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3歳馬のレベルやいかに?

  • 2005年12月19日(月) 23時49分
 有馬記念の主役は間違いなくディープインパクトだが、初の古馬対戦という点を懸念するファンもいるだろう。

 まず、一般論でいう「有馬記念の3歳馬」は、特に不安に感じる必要のあるものではない。平成以降のデータで見る限り、3歳馬の勝率・連対率はむしろ古馬よりも高い。ノーチャンスの馬が出てきにくいことも影響しているのだろう。

 問題は、「今年の3歳馬のレベル」だ。すっかり有名な話になったが、今年の3歳牡馬はまだ古馬相手に芝の重賞を勝っていない。短距離戦まで全部込みにして[0-3-2-27]である。

 ここで問題になるのが、「例年はどうなんだ?」ということだ。マイル以下の重賞は別とし、1800m以上の芝重賞における3歳馬の戦いぶり(有馬記念週は当然含まず)を整理するとこうなる。

年度  着度数    有馬での3歳好走
96年  [2-3-2-22]     なし
97年  [4-2-2-19]     1着
98年  [3-2-3-14]     1着
99年  [2-1-1-14]     3着
00年  [2-1-1-23]     なし
01年  [3-2-3-22]     1着
02年  [2-1-5-17]     1着
03年  [2-2-1-22]     2着・3着
04年  [1-4-2-20]     なし
05年  [0-2-1-16]     ??

 確かに、今年は近年まれに見る「3歳不作」なのかもしれない。ただ一方で、対古馬戦の成績と有馬記念での成績が綺麗にリンクしているのかというとそうでもない。

 もうひとつ、ここに入らない成績としてシックスセンスの香港ヴァーズ2着をあげなくてはならない。ウェスターナーやノースダンサーにレース適性がなかったとはいえ、内容としてはなかなかのもの。ディープインパクトとシックスセンスとインティライミだけは強い、という可能性もある。

 3歳不安説がどのくらい作用するかによっては、本来穴党の人までこぞってディープ買いに参戦する余地が出てくる。単勝が売れないということはさすがにないだろうが、馬連や馬単での支持率にも注目したい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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