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ロードカナロア時代の到来

  • 2020年07月27日(月) 18時00分

先週の血統ピックアップ


・7/26 アイビスサマーダッシュ(GIII・新潟・芝1000m)
 ダッシュよくハナに立ったジョーカナチャンがライオンボスの追撃をアタマ差しりぞけ、初の重賞制覇を成し遂げました。前走の韋駄天Sはライオンボスが1着、ジョーカナチャンが2着で、両者の斤量差は4.5kg。今回は3kg差に縮まったため、数字上はジョーカナチャンにとって不利でしたが、迷いなく先頭に立った積極策が功を奏したといえそうです。

 母方にサンデーサイレンスを持ち、なおかつヌレイエフのクロスを持つロードカナロア産駒は、女傑アーモンドアイをはじめコンスタントに走っています。また、「ロードカナロア×ネオユニヴァース」の組み合わせも、グランデマーレ、ニューポート、エピックスターなどが出て成功しています。

 ロードカナロア産駒は昨年、JRAの芝1000-1400mで54勝を挙げました。2位ダイワメジャーに23勝差をつける断然トップです。芝短距離のカテゴリーは完全に“ロードカナロア時代”といっていいでしょう。それを考えると、JRAで最も距離の短い重賞であるアイビスサマーダッシュを制覇したのはごく順当な結果という気もします。

・7/25 新馬戦(新潟・芝1600m)
 レース途中から先頭を奪ったリフレイムが直線で大きく外にふくれ、外ラチぎりぎりを走って先頭でフィニッシュラインを駆け抜けました。デビュー前、2歳馬とは思えないような好時計を連発して評判になっていた外国産馬ですが、気性面の難しさを併せ持つ、という噂どおり、破天荒なレースぶりでした。あれだけのロスがありながら勝ってしまうのですから走る能力自体は尋常でないものを持っています。

 母ケアレスジュエルはアラバマS(米G1)などアメリカで3つの重賞を制覇した活躍馬。父アメリカンファラオは史上12頭目の米三冠馬で、そのほかにブリーダーズCクラシック(米G1)をレコード勝ちするなど計8つのG1を獲得しています。種牡馬としては昨年の米ファーストシーズンサイアーチャンピオンの座についています。米欧双方の芝重賞を制しているように芝向きの適性も見て取れます。

 しかし、これまで日本で挙げた勝ち星はカフェファラオのユニコーンSを含めてすべてダート。芝で勝ったのはリフレイムが初めてです。これだけ癖の強い馬なので、まともなレースができるようになるかどうか、悲観的な見方をせざるを得ないのですが、時間をかけてじっくり矯正してほしいものです。かつてのクロフネのような芝・ダート兼用タイプで、ダートで走ればもっと強い可能性もあります。

今週の血統注目馬は?


・8/2 札幌道新スポーツ賞(2勝クラス・札幌・芝1500m)
 登録馬の父のなかで札幌芝1500mに強い種牡馬はロードカナロア。通算23戦9連対(連対率39.1%)という成績は、2010年以降、当コースで産駒が20走以上した29頭の種牡馬のなかでトップ。当レースにはカヌメラビーチが登録しています。連対率33.0%で第2位のディープインパクトも侮れません。その産駒クリノアリエル、ピースマインドは一発の魅力があります。

今週の血統Tips


 映画『風と共に去りぬ』(1939年・米)に出演した女優オリヴィア・デ・ハビランドが7月26日に亡くなりました。104歳。著名な女優としては記録的な長寿でした。彼女の妹で女優のジョーン・フォンテインは『レベッカ』『断崖』などで知られる女優ですが、姉同様に長寿を保ち、7年前に96歳で亡くなりました。長寿は遺伝的要素が強いため、長生きした人の家族や親類も長寿であるケースが多く、姉妹の父は95歳、母は88歳まで生きています。

 わが国のサラブレッドで長寿を伝えた種牡馬といえばチャイナロックが有名です。29歳まで種付けを行ったタフネスで、その年に死にました。代表産駒のハイセイコーは30歳、タケシバオーは28歳とやはり長寿でした。チャイナロックはハイペリオン系ですが、身体の丈夫さはそこから受け継いだものが大きいのではないかと思います。ハイペリオンは小柄ながら頑健な体質で、30歳まで長生きしました。わが国のサラブレッドの長寿記録(40歳)を樹立し、昨年夏に大往生したシャルロット(競走名アローハマキヨ)は、その母サローングIIがハイペリオン4×3です。

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netkeibaでもおなじみの血統評論家・栗山求氏が血統の面白さを初心者にもわかりやすくレクチャー。前週の振り返りや、週末行われるレースの血統的推し馬、豆知識などを通して解説していきます。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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