■ユニコーンS(GIII・東京ダ1600m)フルゲート16頭
★3行でわかる! ユニコーンS 攻略の糸口1.メチャクチャ堅い。1着に人気薄を狙うのはナンセンス。2.内枠不利のコース&レース。前走5着以下馬は消し!3.継続騎乗組と外国人騎手が好調。毛色は「栗」推奨。データ特注推奨馬 ★現時点ではなし 数あるJRA重賞のなかでも「屈指の堅さ」を誇るユニコーンS。過去10年の勝ち馬はすべて3番人気以内で、単勝平均配当はなんと548円という低さ。さらに、2〜3着のヒモが紛れるケースも非常に少ない。先週のエプソムCもそうだったが、ユニコーンSで儲けるためには「馬券の買い方」をしっかり考える必要がある。
重要なのが枠番だ。よく知られているように、芝スタートの東京ダ1600mは「内枠不利&外枠有利」の傾向が強いコース。ユニコーンSのレースデータでも、この傾向通りの結果が出ている。内枠である馬番1〜4番に入った馬でも買えるが、やはりある程度の割引は必要。ここは「真ん中よりも外」に入った馬から入ったほうがいい。
そのほかでは、瞬発力の要求レベルが高いコース&レースであることや、前走大敗からの巻き返しがまったくきかないレースであること、騎手が継続騎乗する馬が好成績であること、外国人騎手がメチャクチャ強いことなどが、予想前に押さえておきたいポイント。手広く買えるレースではないので、いかに絞り込むかが重要となりそうだ。
【コース総論】東京ダ1600m・コースの要所!
★1番人気の信頼度が非常に高いコース。基本的には人気サイドが強い傾向に。
★内枠である馬番1〜4番の信頼度はやはり低め。外枠のほうが有利なコース。
★瞬発力の要求レベルが高いのが特徴。ダートだが中団からの差しも決まる。
2コーナー奥のポケットからスタート。芝の区間を約150〜180mほど走ってから、バックストレッチに進入する。外枠のほうが芝の区間を走れる距離が長いので、芝をこなせる馬ならば外枠のほうがダッシュがつきやすい。また、大回りで最後の直線も長いため、ダートにしては差しや追い込みが決まりやすいのも特徴である。
まずは人気別成績だが、1番人気の複勝率は67.1%という高さ。勝率や連対率の高さも文句なしで、さらに回収値ベースの数値も優秀という好内容だ。同様に2〜3番人気も優秀な結果を残しており、人気サイドの強さはかなり目立っている。リスクを取って人気薄から入るよりも、人気馬から流すような馬券のほうが効率はいいと思われる。
枠番データには、コースの特徴がハッキリと現れている。芝スタートの影響は非常に大きく、芝の区間を長く走れる外枠のほうがやはり有利。内枠が買えないわけではないが、馬番1〜4番に入った馬の連対率や複勝率は、他と比較すると明らかに低い。さらに回収値やギャップ値まで低調となると、手を出しづらい面がある。
脚質面は「一応は先行勢有利」といったところか。ダート戦としては瞬発力の要求度がきわめて高い部類のコースで、上がり最速馬は素晴らしい成績。2〜3着に対して1着が圧倒的に多いというのも、差し切りやすいコースである証明といえる。想定ペースや組み合わせ次第ではあるが、好位〜中団やや前あたりがベストポジションだろう。
【レース総論】ユニコーンS(GIII) 過去10年
・レースの要所!
★数あるJRA重賞のなかでも屈指の堅さ。人気薄を1着で狙うのはナンセンス。
★コースデータ通りに外枠のほうが狙いやすい。内枠は人気馬でも多少割引。
★脚質はコースデータよりも「前」優勢。前走5着以下馬は基本的に消し推奨。
★継続騎乗組と外国人騎手の強さが目立つ。最後に迷ったら栗毛&栃栗毛を。
レースの平均配当は、単勝548円、馬連2566円、3連複7925円という尋常ならざる低さ。過去10年のすべてが15頭立て以上と多頭数なのだが、なんとそのすべてを、3番人気以内馬が制している。2着馬における上位人気馬のシェアも非常に高く、3番人気以内馬はトータル[10-7-4-9]で複勝率70.0%という強烈なまでの強さ。それとは対照的に、ふたケタ人気馬は全滅に近い惨状である。
ただし、1番人気馬が圧倒的に強いわけではなく、内容的には2〜3番人気のほうが優秀。昨年も、3番人気のワイドファラオと2番人気のデュープロセスで決まって、1番人気に推されたデアフルーグは7着に終わっている。メチャクチャ堅いレースではあるが、2〜3番人気が勝って2着に中穴人気を連れてくる──といったパターンならば期待できるはず。もっとも、ここで高配当を狙うのはナンセンスだ。
枠番はやはり、外枠有利&内枠不利の傾向。ひとケタ人気に絞ってノイズを除去したデータにおいても、内枠である馬番1〜4番に入った馬はイマイチな結果となった。コースデータとまったく同じで、買えないわけではないが強くも推せないという印象。ここで主軸に据えるべきは、「真ん中よりも外」に入った馬だ。
