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【クイーンS】道中の走りをより大切に“北海道開催での理想の乗り方”

  • 2020年08月06日(木) 18時00分
哲三の眼

2019年白百合ステークス以来の勝利を挙げたレッドアネモス(提供:デイリースポーツ)


14頭立てで行われたクイーンステークスは11番人気レッドアネモスがV。大接戦を制し重賞初制覇を飾りました。吉田隼人騎手は函館記念に続いて北海道での重賞2連勝を決めました。今回の勝ち方は、“北海道開催などで騎手が理想とする乗り方の一つ”だと哲三氏は語ります。今回はレッドアネモス&吉田隼人騎手のコンビを中心に、クイーンステークスを振り返ります。

(構成=赤見千尋)

接戦の多い札幌で大切なことは…


 クイーンステークスは11番人気だったレッドアネモスが、内々から間を割って大接戦を制しました。鞍上の(吉田)隼人君は函館記念のアドマイヤジャスタに続いて、人気薄の馬で重賞制覇。同じ北海道開催の洋芝とはいえ、外目をリズム良く動いて行った函館記念とはまた違う形での勝ち方で、引き続き乗れているなと感じます。

 レッドアネモスは3歳時に白百合ステークスを勝った馬で、能力はあると思っていましたが、なかなか結果が出ませんでした。今回の走りを見て、洋芝が合うのかなということもありますが、いい結果が出せたことで、今後に繋がる起爆剤になるかもしれません。

 レースを振り返ると、まさに1枠1番を上手く活かした競馬でしたね。内ラチ沿いにこだわる位置取りで、結果的には勝負所でも外に出さなかったことが勝ちに繋がったのではないかと。もし仮に、3、4コーナーで外に出す選択肢を取っていたら、同じく内から伸びて来た岩田(康誠)君のスカーレットカラーに差し切られた可能性もあります。コースの特徴として内々がいいということもありますし、自分が外に出すことで内をすくって来る馬がいるかもしれないと、ラチ沿いを絶対外さないという選択肢できっちり勝ち切りました。

 勝負所で内を通るというのは、前が開かない、詰まるかもしれないというリスクもあります。ただ今回は、

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1970年9月17日生まれ。1989年に騎手デビューを果たし、以降はJRA・地方問わずに活躍。2014年に引退し、競馬解説者に転身。通算勝利数は954勝、うちGI勝利は11勝(ともに地方含む)。

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