先週の安田記念とはまた違った「競馬の面白さ」が感じられそうな一戦である。

【コース総論】東京芝1800m Cコース使用

・コースの要所!

★1番人気馬の勝率が非常に高いコース。人気薄では7〜9番人気の内容が優秀。
★少しだけ内枠有利の傾向が見受けられる。極端な外枠に入ると割引が必要。
★先行勢も踏ん張ってはいるが差し優勢。最速上がり馬も優秀な結果を残す。





 2コーナー寄りのポケットからスタートして、そこからナナメにバックストレッチへと進入。そこから3コーナーまでは長い直線が続く。コース形態から、やや内枠有利&外枠不利となるはずだが、ポジションはバックストレッチで挽回が可能だ。力がある馬ならば、外枠からでも結果が出せるコースといえる。

 それを証明しているのが、人気別成績。1番人気馬は[38-13-9-33]で勝率40.9%と、4着以下よりも1着のほうが多いというきわめて優秀な成績を残しているのだ。紛れのあるコースならば、こんな結果は出ない。基本的には人気サイドが強いコースで、極端な穴は狙いづらい。人気薄では、7〜9番人気を狙うのがオイシイだろう。

 次に枠番だが、やはり多頭数だと少しだけ内枠有利の傾向にある様子。ギャップ値がプラス圏となったのは馬番1〜4番と馬番5〜8番で、後者はとくに優秀な内容といえる。極端に大きな差が出ているわけではないので外枠も買えるが、馬場バイアス次第では内枠有利の傾向が強まるケースもあるので、注意が必要である。

 脚質は「やや差し優勢」という結論に。先行勢も意外なほど踏ん張っているのだが、最後の直線を粘りきるのはなかなか難しい。とくに1着候補に関しては、決め脚のある中団待機組を狙ったほうがベター。上がり上位馬が総じて好成績&好内容であるのも、差し優勢の裏付けといえる。

【レース総論】エプソムC(GIII) 過去10年

・レースの要所!

★順当決着傾向が非常に強いレース。ふたケタ人気馬は「消し」がセオリー。
★馬場バイアスの影響が大きく、コースデータ以上に「内」と「前」が強い。
★4歳馬が圧倒的な強さ。前走6番人気以下馬は期待薄なので取り扱い要注意。
★前走から斤量増となる馬は大幅割引。関東所属騎手の騎乗馬も不振な結果。









 レースの平均配当は、単勝522円、馬連1882円、3連複1万347円と、馬連平均の低さは「異常」といえるほど。それもそのはずで、過去10年の勝ち馬はすべて5番人気以内で、連対馬もすべて7番人気以内なのだ。人気薄での激走例といえるのは、2012年の3着馬マイネルスターリー(15番人気)くらいのもの。順当決着傾向が非常に強いレースである。

 ただし、「1番人気が猛烈に強い」という性格のレースではないのがミソ。昨年も5番人気のレイエンダと3番人気のサラキアで決まって、馬単は万馬券となっている。人気サイドが強いのは間違いないが、その組み合わせ次第でオイシイ配当も狙えるはず。人気別では、中穴ゾーンである4〜6番人気を重視するスタンスを推奨したい。

 次に枠番だが、こちらはこの時期の馬場バイアスが大きく影響している様子。コースデータ以上に内枠有利で、馬番1〜8番に入った馬の好成績が目立つ。単純に内外を比較したデータでも、信頼度や回収値の差は歴然。外枠に入った馬が買えないわけではないが、内枠を重視すべきであるのは間違いない。

 脚質面も、馬場バイアスの影響が大。逃げた馬が[1-2-3-4]で複勝率60.0%と高確率で馬券に絡んでおり、先行勢と中団待機組の比較でも前者が完勝と、コースデータとは傾向が大幅に異なっている。中団〜後方からの差し・追い込みも相応には決まるが、馬券の主軸に据えるべきは先行勢。内枠から前に行けそうな馬を中心に、馬券を組み立てたい。