脚質面は、コースデータよりも「前」優勢。最速上がり馬は相変わらず強いが、勝率や連対率がもっとも高いのは上がり3位の馬だった。コースがコースだけに、勝ち負けにはある程度以上の瞬発力が必須だが、同時にある程度は前のポジションが欲しいところ。後方から一気の脚で突き抜けるのは、けっこう難易度が高い。
前走クラス別では、前走で青竜S、端午S、鳳雛Sといったオープン特別に出走していた組、もしくは地方交流戦に出走していた組が中心。ハッキリしているのが、前走で1勝クラスに出走していた組は厳しいということだ。勝ち馬も出てはいるが、トータル[1-0-3-47]で連対率2.0%と、上位争いは期待薄。この組が勝ち負けするには、無敗で圧勝しているようなポテンシャルの高さが求められる。
また、巻き返しがまったくきかないレースであるのも、ユニコーンSの大きな特徴だ。昨年は前走9着のワイドファラオが制しているが、こちらは芝の重賞勝ち馬で前走はNHKマイルCという例外的存在。前走10着以下から巻き返した唯一の存在であるケイアイレオーネ(2013年・11番人気3着)も、前走はUAEダービーである。国内ダート路線をフツーに歩んできた馬の場合は、前走で4着以内であるのが好走の必要条件といえる。
相関関係が説明できないアノマリー系データでは、今回は毛色に注目。栗毛&栃栗毛の「栗」コンビを推したい。連対馬の過半数を占めているように、その信頼度の高さはかなりのものだ。そして騎手関連データでは、継続騎乗組と外国人騎手の強さが目立つ。ダート馬にとってはGI級に重要な一戦だけに、土壇場での乗り替わりはマイナスに働くようだ。
【血統総論】 血統面からは、ヘニーヒューズ産駒とゼンノロブロイ産駒、Tapit産駒をプラス評価の対象とした。なかでも内容が優秀で「特注」級の扱いとなるのがヘニーヒューズ産駒で、高信頼度かつ高回収率。昨年の覇者ワイドファラオも、その産駒である。順当決着傾向が強いレースなので血統だけでは推しづらいが、今年も必ずチェックしておきたい。
★出走予定馬 総論×各論 想定段階でもフルゲート以上の頭数が出走を予定。収得賞金900万円の馬は、抽選をくぐり抜けての出走となりそうだ。人気を集めるのはおそらく、カフェファラオ、デュードヴァン、レッチェバロックという、ダートでまだ負けたことのない3頭。海外でサンバサウジダービーカップを制したフルフラットも、ここでどんな走りを見せてくれるのか楽しみな1頭である。
現段階でのトップ評価は
レッチェバロック。前走が1勝クラスというのは大幅マイナス材料なのだが、こちらは「外国人騎手(C.ルメール騎手予定)が継続騎乗」という強力なプラス材料を有している。また、有力馬に差し・追い込み脚質が多い今年の出走予定メンバーにあって、前に行けるというのも強み。好位で折り合えれば、後続の追撃を完封できても不思議ではない。
二番手評価に
カフェファラオ。日本のダートで優秀な結果を残しているアメリカンファラオ産駒のなかでも、飛び抜けて高いポテンシャルを感じさせる1頭だ。前走のヒヤシンスSでは、後方から素晴らしい伸び脚をみせて完勝。まだまだ奥がありそうで、東京のダートに向く瞬発力も十分に備えている。こちらはD.レーン騎手に乗り替わり予定で、その手綱さばきが注目される。
三番手評価に
デュードヴァン。こちらも、M.デムーロ騎手に乗り替わる想定である。芝のアーリントンCではいいところなく11着に大敗したが、ダートに戻った前走の青竜Sでは接戦をモノにして3勝目をあげた。その3勝がすべて東京ダ1600mというのは大きな強みで、高いコース適性を証明済み。ダート性能も当然、世代トップクラスだ。
以下はタガノビューティー、サトノラファール、スリーグランド、フルフラット、キタノオクトパスという評価の序列。とはいえ、このあたりを手広く買っていたのではトリガミ必至なので、枠番や人気から買い目はかなり絞り込む所存である。上位に評価した3頭には、将来のダート界をリードするような大物感あふれる走りを期待したい。
■総論×各論・先々週の馬券回顧
見せ場なし!(#^ω^)ビキビキそれにしても、勝った11グランアレグリアは文句なしに強かった。05アーモンドアイがちょっと伸びを欠いた印象とはいえ、先に抜け出してそのまま押し切った内容にびっくり。メチャクチャ期待していた02ダノンキングリーは、見せ場すらなく7着敗退(吐血)。ま、また当たらないモードに入ってきたぞ……。
※コース&血統データは2016年以降、レースデータは2010年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。
【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!