 驚いたのが年齢別成績で、4歳馬が[8-6-2-14]で連対率46.7%と圧倒的な強さを見せた。それに次ぐのが5歳馬や6歳馬だが、それとは比較にならないレベルで4歳馬が強い。さすがに極端すぎる結果で、その背景も判然としないので過信は禁物だが、こういう結果が出ているという事実は頭に入れておくべきだろう。

 あとは、前走での「人気」が今回の結果に繋がるのも、注目したいポイント。前走2番人気以内馬は、トータル[6-4-2-18]で連対率33.3%、複勝率40.0%と高信頼度。連対馬も、そのほとんどが前走で5番人気以内に推されていた。前走での着順ではなく、人気のほうを取捨選択の材料としたい。また、前走から「斤量増」となる馬が、トータル[0-3-1-50]と大不振であるのも、覚えておいて損はない。

 最後に騎手関連データだが、ホームであるはずの関東所属騎手が成績不振で、アウェイである関西所属騎手や外国人騎手が好成績。ここまで大きな差が出るのは珍しいだけに、今年も重視したいポイントといえる。継続騎乗と乗り替わりでの成績差は小さいので、こちらは気にかける必要なし。騎手の「所属」をしっかり確認しておきたい。

【血統総論】


 血統面では、ディープインパクト産駒とキングカメハメハ産駒、ヴィクトワールピサ産駒をプラス評価の対象とした。基本的には「強そうな種牡馬の産駒がそのまま強い」という印象で、多少なりとも意外性があったのはヴィクトワールピサ産駒だけ。文句なしに優秀な内容を残しているだけに、もし出走してきた場合には要チェックだ。

★出走予定馬 総論×各論

 現時点で出走の意向が把握できている馬だけでもフルゲートをゆうに超えており、収得賞金の少ない馬にとっては「狭き門」となりそうなエプソムC。昨年の連対馬であるレイエンダとサラキア、新潟大賞典での大敗からの捲土重来を期するギベオンなど、なかなかに悩ましいメンツがここに集いそうだ。

 トップ評価は、前走で湘南Sを快勝してきたピースワンパラディ。ただし、本馬の収得賞金は2400万円と少なく、出走が叶わない可能性がけっこう高い。それでもトップ評価としたのは、4歳馬であることなどプロフィル面でのプラス評価がもっとも多く、スッと好位につけられる脚質なども魅力的だから。相手関係は一気に強化されるが、それでも狙ってみたくなる1頭である。

 二番手評価に、一昨年にこのレースを勝っているサトノアーサー。長期休養からの復帰後はなかなか勝てずにいるが、レースパフォーマンス自体はかなり高く、衰えは見られない。重賞勝ち実績のあるコースで、斤量は前走から1キロ減。ディープインパクト産駒であるのもプラスで、あとは「誰が乗るか」次第といったところ。中団より前で競馬ができるのも、馬場バイアスを考えるとプラスだろう。

 三番手評価にアンドラステ。しかし、こちらも収得賞金2400万で、出走できるかどうかは微妙なところだ。岩田望騎手が継続騎乗する見通しで、3勝クラスのパールSを勝ってきた内容も優秀。暑い時期になってきて、牝馬の強みが発揮される可能性もありそうだ。ピースワンパラディと同様に、数少ない4歳馬であるのも大きなプラス。出走できれば、上位争いができて不思議ではない。

 以下はレイエンダ、ギベオン、シャドウディーヴァ、アトミックフォースという序列となるが、騎手想定すらあまり把握できていないので、最終的な評価はここから思いっきり変わると思われる。大荒れはないがガチガチでの人気決着もないという読みで、オイシイ中穴配当を狙って獲りたいところ。上半期のフィナーレ・宝塚記念へ向けての資金作りにもってこいの一戦だろう。


■総論×各論・先々週の馬券回顧



馬券下手ここに極まれり(#^ω^)ビキビキ

「ウマい馬券」の予想では06ヴェルトライゼンデを三番手に挙げているというのに、当コラムの勝負馬券ではヒモに入れず。なぜなら、3着候補を「今回マイナス体重の馬」だけに絞り込んだからである(痛恨)。素直に、馬連にオールインしておけばいいものを……しくしくさめざめ。

※コース&血統データは2016年以降、レースデータは2010年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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